既読がつくのに、存在だけが薄くなる
第1章:もしスマホがなかったら
もしスマホが、この世になかったら
誰かからの連絡を待って
ヤキモキしただろうか
既読がつかないことで
一日が揺れただろうか
返信が来ないことで
自分の存在を
疑っただろうか
きっと
そんなことはなかった
連絡が来なくても
それだけのことだった
繋がれる時代に、なぜ孤独になるのか
スマホを持っていれば、誰とでも繋がれる
距離も時間も関係ない
文字が届く
画像が届く
声さえ届く
それは確かに
繋がりと呼ばれている
でも
既読がつかない
返信が来ない
電話が、鳴らない
それだけで
一日が、揺れる
温度がない
匂いがない
手が、届かない
繋がっているのに
届いていない気がする
そしてふと気づく
届いていないのは
メッセージだけじゃ
ないかもしれない
第2章:画面の向こうとこちら側
(途中から有料)
伏せて、置いた
別のことを、しようとした
本を開いた
頭に入らなかった
何か食べようとした
味がわからなかった
気づけば、また手に取っていた
通知は、来ていなかった
わかっていた
手に取る前から
それでも、見た
誰かの反応の中にしか、自分がいない
明るくなる瞬間だけ
息ができた
それだけのことなのに
それだけのために
今日も待っていた
おかしいとわかっている
でも、やめられない
やめた後の静けさが
今の痛みより
怖い気がして
動けないでいる
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