#242「急がば回れ」は琵琶湖が語源?
日本人なら誰もが知っていることわざ「急がば回れ」は、琵琶湖をどう通るかが語源となっている。
「急がば回れ」は次の短歌からつくられた。
「もののふの 矢橋(やばせ)の船は速けれど 急がば回れ 瀬田の長橋」
この歌は室町時代の連歌師宗長(そうちょう)によって詠まれた歌だ。
「矢橋の船」とは、草津と大津を直線で結ぶ渡し舟のことだ。水路は陸路を行くよりも距離が近いが、春から夏にかけては「比延下ろし」とよばれる突風が吹くことがあり、草津から大津へ行くには向かい風となり船が進まず、転覆の恐れもあり危険な航路だった。
「瀬田の長橋」とは琵琶湖の南端近くにかかる橋で、「日本三名橋」のひとつとして数えられることもある有名な橋だ。
もし急いでいるなら遠回りでも瀬田の長橋を通る陸路の方が安全であるということが歌われている。
そもそも、草津から大津に向かうには本当に琵琶湖上を船で渡る方が早いのか。実際にやってみた人がいた。
この記事によれば、水路が途中の徒歩行程も入れておよそ2時間だったのに対し、陸路はおよそ4時間。水路だと半分の時間で着くことができたそうだ。
「急がば回れ」は江戸時代に落語の笑話集で紹介され、人々に広まったそうだ。車もエンジンのついた船もなかった時代、徒歩か船かという選択は人々にとってより身近なものだったのだろう。
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