#68 アイドルファンには地方公務員が多い?

統計がないのでそうとは言い切れないが、宮台真司さんの『14歳からの社会学』という本で次のようなエピソードが紹介されている。

 目の前にアイドルの子たちに向けて書かれたパネルが見える。「明日は札幌だね。ついていくよ!」。時間とお金がよくあるよね。彼らがどんな仕事をしているのか、君は想像がつくかな。ぼくがたずねる。「すいません。地方公務員の人、手を挙げてください」
 予想通り、いっせいに手が挙がる。いまのアイドルは小中学生の子が多い。平日は学校があるから、イベントや「営業」(握手会とか)は土曜か日曜になる。そうすると、アイドルファンを続けるには、まず土日にきちんと休める仕事じゃないといけないんだ。

宮台真司『14歳の社会学』世界文化社,2008,p117-118

  この本が出版されたのは15年前だし、地方公務員=アイドルオタクだと言いたいわけでもないが、この本で伝えたいことはぜひ紹介したい。アイドルファンの地方公務員を通して筆者が言いたいことは、仕事=人生という生き方がすべてではないということだ。このエピソードで語られている人たちは<生活>のために<仕事>をしている。世の中(日本)の多くの人が<仕事>のために<生活>をしている。学校では好きなことや生きがいを得られる仕事を選ぶようにせまる。そんな中で、<生活>のために<仕事>をする生き方もありだよという例が、アイドルファンなのである。

日本のキャリア教育はどうしても「職業選び」になりがちだが、本来は「生き方選び」から教えるべきである。

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