#148 参議院の「参」は「参加」の「参」

二院制をとる日本の国会は衆議院と参議院から成り立っている。
衆議院と参議院の違いを簡単にまとめてみる。

議員定数 465人(衆議院)⇔248人(参議院)
被選挙権 25歳~(衆議院)⇔30歳~(参議院)
任期 4年※解散あり(衆議院)⇔6年※3年ごとに半数改選(参議院)

生徒を悩ます違いだが、この違いには理由がある。
そもそも、衆議院と参議院はなぜ「衆議院」と「参議院」という名前なのか。

衆議院の「衆」は大衆・民衆(=国民)を表わす「衆」である。かつて、大日本国憲法下で貴族院と衆議院の二院制だった頃、貴族院は華族や皇族などが議員となっていた。それに対し、国民の選挙によって選ばれたのが衆議院議員だったので、衆議院議員は「代議士」と呼ばれた。現在でもその名残が残っており、「代議士」は衆議院議員にのみ使われる呼称である。

一方、参議院の「参」は「参加」の「参」である。「参議」自体は古くは太政官における役職で、朝廷の議論に参加するという意味合いの呼称だった。参議院も同様で、衆議院の議論に参加するという意味合いがある。そのため、衆議院に比べて参議院は人数が少なく、年齢も高い。
現在は衆議院と参議院にそれほど平均年齢の差はないが、本来参議院は、少数の知識や経験のある年配の人たちが若者の議論をチェックするという役割がある。参議院が「良識の府」と呼ばれる所以である。

任期についても、衆議院の方が2年短く、解散があるため、より直近の国民の意思を反映しやすくなっている。逆に参議院は6年という長い任期で解散もないため、長い視野に立って国政を担うことができる。

選挙制度が違うのも、衆議院と参議院でそれぞれ違ったタイプの人が議員になってより多様な国民の意思を反映させようという意図がある。

衆議院・・・小選挙区289名、比例代表176名
参議院・・・選挙区74名、全国比例代表50名、合計124名(※1回の選挙の人数、全体の人数は2倍)

衆議院は全国を細分化した289の小選挙区選挙と、全国を11のブロックに分けた比例代表制によって選ばれる。衆議院は、その地域の代表者という意味合いが強い。それに対して参議院は、都道府県を単位とした選挙区(定数は人口によって異なる)と、全国を1つのブロックにした比例代表制によって選ばれる。衆議院に比べると広い範囲から選ばれるため、特定の職業や属性の人々の代表という意味合いが強くなりやすい(本来はそのような意図がある選挙制度だったが、政党単位の選挙が浸透した結果衆議院と参議院の差がほとんどなくなっている)。
また、比例代表選挙では衆議院は政党名を書いて投票するのに対し、参議院は政党名または名簿に登録されている個人名を書いて投票する。そのため、参議院では知名度の高い候補が有利となりやすく、スポーツ選手や芸能人などの所謂「タレント候補」が出場することが多い。

ごちゃごちゃになりやすい制度の違いだが、衆議院と参議院の役割の違いを理解すると覚えやすくなる。

【目次】

【参考】


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