#149 強者が弱者を訴える「スラップ訴訟」とは?
スラップ訴訟とは、企業や国、影響力のある個人などが、一般の個人を訴える訴訟のことである。
スラップとは、「Strategic Lawsuit Against Public Participation」の頭文字をとったSLAPと、「平手打ち」を意味するSlapをかけた言葉である。SLAPは直訳すると「公的参加に対抗するための戦略的訴訟」となる。つまり、企業や政府の批判など、公に意見を表明することを防ぐために行う訴訟のことである。
訴訟は勝つ見込みが小さいにも関わらず、批判を抑え込むことを目的として行われる。お抱え弁護士団を抱える大企業側はほとんど負担にならないが、訴えられた側は個人で弁護士を雇ったり、裁判所に呼び出されたり、金銭的・精神的な負担を背負うことになる。結果、損害賠償を得られなくても、訴えられた人のみならず世間に対しても企業批判の抑止力になるのである。こうした訴訟は「恫喝訴訟」「威嚇訴訟」などとも呼ばれる。具体的には、特定の企業や商品のことをブログで批判した人を、批判された企業が名誉棄損で訴えるといった事例がある。
スラップ訴訟自体は、消費者運動や環境保護活動などの市民団体による運動が活発だった1980年代のアメリカで社会問題となった。アメリカでは表現の自由を守るために半数を超える集でスラップ訴訟による人権侵害を防ぐ法律が制定されており、裁判所がスラップ訴訟の認定をした場合は、その時点で訴訟がストップする。
日本は現時点ではスラップ訴訟に関する規制はない。スラップ訴訟自体を不当な訴訟として訴えることはできるが、認められるハードルが高いというのが現状のようだ。
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【参考】
