#412 日本の政治は官僚が動かしている? 「政治家より強い」と言われる理由
日本では、選挙のたびに政治家が変わります。総理大臣も数年ごとに交代しますし、内閣改造があれば大臣も入れ替わります。
しかし、その一方でほとんど変わらない存在が「官僚」です。
そのため日本では、「政治を動かしているのは政治家より官僚なのでは?」と言われることがあります。なぜ、選挙で選ばれていない官僚がそこまで強い権限を持っているのでしょうか。
そもそも官僚とは何者なのか
官僚とは、簡単に言えば「国の行政を専門的に担当する公務員」のことです。
たとえば、財務省、外務省、文部科学省、厚生労働省など、各省庁で働いている国家公務員たちです。
特に難関試験を突破した「キャリア官僚」は、日本のエリートとして知られています。
一方、国会議員は選挙で選ばれます。
つまり、
政治家 → 国民の投票で選ばれる
官僚 → 試験で採用される
という違いがあります。
政治家は「民意」を背負っていますが、官僚は「専門知識」を持っているのです。
実は政策を作っているのは官僚?
多くの人は、「政治家が法律や政策を考えている」というイメージを持っているかもしれません。
しかし実際には、法律案や政策の細かい内容を作っているのは官僚である場合が少なくありません。
たとえば、
・法律の文章作成
・予算案
・制度設計
・国会答弁の原稿
なども、官僚が中心になって作ることがあります。
特に国会中継では、大臣の後ろに大量の官僚が座っている姿を見たことがある人も多いのではないでしょうか。
彼らの役目は、「答弁をサポートすること」です。
大臣は数年で交代することがありますが、官僚は何十年も同じ分野を担当している専門家です。
そのため、大臣自身より官僚の方が制度に詳しいケースも珍しくないのです。
総理大臣は変わっても官僚は変わらない
日本では、諸外国と比べ、総理大臣が短期間で交代しています。
また、同じ人が総理大臣を続けていても、「内閣改造」が行われて〇〇大臣は頻繁に交代することが多いのです。
しかし官僚組織は、政権が変わっても基本的には残り続けます。
つまり、
総理や大臣 → 数年で交代
官僚 → 長期間その分野を担当
という構造になっているのです。
そのため、政治家が交代しても、実際の行政運営は官僚組織が継続して行うことになります。これが、「日本は官僚国家だ」と言われる理由の一つです。
最近話題の「ザイム真理教」とは?
最近、ネット上では「ザイム真理教」という言葉が話題になることがあります。
これは主に、森永卓郎氏の著書『ザイム真理教』が出版されたことを皮切りに、「財務省が強すぎる」という批判的な意味で使われるようになったスラングです。
この言葉が広まったことにより、
・増税路線
・財政均衡の絶対視
などについて、「政治家より財務省の意向が強く反映されているのではないか」と感じる人も少なくありません。
実際、日本の予算や税制は非常に複雑であり、専門知識を持つ財務官僚の影響力は大きいと言われています。
特に財務省は、
・国家予算
・税制
・国債発行
などを担当しており、日本政府のお金の流れを大きく握っています。そのため、政治家であっても、財務省の考えを完全に無視することは簡単ではありません。
その結果、
「選挙で選ばれていない官僚が、実際に政治を動かしているのでは?」
という不満につながることもあるのです。
「ザイム真理教」という言葉の背景には、
・官僚主導への不満
・増税への反発
・日本政治への不信感
など、さまざまな感情が含まれているのです。
日本政治は「政治家」と「官僚」の共同作業
ここまで読むと、「じゃあ日本は官僚が支配しているの?」と感じる人もいるかもしれません。
しかし、官僚制度そのものが悪いわけではありません。
むしろ、専門知識を持った人が行政を支えているからこそ、国家運営が安定している面もあります。
もし政治家だけで行政を回そうとすれば、
・制度理解不足
・経験不足
・短期的な人気取り
によって、政治が不安定になる危険もあります。
つまり、日本の政治は、「政治家だけ」でも、「官僚だけ」でも成り立たないのです。
選挙で選ばれた政治家が方向性を決め、専門知識を持つ官僚が実際の制度を動かしている。日本の政治は、その両方によって成り立っているのです。
ただ、国会中継で大臣が答弁している裏では、多くの官僚たちが資料を作り、制度を設計し、行政を支えている。
そう考えると、日本の政治が少し違って見えてくるかもしれません。
【目次】
