#14 海底ケーブルのリスク

 インターネットで外国とやりとりされるデータはどこを通っているのか。
何となく人工衛星を介して宇宙を通ってくるようなイメージがあるが、実は大部分が海底を通っている。
 世界の海には海底ケーブルが張り巡らされており、総延長は約120万km。地球の約30週分に及ぶ(2022年現在)。日本の国際通信の99%は海底ケーブルを通して行われいる。データもバックアップされているし、災害時でもLINEがあるし、インターネットの世界はサイバー攻撃以外は安心と思いがちだが、実はインターネットも物理的なものに大きく依存している。
 そのため、とくに戦争など有事の際は海底ケーブルやその基地局を攻撃され、インターネットが使えなくなったり、著しく制約が生まれたりするリスクに晒されている。さらに、無防備な海底ケーブルから情報を傍受されてしまうというリスクも伴う。現代の情報は高度な暗号化は施されているものの、人間が作っている以上人間に解除できないということはない。

 実際に、2022年1月15日に発生した海底火山の大噴火により、太平洋の島国トンガと世界をつなぐ唯一の海底ケーブルが切断され、トンガは2日間インターネットが遮断され、現地語のラジオ以外情報が手に入らないという状態になってしまった。
 第一次世界大戦では、イギリスは北海にあったドイツの通信ケーブルを切断し、ドイツの情報網を遮断、中立国のスウェーデンを経由させることで傍受しやすくした。
 冷戦下では、アメリカがソ連の海底ケーブルに傍受装置を設置して情報を盗んでいたことが明らかになっている。この装置はソ連によって回収された。なお、現代の海底ケーブルでは同じ方法で傍受することはできなくなっている。

 ちなみに世界で一番最初に海底ケーブルが設置されたのは1851年(日本は江戸時代)の英仏海峡である。初日に新種の海藻と間違えられてケーブルが切断され、1日で使えなくなったそうだ。

【参考】


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