#43 かつて利根川は東京湾に流れていた?

利根川と言えば日本一の流域面積をほこる関東平野を横断する河川である。
利根川の源流は群馬県と新潟県の県境にある大水上山(おおみなかみやま)で、そこから数々の支流が合流して、埼玉県と群馬県の県境、千葉県と茨城県の県境を通り千葉県の銚子市で太平洋に注いでいる。

しかし、かつての利根川は途中で流路を南に変え、現在の江戸川の少し西を流れて江戸湾(東京湾)に注ぐ河川だった。
利根川・荒川など大きな河川が一気に流れ込む江戸東部の低地は、広大な干潟が広がり、しばしば洪水にみまわれた。
このような不毛の地に封じられた徳川家康が、利根川を太平洋に流す東遷事業を始めたのである。60年間にわたって人の手で行われた工事により、利根川の流路が変わった。そのことで、江戸を洪水から守り、湿地帯だった不毛な土地を江戸を支える穀倉地帯に変えた。また、台地を削って作られた人工的な川は東北の雄伊達政宗の侵入を防ぐ役割を持ったとも言われている。

現在、日本の人口の3分の1にあたる約4000万人が関東平野に暮らしているが、江戸時代に利根川の流路が変わっていなければ現在の発展はなかっただろう。

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