#106 台湾は常任理事国だった?

国際連合の安全保障理事会の常任理事国はアメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中華人民共和国の5か国。第二次世界大戦の戦勝国で、拒否権という権利を持っており、1か国でも拒否権を発動すれば議決ができない。そのため、とくに冷戦中は安保理が機能しなかった・・・ここまでが教科書的な知識である。

5か国の常任理事国のうち、ロシア連邦はかつてソ連だったということはよく知られているが、中国(中華人民共和国)が中華民国(現在の台湾)だったことはあまり知られていない。

第二次世界大戦が終わった直後、国際連合が成立した段階では中国は中華民国が統治していた。そのため、中華民国が常任理事国となった。
1949年、中国共産党が内戦に勝利し、中国本土を統治する中華人民共和国が成立した。台湾に逃れた中華民国政府は、人口などの勢力面では圧倒的に不利だったが、その後も常任理事国であり続けた。

それに対し、中華人民共和国を常任理事国とすべきというソ連は1950年に安全保障理事会をボイコット。ソ連不在の中朝鮮戦争では北朝鮮に対して国連軍が派遣された。冷戦の代理戦争だった朝鮮戦争への国連軍の介入は、その後の安保理ではソ連・中国が拒否権を発動するためあり得ない事態だった。

中華人民共和国を常任理事国とするには総会で3分の2以上の国の賛成が必要だった。当初は、アメリカが日本などを巻き込んで反対していたが、1960年代に新たに独立したアフリカ諸国の加盟によって、アメリカ・日本などの中華民国を押す勢力が少数派となっていき、1971年の総会で代表権が中華民国から中華人民共和国へ変更。中華民国は常任理事国だけでなく、国際連合からも脱退した。

その後、台湾の国際連合への加盟やオブザーバー参加が申請・検討されているが、現代でも実現には至っていない。

【参考】


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