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ジャリっ、と夏を噛む。

「ジャリっ・・・。」
スイカの種を噛んでしまった。
ぷっっっ。
空皿に射的のように飛ばす。

カランコロン───。
風鈴のような涼やかな音が響く。

ざく切りにしたスイカのお供には、
アイスコーヒーにした。
甘みと苦味を往復しながら、
夏のなんでもない時間を充実させている。

外に出たくないなぁ.....。
太陽さんよ、あと少しくらい手加減してくれないか。
からっからに乾燥した冬が恋しい。 

揺れるカーテンの光。
灼熱の陽射しをまといながら、ゆらゆらと。
暑かろうに。

テレビを見ると、日本地図は紫色になっている。
40℃を超えると、酷暑日というらしい。
クーラーの効いた部屋から出られない。

それでも、蝉の声に誘われて、
今日も外へふらっと。


お土産として買った手拭い───。
山小屋での思い出がたくさん詰まっている。
何に使おうか。
二年経ってもタンスの中にいたから、
ひょいって引っ張ってきた。

せっかくなので、この暑い夏にスカーフとして使ってみる。
首元の日焼け対策にもなるし、
きっとオシャレにも見える。きっと。

初めて、それを首に巻いてみる。
なんだかソワソワとして落ち着かない。
それでも鏡の前の僕は、小慣れたシティボーイのよう。

そうだ!水に濡らせば、、、。
ううぅぅ。ひんやりで気持ちいい。
スカーフ系男子。
そろそろトレンドがくる予感。
ん?僕が遅いだけかもしれない。


───あちぇえええええ。
暑さで干からびた妻が、仕事から帰ってきた。
スイカでもよかったら。

陽が沈んでも、体感温度は下がらない。
クールビズなんてものでは対抗できない。
『超クールビズ』を地球の端っこで、こっそり始めようじゃないか。

保冷剤を首に巻きながら、街を歩いてみたり。
熱さまシートを額に貼ってみたり。
それでも変な目で見ないで欲しい。
僕は暑さを楽しむ余裕があるのだ。

今日は、日傘をネット通販で購入した。
最近は男性も使ってるのをよく見かける。
慣れてしまえば、へっちゃらさ。

冷やしていこう。
暑い夏に負けるな自分。
プライドまでも冷却してしまえ。

歩く保冷剤と呼ばれる日もきっと近いだろう。
サングラスの目元をキラッと光らせて。

スイカの種が弾けて飛んでくる。
あはは、ごめん。
妻の笑い声が部屋に響いている。

甘くてとても美味しい。
シャクっとした瑞々しい食感。

秋になればきっと、スイカの味が恋しくなっているはずだ。

「プップゥ!」

行儀が悪いと怒られた。
り、理不尽だぞ.....。


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