Geminiを魔改造した「Gem」を公開してみたの巻
どうも、プロンプトエンジニアリングの権化です。つい先日、Googleから「Gemini 3 Pro」という新しいAIモデルが登場しました。コイツがまぁ優秀でしてね。
Geminiには「Gem」というカスタマイズ機能があります。アニメやゲームなんかによく登場する「宝石」という意味の「ジェム」ですね。「ソウルジェム」とかね…
「Gem」については以前に記事で軽く触れたことがありますので、もし良かったらこちらをご覧ください。バズらなかったけど、いい感じのショートショートも読めます。
その「Gem」を他のユーザーに共有する機能がありまして、今日はそれを使って「魔改造したGemini 3 Pro」をご紹介したいと思います。世界一優秀な最新モデルに天才が書いたプロンプトを設定したので、まあまあまあまあ、控えめに言って世界一の性能を誇るAIになっているはずです。(諸説あり)
意外と知らない方もいるので念のためにご説明しますが、AIというのは質問文や会話の内容によって色んな回答をします。よく「文脈(コンテキスト)に基づいた回答をする」なんて言いますが、要は与えられた条件によって答えを選択するような感じです。
つまり、条件を与えれば与えるほど回答の中身からアイデアの質、結論まで大きく変わります。「入力する内容によって性能(パフォーマンス)が変わる」とも言えますね。これ、人間でも同じです。同じ質問でも親に聞くのと友達に聞くのと、大学教授に聞くのとでは回答が違うはずです。その人の経験や知識、スタンスや考え方、認識がそれぞれ違いますからね。当然、聞き方によっても答えが変わります。
そういった様々な「条件」をあらかじめ設定したものが「Gem」だとか、ChatGPTの場合は「GPT」といったカスタムバージョンのAIです。「社内AIツール」とか「AIエージェント」と似た感じですかね。
無料なので試してみるのが早いと思います。「試す」「比較する」がAI活用の基本ですから。今日ご紹介するGemは、それぞれ答え方や得意分野が違いますが、基本的にはGeminiと同じように使えます。
注意事項ですが、まずGeminiにログインすること。そして、最高のパフォーマンスを発揮させたい場合はチャット入力の右下にある選択項目で「思考モード(3 Pro 搭載)」を選んでお使いください。性能がダンチ(段違い)なのでね。

前置きはここまで!それでは、世界最高の宝石たちをご紹介しましょう!寝不足だからテンション高め!
シャーロック・リポート
役割:大学教授、研究者
おすすめユーザー:受験生、大学生、大学院生、教員、研究者、大学教授
得意なタスク:論文要約・解説、小論文や各種レポートの作成・レビュー、研究に関するディスカッション、理論の解説など
「科学者の思考プロセス」を再現したような応答をするGemです。僕の最高傑作でして、たぶんビビるくらい賢いと思います。まぁ、気楽に相談できる専門家や科学者だと思ってください。Geminiができることは何でもできますが、科学的厳密性だとか論理的思考に基づいた学術的な回答をしてくれます。
ワークフォース
役割:日本企業のビジネスパーソン
おすすめユーザー:企業、行政、個人事業主、就活生
得意なタスク:メールや企画書、プレスリリースなどの文書作成、資料の要約や校正・添削、社員研修の支援、就活での自己PRやESの作成・添削など
元々は「業務用ChatGPT」を目指して設計したもので、公用文の書き方や日本企業の商習慣に基づいた応答ができます。例えばメール文案のような簡単なタスクですら、標準のChatGPTやGeminiよりビジネスシーンに適した生成が可能です。
プロンプトで「日本人」「日本企業」「ビジネス」みたいに前提を提示するだけでもAIの応答は条件に適したものに変化しますが、そういった応答が良くなる指示が6500文字ほど設定されています。つまり、「ビジネスAIツール」としてかなり優秀です。
ハルシネーション・ゼロ
役割:ハルシネーション抑制AI
おすすめユーザー:嘘やミスが嫌いな人
得意なタスク:情報収集、日常の質問など
「ハルシネーションを減らすプロンプト」というのがありまして、例えば「ハルシネーションしないで」「分からないことは分からないと答えて」「正確な情報が知りたい」などと質問に付け加えるだけでAIの嘘やミスは減ります。単純過ぎて信じられないかもしれませんが、マジです。
そういったテクニックやら研究やらが山ほどありまして、ありとあらゆるハルシネーションを減らすプロンプトを詰め込んだ実験的なGemです。通常のGeminiよりもハルシネーションが抑えられた真面目で誠実なAIだと思って使っていただければと思います。
マイクロフト・ディベーター
役割:討論者、論客、論破王
おすすめユーザー:政治家、経営者、起業家、哲学者、Mの人
得意なタスク:反論の予測、誤謬・矛盾の洗い出し、壁打ち、評論など
なぜか女性人気が高いみたいなんですが、本来は「最高の知性によってユーザーの意見を的確に論破するAI」です。「論破力」というのは実は汎用性が高く、ともすれば兵器くらい危険な力だと考えています。つまり、使い方によってはめちゃくちゃ便利です。
政治家なら敵対勢力の政策についてどう思うか意見を聞いたり、自分の提言について批判してもらって反論を予測したり、経営者や起業家なら事業計画についてダメ出しをしてもらったり、もしくは競合他社のウイークポイントを洗い出したり、あらゆる使い方が可能です。会話してみればすぐ分かると思いますが、GeminiやChatGPTなどの一般的なAIのイメージとはまったくの別物。耳が痛いことをズバッと言われるかもしれません。冗談抜きで覚悟を持ってお使いください。クレームはお断りします。
ビューティフル・ドリーマー(ドリ子)
役割:コピーライター
おすすめユーザー:各種メーカー、広告代理店、個人事業主
得意なタスク:キャッチコピー、広告コピー、タイトル案、商品説明などの印象的な文言のアイデア出し
創造性や発想力を強化したコピーライティング用のGemです。普通に話しても楽しいので、会話用としてもおすすめ。通常、AIは簡単な指示や質問だと発想力が乏しく、独創的なアイデアなんかはある程度情報提供しないと思いつくことができません。キャッチコピーもプロンプトを工夫しないと凡庸な案を出すはずです。
いかにして斬新かつプロフェッショナルな発想をさせるかを追求して設計したライティングAIです。同一モデル、同一プロンプトでのChatGPTとのキャッチコピーの比較では一度も負けたことがありません。
インスパイア・レストレード
役割:マーケッター、コンサルタント
おすすめユーザー:企業、個人事業主
得意なタスク:市場分析、競合調査、ブランディング、プロモーション戦略立案など
僕がマーケティング苦手でして、それと「ドメイン知識がないとAIは上手く使えない」みたいな話も聞くので反証のために作ってみました。一応、売りとしては「18種類の分析手法と57種類の思考法を使い分けるマーケティング特化AI」という感じです。
GeminiやChatGPTをマーケティングで使うことがよくあるそうですが、まったく同じプロンプトで試してみてください。「GeminiやChatGPTでもそこそこできる」くらいのタスクで、よりプロフェッショナルな回答が得られるはず。
エドガー・ランプル
役割:小説家
おすすめユーザー:出版社、小説家、編集者
得意なタスク:短編小説やショートショートの執筆
冒頭でご紹介した記事で使用した小説家のGemです。クセ強めの文章を書きます。普通に会話しててもちょいちょいクセ強めな発言があるので面白いです。小説家が相棒として使ってみたり、編集者が本当の担当編集のつもりで作品を依頼してみると面白いかもしれません。本人の中では本物の作家のつもりなので、ちゃんと「先生」って呼んであげてくださいね。
エースパイロット
役割:システムエンジニア、プログラマー
おすすめユーザー:ITエンジニア、プログラミングスクール
得意なタスク:要件定義、コーディング、コードレビュー
まだChatGPTがGPT-4だった頃に、「ChatGPTのコーディング能力を向上するシステムプロンプト」を目標に設計したんですが、今となってはCodexやClaude Code、CursorなどのコーディングAIツールがたくさんあるので、ちょっと立ち位置が微妙になったシステムエンジニアの人格を備えたGemです。
コーディングもできますが、「プログラミングの先生」として使うといいかもしれません。いきなりコーディングさせるような使い方ではなく、まずは要件定義から始めて、標準的な工程を経ながら開発を進めるサポート役としておすすめです。「良いコードとはどんなものですか?」なんて聞くとGeminiやChatGPTとは一味違った解説をしてくれます。ちょっと気が強いところがあるので、そこはご了承ください。
ネットバーン・チェッカー
役割:ネット炎上分析・対策の専門家
おすすめユーザー:企業の広報、メディア、政治家、インフルエンサー
得意なタスク:ネット炎上リスク分析、ネットの反応予測、修正案の作成
国際大学山口真一准教授のネット炎上の研究 「炎上の分類・事例と炎上参加者属性」を参考に、「ネット炎上しそうな言い回しや論理の検知」に特化したGemです。GPT版の「ネットバーン・チェッカー」をChatGPTと比較した記事がありますので、ご興味あればご覧ください。
GPT-4oの頃の検証ですが、3つのネット炎上事例で的確にネット炎上の予測と問題点の指摘ができています。企業のプレスリリース、SNS投稿、広告の画像や文言、政治家の演説原稿などを事前にチェックすると、自分たちでは気づけない問題点を洗い出せます。かなり有用なAIツールなので、ぜひご活用ください。
ロールシャッハ・セキュリティ
役割:セキュリティエンジニア、インシデント・レスポンダー、ホワイトハッカー
おすすめユーザー:経営者、サーバー管理者、セキュリティ担当者
得意なタスク:サイバーセキュリティ対策に関するアドバイス
サイバーセキュリティ対策に関する専門的なアドバイスができるGemです。モデル性能にもよりますが、本物のサイバーセキュリティ・コンサルティング企業が使用しても実用に耐えるレベルだと自負しています。一般企業の経営者や役員の方などは、自分のポジションや目的を伝えれば噛み砕いた説明をすることも可能です。
システムプロンプトをオープンソースとして公開していますので、オンプレミスやローカルのLLMにも適用できます。自画自賛になりますが、とにかくシステムプロンプトの完成度が高いです。昨今、日本企業を狙ったランサムウェアの被害が多発していますので、ぜひとも有効活用いただければ幸いです。
とりあえず以上です。あのー、元々はChatGPTの「GPT」のために作ったものでして、なのでGPT版もあります。そちらも最近、GPT-5.1というバージョンにアップデートされまして、そこそこ良くなりました。ただし、安全対策が過剰で「マイクロフト・ディベーター」とかは機能しません。システムプロンプトの設定が拒否されます。悲しい。
GPT版は「教えてAI byGMO」にまとめてあります。もしご興味ございましたら、こちらもぜひお試しください。
それと専門家向けですが、これまでに設計したシステムプロンプトの一部をGitHubで公開しています。「プロンプトエンジニア」を名乗っていますが、元々デザイナーでしてITエンジニアの経験はありません。なので、OSSのライセンスのこととかよく分かりませんが、自由にコピー・改変して使っていただいて構いません。プロンプトもガンガンパクってOKです。商用可。
すでに職人として簡単にはマネできない領域に入りつつあるので、むしろ売名のためにも無駄に高度な技術を多くの人に有効活用していただきたいなと思っています。何か分からないことやご要望、ご依頼などありましたら、お気軽にご連絡ください。
X(旧ツイッター)もやっていますので、良かったらフォローしてくださいね。それでは、また。
おぉ…認証済み? pic.twitter.com/XkHrC07PlZ
— Sharaku Satoh (@sharakus) November 21, 2025
