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【実録】シェアハウスの入居契約に来たヤバいYouTuber

記事に来ていただきありがとうございます!

この記事は、私のマガジン《【実録】ヤバいヤツらシリーズ》です。 これまで「悪質な中国人オーナー」や「他社シェアハウス業者の闇」など、不動産・シェアハウス運営のリアルな裏側を書いてきましたが、今回は弊社に直接やってきた「ヤバい入居希望者」とのトラブルの実録です。

⚠️本記事に登場する人物やエピソードは、人物の特定につながる一部表現は伏せていますが、実際に弊社の契約現場で起きたリアルガチなエピソードです。同業者の方や、これからシェアハウスに住もうとしている方にとって、トラブルに面した現場での法的・心理的防衛術の参考になれば幸いです。

《【実録】ヤバいヤツらシリーズ》




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■ ファーストコンタクト

ある日、弊社のシェアハウスに契約に来た人物。 内覧担当者が聞いていた情報によると、ご本人は「YouTuber」とのこと。契約手続きの前に気になってサーチしてみると、フォロワー数は2万人弱で活動中の方でした。
Youtuberとプライベートでお話する機会は滅多にないですし、どんな方なのか興味深々でオフィスまで契約の手続きに向かいました。

そして、契約時間ちょうどにYoutuberの方がやってきました。
見た目は至って普通の30代半ばの男性。
対面して初っ端。 挨拶もそこそこに、そのYouTuberが放った第一声がこちらです。

「私、宅建持ってて不動産業に詳しいから、さっさと進めて」

……この時点で、私の頭の中の違和感センサーが鳴りました。
普通、本当に宅建(宅地建物取引士)の資格を持っていて実務に詳しい人であれば、契約の重要性や後々のトラブルリスクを知っているため、むしろ特約事項やルールについて一般の方よりも注意深く話を聞こうとするはずです。

仮に本当に法律に詳しいのだとすれば、こちらも曖昧な表現は後からトラブルの種になります。
後から「そんな説明は受けていない」「そっちの責任だ」と詰め寄られる厄介な事態を避けるため、手続きは早めに進めながらも普段よりも正確な専門用語を使い、いつも以上に意識してきっちりと説明を行うモードに気持ちを切り替えました。


■ 噛み合わない会話

弊社の契約手続きのフローでは、最初に「家賃の口座引き落とし手続き」から進めていきます。 この決済方法については、契約に来るよりも前の段階で、メールや内覧時にきちんと説明を済ませています。ですが、ここで変なやり取りが始まります・・・。

私:「それでは、家賃の口座引落手続きの説明をしますね」
YouTuber:「クレジットですよね?」
私:「? いえ、口座引き落とし手続きですので、金融機関口座からの引き落としになります」
YouTuber:「だから、クレジットですよね??(ややキレ気味)」
私:「・・・・・(なんだこの人)」

事前の説明に漏れがあったのかな?とも思いましたがやっぱり変です。

目の前でお見せした口座引き落とし手続きの用紙には、金融機関口座を記入するところはあっても、クレジットカードの番号を書く欄なんて全く無いからです。出会って5分足らずで嚙み合わない会話ですぐキレるメンタリティ

あかん……こいつヤバイやつや・・・


■ 防衛|目先の利益より、今の入居者

基礎中の基礎である決済用語すら理解していない相手が、ドヤ顔で「不動産に詳しい」とマウントを取ってくる状況…。

弊社では、契約手続きの段階でも「この人ヤバイな」と判断した場合、そのまま契約手続きは行わずに帰っていただく場合もあります。

なぜなら、契約の段階で自分の思い込みからいきなりキレ気味になるような人は、入居した後も勝手な独自のルール解釈で生活し、他の入居者さんにキレたりしてトラブルになる可能性が高いと判断するからです。

私にとって一番大事なのは、目の前の「新規契約の売上」ではありません。 今、うちのシェアハウスで平和に暮らしてくれている既存の入居者さんたちの安心です。入居者さんの生活環境を安定させておかなければ、無用なトラブルを招きかねませんし、退去者が生まれます。収益が落ちるわ仕事が増えるわで全く良い事はありません。

私は決断しました。このYouTuberを, 絶対に入居させてはいけない、と。


■ 前代未聞の「押し買い」、そして通報

私は手続きの手を止め、毅然とした態度で相手に伝えました。

私:「すみません、ちょっと契約できないですね」
YouTuber「は?何言ってるんですか???」
私:「ここまでのやり取りで、残念ですが契約はできないと判断しました」

ここから、このYoutuberはブチ切れ始めます。私は、 なぜ契約できないのか、ここまでのやり取りで感じた懸念点をなるべく丁寧に説明しました。しかし、相手は全く聞く耳を持ちません。

そして、信じられない言葉を放ちました。

YouTuber「納得できない! 契約しないと帰りませんよ!!」

……布団の押し売りトラブルならぬ、「押し買い」です。賃貸契約を客から強要されるなんて前代未聞です。
自分の思い通りにならないと「居座る」という物理的なプレッシャーをかけてくる。完全にアウトですね。

私:「帰らないなら、不退去罪で警察を呼びますけどいいんですか?」
YouTuber:「お好きにどうぞ」

開き直る相手。同意したとみなして私は、その場で110番通報を行いました。


■ 警察官の到着

警察へ通報後、到着を待っている間もそのYouTuberは「違法だ!」とかわけのわからないことをずっと喚いていました。

そうしてようやく2名の警察官が現場に到着してくれました。私はこれまでの経緯と事情を、簡潔に警察官へ説明。状況を把握した警察官が、YouTuberに向かって言いました。

警察官:「(管理会社側が)契約しないって言ってるんだから、帰らないと」
私:「〇〇(Youtuber)さん、法律には『契約自由の原則』というものがあります。こちら側が『契約しない方が良い』と正当に判断した場合は断ることができますよ。理由も先ほど丁寧に説明しましたよね」

しかし、ここからYouTuberが謎の法理論をブチ込んできます。

YouTuber「契約の予約は法的に取り消せないんですよ!だから帰らないんです!違法なのはあっちだ!」

……完全に意味不明です。
おそらく本人は、ただの「内覧予約」や「入居申込」の段階を、勝手に『予約契約』は拘束力を持つと都合よく脳内変換して喚いているのでしょう。
民法の基本である「契約自由の原則」も当然ですが、仮に申込段階で双方いつでも手続きの撤回ができないとするならば、借主は契約手続の現場に現れただけでキャンセルできなくなってしまいます。
とにかく言ってること無茶苦茶なんです。

ところが。 相手があまりにも堂々と、さも正論言わんばかりに意味不明な言動を展開していくため、警察官たちが「ん?法的に取り消せない……?ん???」と、悩んでしまったのです。

私が「それは法的に完全におかしい。意味不明な主張だ」といくら正しく説明しても、一方の主張で警察官もその場で迂闊に判断できないと思ったのでしょう。そこから話が全く進まなくなりそうでした。

このままでは埒が明かない。そこで私は、戦術を切り替える事にしました。


■ 警察を動かすための「次の手」

警察組織の習性として、「身柄を引き取って警察署で面倒な事務仕事を増やす」よりも「その場で穏便に追い返す」方が圧倒的に楽だし、できればそっちに尽力したいという本音があります。
そこで私は、あえて一歩引くフリをして、YouTuberにこう提案しました。

私:「わかりました。〇〇(Youtuber)さん、申し訳ないですが私はこの後どうしても外せない予定があるんです。ですから、今日は一旦お引き取りください。別日に改めて、きちんとお詫びの場を設けます。契約に関してはその時に改めて判断させてください」

これは、警察官に「Youtuberを追い出すための大義名分」を与えるための提案です。この提案を聞いた警察官は、YouTuberへの説得(という名の追い出し)に頑張りだしました。

警察官:「ほら、相手も別日に改めて対応するって言ってるんだから、今日は帰りなよ」
YouTuber:「契約できるまで帰らないです」
警察官:「いや、今日はもう契約しないってこちらは言ってるの!これ以上帰らないと本当に不退去罪になるけどいいの???」

全然言うこと聞かない彼に警察もイライラしてきたところで、追い込まれたYouTuberは、

YouTuber「ワッパでも何でも好きに掛けろやデコスケなんか怖くねぇわ!!!」

……

正 体 現 し た ね 。

「宅建持ってる」「不動産業に詳しい」というデキる風のメッキが剥がれて、出てきたのは昭和のチンピラヤクザばりの暴言。

この瞬間、私の「こいつを入居させてはいけない」という直感と違和感センサーが、正解だったことを確信しました。

相手は煮え切らない態度で、なおも私に謝罪を要求してきましたが、警察がと何度も同じやり取りを重ねてくれたお陰で、なんとかその場からの追い出すことに成功しました😩


■ ここからが私のターン|リサーチで見つけた『弱点』

ここからは私のターンです。
このYouTuberに関する情報を、ネットで徹底的にリサーチしました。

すると、とある掲示板で書き込みを見つけたのです。
なんとそこには、このYouTuberは「反社会的勢力の人との繋がり(金銭のやり取り)」があるという内容が書き込まれていました。

これで作戦の方向性は決まりました。

後日、お詫びの日程をこちらから連絡し、場所を調整。こちらが指定したのは、弊社渋谷オフィスの近くにある、人目の多いおしゃれなカフェ。

カフェにした理由は3つあります。
① オフィスだとまた居座られたら同じパターンにハマる可能性を排除する為
② 最悪Youtuberがカフェで大騒ぎしだしても他の人達が騒動の証人になってもらえる
③ 嫌になったらYoutuberに構わず店を出たら終わり

当日、私は準備をして時間よりもかなり早めにカフェに向かい、下座の席に座ってYouTuberを待つことにしました。


■ 渋谷のカフェ:仕掛けた「ダブルトラップ」

時間通りに、そのYouTuberはやってきました。
私は彼を迎え、「上座」へ誘導して着席させました。数日経っていたこともあり、あのオフィスで見せた怒りの感情は見えません。
「今日は管理会社がお詫びをし、契約をお願いしてくるだろう」といった余裕感が伝わってきます。

私は飲み物を注文し、それが届くまでの間に「先日は不快な思いをさせてしまい、大変申し訳ありませんでした」と、丁寧にお詫びの言葉からスタートしました。

YouTuberは「最初からそう言えばいいんだよ」と言いたげな、満足そうな反応で私の謝罪を受け止めています。

そこで私は、脇に置いてあったクリアホルダーから、数枚のプリントを取り出して彼の前に差し出しました。

賃貸借契約書ではありません。
URLがしっかりと添えられた、『あの掲示板』の書き込み内容のコピーです。

私:「〇〇(Youtuber)さん。……反社との繋がりがあるんですか?」
YouTuber:「へ?」
私:「あれから私、ちょっと調べてみたんです。そしたらネットの情報に、こういう書き込みを見つけたんですね」
YouTuber:「……これ何ですか? 私、関係ないですよ。デマですよ!」

紙にびっしりと書き込まれた反社を匂わすネットの書き込みの内容に、徐々に血相が変わり、必死に否定するYouTuber。
私は続けざまに畳み掛けます。

私「そうですか。では、それがデマであることを証明してください。暴排条例があるので疑わしい情報があると分かった時点で、弊社は安易に賃貸契約の締結が出来ません」

【トラップ①:暴排条例】
不動産実務において、コンプライアンス(東京都暴力団排除条例)違反のリスクがある以上、ネット上にこのような書き込みが存在する現状では、弊社には「契約を締結してはならない義務」が生じる。だから、うちの主観ではなく、法的に契約はできません。
 ▶【東京都暴力団排除条例 第22条の2(契約締結前の確認)】
事業者は、その事業に係る契約を締結しようとするときは、契約の相手方が暴力団関係者でないことを確認するよう努めるものとする。
 ▶【東京都暴力団排除条例 第24条(利益供与の禁止)】 事業者は、その事業に関し、暴力団の威力を利用し、又は暴力団の活動若しくは運営を協力し、若しくは維持するために、暴力団員等又は暴力団員等が指定した者に対して、金品その他の財産上の利益の供与(住居を含む)をしてはならない。

【トラップ②:悪魔の証明】
「デマだと言うなら証明して」と言われても、やっていないことの証明は不可能な「悪魔の証明」となる。つまり、ネットの情報の真偽がどうであれ、こちらの主張を正当に覆すには、掲示板の情報が虚偽であることを裁判で証明し、認められ、削除させる必要がある。つまり彼は、この時点では100%詰んだことになる。

最初はふんぞり返っていたYouTuberは、この状況を眼前に、先日のように再び荒れ狂い始めました。口から唾を飛ばし、激昂して喚き散らしています。

そんな彼に、「私も本当に残念なんですけどね~、契約できないんですよね~このままだと」と、言いながら残念そうな顔でテヘペロしながらフィニッシュです。

私:「じゃ、そういう事なので😉」
YouTuber:「○x△☆♭○♯⒥△☆※!!!💢💢💢」

私はそう言ってサッと席を立ち、そのままレジに向かいました。後ろで彼が何か大声で叫んでいましたが、一度も振り返ることなく全ての会計を済ませた私は店を後にしました。

一仕事終えた充足感と、胸に突き刺さるような強烈な実感。
「YouTuberって、本当にヤバい奴がいるんだなぁ……」
しみじみと感慨にふけながら、次の仕事の予定に向かいました。


ところがこの出来事から1、2週間後、再び衝撃が走ります….。


■ 驚愕の後日談

ある日のこと、私のスマホに着信がありました。
画面を見ると、なんと「区役所」。 普段のシェアハウス運営の業務でも各区役所とのやり取りはあるため、登録しているんです。
何の連絡だろうと思いつつ電話に出ました。

区役所:「LLCさんでしょうか?」
私:「はい、そうです」
区役所:「あの、〇〇 〇〇(YouTuberのフルネーム)という方をご存じですか?」
私:「あぁ、その方なら知っていますが、それがどうかしましたか?」

次の瞬間、窓口の職員が放った言葉に、私は我が耳を疑いました。

「今、この方がLLCさんが管理している△△という建物(YouTuberが契約希望していたシェアハウス)に、住民票の転入手続きに来られているのですが、間違いありませんでしょうか?」

……えええええええええ?????

私は驚いて、頭が真っ白になりました。 正気とは思えません。
彼は賃貸契約が全く締結されていない建物に対して、勝手に住民票の転入手続きをするために役所へ行っているのです!

📜 ※解説:この行為に潜む重大な法的リスク
不動産実務、そして法律の観点から見て、契約していない物件に勝手に住民票を移そうとする行為は、単なる「迷惑行為」では済まされない、ガチな刑事罰の対象となる可能性が極めて高い犯罪行為です。
・有印私文書偽造・同行使罪(刑法159条・161条)
役所で転入届を出す際、賃貸借契約書などの証明書類の提示を求められることがあります。もし彼が役所を騙すために、弊社の名義や偽造した印鑑を勝手に使って契約書を作成・提出していた場合、この罪に該当します。
公正証書原本不実記載・同供用罪(刑法157条)
公務員に対して虚偽の申し立てを行い、住民票という公的な電磁的記録に「住んでいない嘘の住所」を記載させようとする行為です。

不動産関連の法律に詳しい(自称)はずの男が、弊社と行政を巻き込んで今まさにぶっ飛んだ事をしようとしています!!
私は即座に、区役所の職員へこう回答しました。

私:「その人、弊社とは賃貸契約すらしていない人です。賃貸契約書の有無を確認すればすぐに嘘だとわかると思います。ちなみに、その男は先日弊社まで契約手続きに来ましたが揉めて、私が警察に通報した要注意人物です。可能でしたらそちら(役所側)で厳しい対応をしてください」

電話の向こうの職員が、あっ・・・(察し)的な反応の後、「・・・わかりました」と言ってその電話は終わりました。

私の気持ち的には、こちらですぐにでも警察に被害届を出してやりたいところです。しかし法律の建て付け的には、実質的な実害(物理的または金銭的被害)が弊社側に発生していない現段階では、私は被害の届け出を出す法的な当事者にはなれないのです。
仮に、有印私文書偽造や公正証書原本不実記載が成立したとしても、この場合の「直接の被害者」は、騙されて公文書を汚されそうになった「区役所(行政)」になります。その場合通報や被害届の提出が可能なのは行政になります。いずれにせよ、残念ながら現段階では弊社がこれ以上関与することができません・・・。

役所側がその後、あの男をどのように処理したのかは分かりません。
ただ一つ言えるのは、同じ人物に、短期間で2度も「やっぱりYouTuberってほんとにヤバいやつがいるんだな」と心の底から思わされた、ということです。


■ さいごに

契約をその場で断る、躊躇なく110番通報を切り出す、カフェで悪魔の証明を突きつけて完全シャットアウトする――
これらの一連の対応は、一見すると非常に冷徹で、血も涙もない対応だと思われる方もいらっしゃるかもしれません。私も同意します。

ですが、私たちが第一に絶対に守らなければならないのは、目の前にある「新規契約の売上」ではなく、今弊社のシェアハウスを信頼し、それぞれの生活を営みながら暮らしてくれている入居者さんたちの安心です。

『入居者生活のリスクになり得る可能性をなるべく排除する』

もし、私が「フォロワー2万人か、仲良くなってうまく宣伝してもらおう」と目の前の"人物"を見ずに、自社の収益だけ考えて入居を許していたらどうなっていたでしょうか?

知らぬ間に何人も入居者さんを不幸にしてしまうかもしれません。

運営者がリスクを負い、将来的なリスクを取り除いていく――。
今いる"仲間"を裏切らないための最大の誠意です。

その強い意志があるからこそ、LLC-HOUSEのシェアハウスには「安心・安全」という見えない価値が上乗せされているのです。

当然、弊社が契約に来た方の人物像を完璧に見抜いて対応出来るわけはありませんが、努力する事は諦めたくないのです。

こまで読んでいただいてありがとうございます!
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