社会保険労務士試験・ややこしいシリーズ2
遺族厚生年金は、学べば学ぶほどにややこしいことに気付きます。
特に、遺族厚生年金には被保険者期間によって年金額の計算の仕方が変わる、短期要件と長期要件とがあります。
その短期要件と長期要件を判断する際には、国民年金の加入期間も算入するのに対して、中高齢寡婦加算の長期要件の20年以上を満たす要件には厚生年金の被保険者期間のみ算入するという違いを理解しておくことがポイントとなります。
1 遺族厚生年金の紛らわしさ
遺族厚生年金の支給要件
厚生年金の被保険者が死亡したとき
厚生年金の被保険者期間中に初診日のある傷病により、初診日から5年以内に死亡したとき
障害等級1級又は2級の障害厚生年金の受給権者が死亡したとき
老齢厚生年金の受給権者又は受給資格期間を満たした者(いずれも国民年金法における保険料納付済期間、保険料免除期間、合算対象期間を合算した期間が25年以上の者)
1、2は保険料納付要件あり
1、2、3は短期要件 4は長期要件に該当する
4の受給資格期間とは・・・国民年金法における被保険者期間10年以上かつ厚生年金法における被保険者期間1月以上のことを指す
死亡者が、「短期要件」で死亡したのか、「長期要件」で死亡したのかにより計算方法が異なり、「短期要件」は、障害厚生年金に相当する計算方法、「長期要件」は老齢厚生年金に相当する計算方法によっているといえる
短期要件 ↓ 定率 ↓300月みなし
平均標準報酬額×5.481/1,000×被保険者期間の月数×4分の3
長期要件 ↑生年月日による読替 ↑実期間で計算
また、短期要件における300月みなしは保険料納付済期間、保険料免除期間、合算対象期間を合算した期間であり、国民年金の被保険者期間を含むことに留意する(後述する中高齢寡婦加算の20年要件が、厚生年金の被保険者期間のみであることとと区別が必要)←ややこしポイントです!
2 中高齢寡婦加算について(遺族基礎年金が貰えない妻が対象)
① 中高齢寡婦加算の支給要件(妻)
受給権取得当時、子がなく遺族基礎年金の受給権を有しない場合には、その当時40歳以上65歳未満であること
受給権取得当時、子があり遺族基礎年金の受給権を有している場合には、妻が40歳に達した当時、子と生計を同じくしていること
(つまり2は、40歳以降、遺族基礎年金が失権した場合に、代わりに65歳まで支給されるものである)
② 中高齢寡婦加算の支給要件(夫)
上記、遺族厚生年金の支給要件の短期要件である1から3のいずれかに該当するとき(20年以上の被保険者期間の要件なし)
又は長期要件である4に該当し、原則として被保険者期間が20年以上(厚生年金の被保険者期間のみ)あるときに支給される←ややこしポイントです!
