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記憶が曖昧になっていくおばあちゃんにヘルシオで2人の思い出の料理を作ってみた

\3品、できたよ!/
おばあちゃん、一緒に食べよう!

「わあ、おいしい!これ全部、アンタが作ったの!」

おばあちゃんが目をまんまるにして、もぐもぐ、にこにこ。

その顔を見た瞬間、私の中で感動のファンファーレが鳴り響いた。
テッテレー♪



酢豚、エビチリ、鶏肉のカシュ―ナッツ炒め。
どれもおばあちゃんと一緒に食べた思い出の料理ばかり。

この日、私はおばあちゃんのために初めての手料理に挑戦した。

ふたりの思い出をもう一度思い出してほしい。

その一心で。



私は、この春シャープに入社したばかりの新入社員。
実家を離れて暮らすようになり、おばあちゃんにもなかなか会えなくなった。

そんなある日、ふと思いついたのだ。

おばあちゃんに料理を作りたい!

これは、料理なんてしたことがなかった私が実行した、ちょっと無謀な「思い出の料理」大作戦。

私のことを忘れられるのがこわかったのに、
「たとえ忘れられたとしても大丈夫」。

そう思えた、この日の話。

記憶が曖昧になっていくおばあちゃん

「そんなこともあったかなぁ、あったような、なかったような。どうだったかなあ」

今年に入って、おばあちゃんは少し困ったように笑って首をかしげることが増えた。さっき話したことを忘れたり、同じ話を何度も繰り返したり、料理やお出かけもあまりしなくなった。

今年のはじめ、散歩中に転倒して右肩を骨折したおばあちゃん。利き手を三角巾で固定したら、一人でできないことが急に増えた。料理や掃除、着替えにお風呂。近所のお友達とのお出かけにも行けなくなって、人と話す機会がぱたりと途絶えた。

それがきっかけになったのだろうか。
しばらくして「あれ?今、何の話だったっけ?」と、戸惑うことが増え始めた。

骨折が治ったと思ったのに、認知症の始まりだった。


もう88歳なんだし、ちょっとくらい忘れちゃうこともあるだろう。
私たちがサポートすれば大丈夫!

そう祈りながら、家族で代わる代わるおばあちゃんの家に通った。話し相手になって、総菜を差し入れて、買い物に連れ出して。

でも私は、ずっとそばにはいれなかった。
この春から、社会人として新天地での生活が始まったからだ。

「おばあちゃんが大変なときに、離れてしまってごめんね。毎日電話するからね」

後ろ髪をひかれる思いで、寮生活をスタートさせた。


入社後は、覚えることが多くてテンパる日々。でも、同時に上司や先輩たちから新しいことを学び、成長を感じられる毎日でもあった。

そんな一日の終わりに、おばあちゃんに電話する。

「薬、ちゃんと飲んだ?」から始まる励ましの電話タイム。いつしか長くなり、気づけば3時間を超えることも。

物忘れをするようになってからも穏やかな性格はそのままで、いつでも私の話を優しく受け止めてくれるおばあちゃんとの電話は、いつの間にか私にとって欠かせない時間になっていた。

「じゃあ、また明日」

「アンタも明日、学校、がんばるんだよ」

「おばあちゃん、私もう社会人だってば!」

こんなやり取りも2日に1回くらい繰り返しながら。


おばあちゃんの調子には波があって、いい日もあれば、そうでない日もあった。

この間は、私のいとこの名前をすっかり忘れていたし、自分の兄弟のことも思い出せなかった。そして今は、父のことを息子ではなく、自分の兄弟だと信じ込んでいる。

ふと思う。

いつか私のことも、忘れちゃうのかな……

大学の帰りに、よくふたりで中華街を歩いたこと。
「どの店が一番おいしいかな?」とショーケースの料理を眺めながらキャッキャと笑いあったこと。

おばあちゃんの家に遊びに行くたびに、テーブルいっぱいに私の好きな料理を並べてくれたこと。「太っちゃうよ~」なんて言いながら、結局、私は全部食べちゃったこと。

就職で実家を離れる時に家族に喜んでもらえない中、唯一おばあちゃんだけが、応援してくれたこと。「アンタの好きなようにやればいいんだよ。おばあちゃんは応援するよ。」と言ってくれて中華料理屋さんでうるうるしながら、一緒に料理を食べたこと。


どうしたら、ずっと覚えててくれるかな。


私とおばあちゃんの「思い出の料理」大作戦

そうだ、おばあちゃんに料理を作ろう!
ふたりの思い出の料理なら、きっと楽しかった時間を思い出してくれる。

今はもうおばあちゃんは料理をしなくなっちゃったし、外出する気力もあまり残っていない。

だったら、私が作ればいい!

そうだ、これまでたくさん料理を作ってくれたおばあちゃんへの恩返しにもなる!元気を出してもらえるかも!

作りたい料理はすぐに思い浮かんだ。


まずは、おばあちゃんの大好物の「酢豚」
甘酸っぱい味が大好きで、中華街では決まって注文してた。私の就職が決まったとき、「応援してるからね」と背中を押してくれたのも、一緒に酢豚を食べていたときだった。

それから「エビチリ」「鶏肉とカシューナッツ炒め」も外せない。

エビチリは私の好物だからといつも用意してくれていた。カシューナッツ炒めには、缶からたっぷりのナッツを惜しみなく入れてくれてた。あのエビの甘辛さとナッツの香ばしさ。どちらもふたりで囲んだ食卓の記憶を呼び起こしてくれる大切な料理だ。



でも、大きな問題があった。

私、料理できなかった。。。



材料を切ったり、炒めたり、もちろんそれくらいはできる。オムライスだって、人生で2回くらいは作ったことある。

でも、一人で中華料理3品なんて。

しかも、おばあちゃんとの思い出の再現レベルなんて、未知の世界すぎる。

でも、作るからにはあの3品だし、おいしくなくっちゃダメだ!


あ、思いついた!

ヘルシオは?

それに、ホットクックもある!


実は入社してからというもの、先輩たちからよく耳にしていたのが「ヘルシオ」と「ホットクック」の働きぶりだった。

「ボタン一つでほったらかしにできるから楽ちんだよ」

「大きな失敗しないのが心強いんだよね」

(一応補足しておくと、ヘルシオとホットクックは食材をいれてボタンを押せば、料理ができるというシャープの自動調理家電だ)

寮生活で自炊する必要がなく、これまで使う機会はなかったのだけど、へルシオとホットクックがあれば、私でもあの中華料理3品が作れるかも!


私は決意した。

「おばあちゃんに、ふたりの思い出の料理を作って食べてもらうのだ!」

ちょっと無謀な「思い出の料理大作戦」の幕開けだった。


そこからは、早かった。

ヘルシオもホットクックも1回も使ったことがない。
当日は、まさかのぶっつけ本番になる。

私は仕事の合間に、レンタルの手続き、 レシピのチェック、買い物リストの作成、イメトレ……と、できる限りの準備をした。

そして、おばあちゃんに何度も伝えた。

「今度、おばあちゃんが大好きな酢豚を作りに行くから一緒に食べようね」

この特別な日を楽しみにしてほしい。心に刻みつけてもらうのだ。

そして、ヘルシオに祈った。
どうか、お願い!おいしい料理で楽しかったあの時を思い出させて!

いよいよ作戦開始の日

私は久しぶりに帰省して、おばあちゃんの家を訪ねた。

「よく来たねぇ!」

おばあちゃんが嬉しそうに扉を開けてくれた。

よかった、思ったより元気そうだ。
毎日電話をしていても、やっぱり会って話すのには代えられない。

よし、今日はおばあちゃんにたくさん喜んでもらうぞ!


さっそく、ヘルシオとホットクックをキッチンに設置。調味料の在庫もチェックして、買い出しもOK。

カウンターの向こうのテーブルで、私のことをニコニコしながら眺めているおばあちゃんに、宣言する。

「今から思い出の料理を作るから、楽しみにしててね!」

テレレレッテレー♪!頭の中で、ゲームのレベルアップ音が響いた。


まずは豚肉を切って、しょうゆとみりんで下味をつけて、片栗粉をまぶして、並べていく。

これってちゃんと片栗粉まぶせてる…?

レシピ通りにしないと不安な私。
実際にやってみると、いろいろ迷うことが出てきてしまう。

たとえば片栗粉でまぶすって、どうするのが正解なの?

困った時は、スマホを使ってAIに聞いたりしながら、進めて行った。

私:酢豚の豚肉に片栗粉をまぶす方法教えて

AI:粉をふりかけて、肉を転がせばOKですよ!まぶすことで肉のうまみを閉じ込めて中はジューシーに、外はカリッと仕上がります。美味しい酢豚になりますように!

次は野菜類を切る。タマネギ、ピーマン、タケノコ、パイナップル……。

「そういえばおばあちゃんの好き嫌いって何だっけ?」

「ネギは嫌いよ。戦争中、百姓の手伝いで嫌というほど採らされたからね。昔は水道もないから、井戸まで水を何度も汲みに行くのも大変だったし」

今まで聞いたことがなかったおばあちゃんの昔の話がぽろりと出てきた。

今となっては想像もできない時代だけど、こうして聞いていると、その暮らしぶりや風景が少しだけ見えた気がした。

おばあちゃんの人生に、ほんの少し触れられたようで、ちょっとうれしい。


下ごしらえした肉と切った野菜を並べてヘルシオに投入していく。

「酢豚」のメニュー番号を入力してを「ピッ!」
(どうか、おいしくなりますように!)

あとは、火加減も、炒め具合も、調味料を入れるタイミングも、何も考えなくていいことに気づく。

なんと、ありがたや……!


この調子でエビチリも作っていく。

ところがこれが手ごわかった。
エビの背ワタ取りに格闘し、白ネギ・生姜・にんにくのみじん切りに早くも挫折寸前。生姜とにんにくなんて、チューブしか見たことなかった私が、必死に包丁と戦っていた。

あっ、ネギは少なめでよかったね。

順番に材料を入れて調味料をかけたら、ホットクックで「えびのチリソース」を選んで、スタートボタンを「ピッ」。


ヘルシオに酢豚、ホットクックにエビチリをお任せしている間、おばあちゃんと休憩タイムも。

「おばあちゃん、残ったパイナップル、ちょっと食べない?」

「せっかくだから、もらっとこうかね」

一口食べると、「うわあ、おいしい。この味、きっと忘れられないわぁ!」とむちゃくちゃいい笑顔だった。

え、これ何の変哲もない缶詰のパイナップルだよ!

さては、私に気をつかって、今日はなんでも「おいしい」って言おうって決めてるな。

でも、たとえそうでも、こうやっておいしいと喜んでくれるのはやっぱり嬉しかった。

私がおばあちゃんを喜ばすつもりだったのに、また私がおばあちゃんに喜ばせてもらってるけど。


と、ひと息ついていたら、ヘルシオから「できあがりました〜♪」の声が!

こんがり焼けて、甘酢あんのいい香り!

それぞれを加えて混ぜ合わせると、

酢豚完成!

できた!立派な酢豚だ!
私にもちゃんと酢豚が作れたよ!

実は間違って鶏肉を買って「酢鶏」になる寸前でスーパーにトンボ帰りしたことも、干ししいたけやタケノコの水煮を探して30分くらいグルグルしていたことも、忘れちゃう出来上がり!

おばあちゃん、酢豚が無事にできたのを見て安心したのか、まだまだこれは時間がかかりそうだぞと悟ったのか、すーっとお昼寝に行ってしまった。

おばあちゃん、待っててね!
そう心の中で叫んで、包丁をギュっと握り直す私。

完成した「エビチリ」を取り出しホットクックをマッハで冷まして、最後に「鶏肉とカシューナッツ炒め」も作っていく。

ドンキのカシューナッツを、増し増しで入れるのがおばあちゃん流だ。


時計を見るとすでに夕方の5時を回っていた。
お昼ごはんのはずが、すっかり晩ご飯に化けてしまった。

いつの間にか昼寝から戻ってきたおばあちゃんは「いいよ、いいよ、昼ご飯も晩ご飯も、おばあちゃんには同じことだからね」と笑ってくれたけど。


ついに3品、完成!おばあちゃんにご馳走

3品完成~!

\3品、できたよ!/
おばあちゃん、一緒に食べよう!

おばあちゃんが箸をつける、ドキドキの瞬間……。




「わあ、おいしい!これ全部、アンタが作ったの!」

おばあちゃんが目をまんまるにして、もぐもぐ、にこにこ。

テッテレー♪
その顔を見た瞬間、私の中で感動のファンファーレが鳴り響いたのだった。


一つ一つの料理の思い出を伝える。

おばあちゃんが大好きな酢豚。
「よく一緒にお店で食べたよね」と声をかけると、「そうだったかねえ」と言いながら「わあ、甘酸っぱくておいしい」と目を細める。

パイナップルを多めに入れたことを伝えると、「それは贅沢だぁ!」と嬉しそうに笑ってくれた。

とにかくパイナップルが好きなおばあちゃん

おばあちゃんの知り合いが勤める中華料理店でよく食べた酢豚。特別サービスで「杏仁豆腐」が出てきて、2人でめくばせしてにんまり笑いあった思い出が懐かしくて、ジーンとくる。

次は大きなエビに箸をつける

エビチリを口にほおばりながら、「これ、プリプリだねぇ!」と目を丸くするおばあちゃんに「よく私に作ってくれたでしょ。だから今日は私が作ってみました」とちょっと誇らしげに言ってみる。

すると、「えー、おばあちゃんがあ!」とすっとんきょうな声を出す。

いつも作ってくれてたこと、すごくおいしかったことを伝えると、少し間を置いてから、「そう言われてみたら作ったかもしれないね」と照れたようにこう続けた。

「おばあちゃんが忘れても、アンタが覚えててくれてるのが嬉しいよ。」

その言葉に、胸の奥がぎゅっとなる。

よそった分はぺろり

「これはなに?」とナッツを箸でつまむので、「あの缶のカシューナッツだよ」と答えると、
「そうだったかねえ」と言いながらも、もぐもぐ、にこにこ。


私はほんのちょっと切ない気持ちになったが、おばあちゃんは続けて
「おいしいよ!アンタ料理の先生になれるよ!おばあちゃん、うれしすぎて鼻水出てきちゃったよ」

ははは。さすがに先生にはなれないと思うけど、こんなに喜んでくれるなんて!私も鼻水が出ちゃいそうだ。

一瞬で切ない気持ちが飛んでいった。


私が料理を作るといった時、おばあちゃんは半信半疑だったらしい。普段あまり料理をしない私に本当にできるのか、私の負担にならないか心配もしたという。

「でも、本当に作ってくれてうれしかった。このことは絶対に忘れないでいたいな。」

うん、おばあちゃん、忘れないで。
私もおばあちゃんの笑顔とこのうれしい言葉を絶対に忘れないからね。


そこからのおばあちゃんは饒舌だった。

「毎日、電話してくれるのもありがとうね。励みになってるよ」

違うよ、おばあちゃん。それは私自身の楽しみだったんだよ。

胸の奥がじんわりして、声にならない。


そして、思いがけずこんな胸の内を教えてくれた。

「会えない時期はつらかった。アンタが小さい頃、一緒にどんぐりを拾ったり、滑り台を滑ったりして、“おばあちゃん、大好き”って言ってくれるのが、おばあちゃんの人生で一番幸せなときだったから」。

そんなふうに感じていたんだ。
おばあちゃんの目が少しうるんでいた。

おばあちゃんとの空白の10年間、そして再会

実は、私とおばあちゃんには「空白の10年間」がある。

私が小さい頃、祖父母と両親の間で大きなケンカがあり、私たちは会えなくなってしまった。ちょうど小学生から高校生までの期間。

だから私にはおばあちゃんの記憶がうっすらとしかなかった。思い出せるのは、おばあちゃんが遊びに来て帰ってしまうと、悲しくなって泣いていたことくらい。

おばあちゃんのことが大好きだったという感覚だけ残っていた。

幼少期の私とおばあちゃん


高校卒業前、両親が離婚し、それをきっかけに祖父母と再会することになった。

私はずっと会ってなかったおばあちゃんとの再会にとても緊張した。おばあちゃんは大きくなった私を見てどう感じるだろう。

でも、そんな不安は秒速で吹っとんだ。

「会いたかったよ!」


目の前に現れたおばあちゃんは、私の目を見つめ、優しい声で両手をぎゅっと握りしめてくれた。

昔のおばあちゃんのままだった。



私はもともと引っ込み思案で人見知り。
学校でも仲のよい子としか話せないタイプ。

一方、おばあちゃんは誰とでもすぐ打ち解けられる、明るくて穏やかな人。

こんな正反対なふたりなのに、不思議なくらい気が合った。

再会してからは、毎週のように一緒に買い物をしたり、ご飯を食べに行ったり。

当時、すでに80歳を過ぎていたけれど、学生時代はバレー部のエースで、社会人になってからも選手として活躍していたというおばあちゃんは、体力もあった。

ある日、おばあちゃんの家で、高校時代のアルバムを見せてもらったことがある。写真には、いつも真ん中で飛び切りの笑顔を見せているおばあちゃんがいた。

おばあちゃんのキラキラ青春時代。おかっぱヘアがチャームポイント。


「私とは大違い。すごい!」

私もこんな風にキラキラしたいな。
そんな気持ちが芽生えた。

大学生になって、積極的に人と話すようになったのも、自分の好きなことに挑戦するようになったのも、あの頃、おばあちゃんと一緒に過ごした時間のおかげだった気がする。

おばあちゃんは、これまで出会った大人の中で、誰よりも親しみやすく、穏やかで、あたたかい人だった。

再会してからの年月は、凝縮した時間だった。
きっと、これまでの空白を埋めるには、それくらいの密度が必要だったんだと思う。



おばあちゃんは、続けてこう言った。

「再会できたとき、もうこれ以上の幸せはないって思ったけど、今日はもっと幸せ。おばあちゃん、今がいちばん幸せ。

この日、おばあちゃんは何度も言った。

「生きててよかったよ」
「今がいちばん幸せだよ」


こんな言葉を聞けるなんて思ってもみなかった。
うれし涙がこみ上げそうになる。

ぐっとこらえて明るい声で「まだまだ長生きしてよ」と声をかけた。

おばあちゃんはにっこり笑って言った。

「そうだね、こんないいことがあったんだから、がんばらないとね」

その声はとても力がこもっていて、私の目から結局ぽろりと涙が落ちた。

するとおばあちゃんが唐突に言った。

「あと、3年がんばるわ!」

え、3年?
思わず笑ってしまう私。

とっさにこう返していた。

「うん!私も3年、がんばるね!」

なんだか突然始まった、謎の3年契約。

でもふと思った。

将来何があるかわからないけれど、お互い支え合いながら精一杯生きたい。そして、この3年間でまたたくさんの思い出をふたりで作りたい。

この契約も、きっと何度だって更新できる気がした。

「がんばろう、お互いね!」


食べ終わって、たくさん話して、全ての片付けを終えたら、もう夜の10時を回っていた。

疲れたけど、その何倍も、何百倍も、心の中がぽかぽかしていた。

最初は「思い出の料理を作って食べたら、ふたりのいろんなことを思い出してくれるかも」。そんな気持ちだった。

でも、改めて気づいた。

料理は、記憶を呼び起こすだけじゃなくて、
今ここに一緒にいる時間をあたたかくしてくれるものなんだ。


おばあちゃんのことを思って作って、一緒に食べて、一緒に笑って、一緒に泣いたこの日。

この日そのものが、かけがえのない新しい思い出になっていく。

そして、これからの未来までやさしく照らしてくれた。


ねえ、おばあちゃん。
あの日のことも、今日のことも、私のことも、ずっと覚えていてほしいよ。

でもね、たとえ忘れたとしても、いいよ、大丈夫だよ。

だって、「嬉しいね」「幸せだね」って感じた気持ちは、きっと心の奥のどこかに残り続けるから。


今、私はそう信じられる。

また一緒に食べようね。
そして、これからもよろしくね!

ごちそうさま!

◇レシピ


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