見出し画像

始めたら、止められない

会社経営をしている方と話す機会が結構ある。

というのも、僕のいるエンタメコンテンツ業界では、自分で起業する人が多いし、若い頃からお世話になっていた先輩方がちょうど経営者側に回っているということもある。

また、地方への営業となると、それぞれの土地に取引先の社長さんがいて、お話する機会にも恵まれてきた。

そういうことで、年齢的にも立場的にも、経営者と付き合う機会が多いのである。


中には、定期的に会う方々もいて、親しくなっていくと、会社経営の難しさや楽しさみたいなことを伺うことも増えてくる。

そこで最近聞いた話で印象的だったのが、「会社は一度始めたら止められない」という発言だった。

会社を作って、業務を拡大させていくと、従業員を雇ったり、投資家や銀行、取引先などとの関係性が構築されていく。いわゆるステークスホルダーというやつだ。

数年後までを踏まえた仕事の関係が出来上がっていく中で、いきなり経営者が、「仕事に飽きたので明日で会社やめます」とは、絶対に言えないというのである。

会社は子供と一緒で、作ってしまったからには、きちんと自立できるまで、世話をしなくてはならない。明日急に育児やめますと言えないように、会社を訳もなく急に閉じる訳にはいかないというのだ。


これまで会社経営ということを我が事として考えてこなかった僕は、なるほどそういうものかと、話を聞いていた。

ただ、印象深いお話だったので、その後、会う機会を得た経営者の方々にこの話をすると、皆一様に「そうなんだよ」という返事があった。

「始めたら止められない」は、どうやら最もポピュラーな経営者あるあるだったのだ。

そう考えると、勤め人は気楽なものである。与えられた仕事に不平不満を言うこともできるし、本当に嫌だったら、異動願いを出したり、転職という手もある。

積極的に今の仕事を手放す勤め人も少ないだろうが、少なくとも経営者の方とは、目の前の仕事に対する執着度が違うのだ。


さらに考えを深めると、自営業の方、フリーランスの方も、その人たちならではの仕事に対する考え方があるのでは、と思う。

残念ながら、自営もフリーランスの経験もしてこなかったので、その人の立場になって真剣に考えないと、浮かばないことではある。


今僕は50歳を超えて、仕事人生の終盤戦に差し掛かっていることを強く感じる。あらゆる選択肢を考慮しながら、今後の10年、15年を見据えた動きが必要となってくる。

まだ小さい子供いるし、僕だって、急に仕事を明日やめますとは口が裂けても言えない立場にある。

そうした時に、自分のこれまでの仕事人生とは異なった経歴の方々の話を聞いて、その人たちの仕事観を吸収することが大事なんではないかと考えている。

目の前の仕事量に若干の余裕がある今、そうした話を聞くということを、積極的にしておきたいと思うのである。




いいなと思ったら応援しよう!