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中身と熱意とノウハウと

きちんとした中身があって、中身に対する熱意があって、中身を伝えるノウハウがある。

結局こういうことですよね、万事何事も。

文章もそうだし、プレゼンテーションもそうだし、営業だって、宣伝だってそう。ものづくりはすべからくそう。

人間力についてもそうだし、人間が創造するコンテンツもそう。

あらゆる物事が、「中身」「熱意」「ノウハウ」の3つに因数分解できる気がするのである。


もう5年くらい前になると思うけれど、リーダー研修のようなもので、「プレゼンテーション講座」の枠があって、この時の講師の方の言葉は今でもよく覚えている。

「プレゼンの講座で僕が教えられるのは、ノウハウだけ。伝えたい中身や伝えるにあたっての熱意は各自で頑張って準備してください」と。

この言葉には二つの意味が含まれていると僕は受け取った。

一つは、ノウハウをバカにしてはいけないということである。どんなに素晴らしいプレゼンの中身が用意されていたとしても、それがうまく伝わらなければ、無意味なものとなってしまう。

ノウハウやテクニックという言葉だけを聞くと、何か小手先なイメージが思い浮かぶが、実際には名プレゼンテーターと言われる人たちは、伝えるための技を熟知し、その上で何度もリハーサルを重ねているものなのである。

そしてもう一つ講師が言いたかったことは、熱意を持ったり、伝えたい物事を準備することは容易に教えることができないということである。発信の中身や発信するにあたっての心構えは、一朝一夕には身につくことではないというのだ。


僕自身を振り返ると、20~30代の頃はプレゼンや営業というものが、どうにも得意ではなかった。頭で思い描いていることが、うまく伝わらないことも多かったし、熱意が空回りしているようにも思えた。

自分が所属していた会社(部門)がどんどん大きくなっていったので、合わせて売り物が強くなり、徐々に数字を作ることができるようになったが、それはつまり単純に「中身」が良くなったからであった。

空回り気味の「熱意」と相対的に強くなった「中身」を手に入れた営業マンの僕は、このプレゼンテーションの講義を聞いて、「ノウハウ」の重要性に気付かされた。

プレゼンテーションには、実はかなり巧妙なテクニックが潜んでいる。パワポの作り方については、文字の選択やカードの順番にも技がある。パワポの次のページをめくる際にも、細やかなテクニックが存在する。

話す時の目線や手の位置、声のトーン、プレゼンの入り方、閉じ方。それぞれに隠れた技がある。

そして恐ろしいことに、プレゼンがうまい人は、そうしたテクニックをきちんと勉強しているのである。講座を受けた後に、他の人のプレゼンを聞くと、どれだけ準備しているかが良くわかるようになったものだ。

テクニックは全く小手先ではなく、それを会得するには勉強が必要だし、リハーサルを何度もして、テクニックっぽく見せないようにしなくてはならない。

「熱意」と「中身」があれば、それで何とかなると思っていた自分が恥ずかしくなるほどであった。


しかし、繰り返すようにノウハウだけ蓄積しても、それはあまり意味がない。ノウハウやテクニックを活用したくなるほどの、伝えたいことや伝えたいという熱意を持つことが先ではある。

万事、「中身」+「熱意」+「ノウハウ」と因数分解し、何が足りないのか考えてみるのも一興かと思う。



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