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人間関係でギスギスしないために

仕事の要件があって一回り下の後輩とランチMTGをしたのだけど、業務の話はそこそこに、仕事を進めるにあたっての人間関係の話題になった。

その後輩は新入社員の時に自分がいた部署に配属され、それからは、機会があるごとに自分のノウハウやテクニックを伝えてきた。

素直で明るい性格だったので、僕としても他の後輩よりも少し目をかけていたように思う。

今日はそのころの話題にもなって、かつて僕から言われたことを自分の後輩にも伝えてますなどと、嬉しいことを言ってくれた。本当にそうしているかはともかく、先輩の気持ちを良くさせるヤツである。


で、その後輩が、仕事上でとある壁にぶつかっていることを、各方面から聞いていた。後輩が中心となって動いている業務において、チーム内の人間関係がギスギスしているというのだ。

端的に言えば、チームをかき乱す男性社員がいて、その後輩と全くウマが合わないようなのである。

今日はそのあたりは知ってて知らないふりをしていたのだけど、すぐに向こうから抱えているお悩みについて語り始めた。おそらく、今日はその相談を最初からするつもりだったのだろう。


まずはギスギスの原因となっている男性社員が、すぐに「パワハラスイッチ」が入ってしまうという話。スイッチが入ると手が付けられないので、非常に気を使って対応しているのだという。

次に、そうしたギクシャクしたやり取りが目の前で行われているのに、上司が全く対応してくれないことへの批判を口にした。

その批判は、パワハラ的な人間に対してよりも、怒りに満ちているような気がした。

後輩は、パワハラ的な同僚と、チームの問題を放置している上司という二重苦を抱えていることになるが、怒りの矛先は上司へと向かっているようであった。

確かにその気持ちはわからないでもない。自分とそりが合わない同僚をどうこうするのは難しいけれど、上の立場の人間であれば、メンバー同士のトラブルを回避させる能力も権限もあるはずだからだ。

しかし、上司とは言っても、こじれた人間関係を修復させたり、ギスギスしたやりとりを急に楽しいものに変えることはできない。

自分の人間関係は、究極的には自分で整えるしかないのである。


後輩の話は、最初は現状の愚痴や不満だったのだけど、結局のところ聞きたかったことは、「どうしたら人間関係でギスギスせずに済むのだろうか」というお悩み相談であった。

なぜ後輩がそんな相談をしてきたかというと、僕が人間関係で悩んでいるようなそぶりが見えないからであるという。どこにいっても楽しそうにしていると思われているようなのだ。

自分の内心としては、当然色々な感情が渦巻いているけれど、確かに僕はある時期から人間関係であまり悩まなくなった人間である。

そして、人間関係ギスギスしなくなった(ように見える)のには、いくつかの理由があると思っている。


まず、周囲にイライラしている人がいたとして、そのイライラには必ず背景があるのではないかと考えるようになったのが一つ目。

攻撃的な人間は、何らかの理由で心の奥底に不満を抱えていて、その不満が爆発して怒りに変わる。

その人の不満を解消することができるのならば、怒りは和らぎ、攻撃的な態度を取らなくなるはずである。

不満を発見するためには、その人を良く観察し、時に直接話を聞き、その人の立場に立って、不満のありかを想像していかねばならない。

「相手の立場に立つ」という部分が重要で、相手の気持ちになった考えていくと、いくつかの不満分子が目に付くようになる。

「不満候補」を見つけたら、それを一つずつ潰していく。対話と共に潰していけば、その人を良く理解できるようになり、いつの間にかギスギスした関係は解消されてしまう。


もう一つは、自分自身が、周囲の人間に対して、妬みとか嫉みを持たないことである。

僕自身、キャリアの最初期では、自分が重要な仕事を任されないことについて不満を持ち、同僚が責任のある仕事をしている姿をみて、イライラしていたこともある。

けれど、誰かに対して羨ましいと思っても、自分の境遇は一切変わらない。自分には自分の生き方があると思うしかないし、自分が楽しく仕事していれば、それで問題はないはずだ。

嫉妬の類を持つと、イライラを募らせて人とぶつかり易くなる。無駄に人間関係がギスギスしてくるし、そのイライラしている時間が大変に勿体ないように思う。

「自分は自分」と思い、そう思えるだけの拠り所を早急に作り上げるべきなのだ。


さらに加えるならば、周囲の人たちに対して、極力フラットに接することだ。

もちろんフラットと言っても、相手の立場によって、言葉使いや気遣いを変えるのは当然のことである。年上であれば丁寧な言葉が必要だし、逆に後輩に対してまでへりくだる必要もない。

ただし、上司だからと言って白を黒と言い換えるような態度は感心できないし、部下に対して不必要に偉そうなポジショニングをとるべきでもない。

上司だろうと部下だろうとあくまで同じ人間同士であって、基本的にお互いは対等関係にある。「法の下の平等」とは良く言ったもので、どんな人間関係であっても、「平等」なんだという意識が重要なのだ。


ここまでをまとめると、人間関係でギスギスしないために心がけたいことは、以下の3つ。

①相手の立場に立って考える
②周囲の人間に嫉妬しない
③どんな人間関係も「平等」だと考える


自分は上の三つに気を付けて行動し続けた結果、ほとんどの人間関係を円満に整えることに成功した。

しかしながら、未だに分かり合えない人はいる。世の中には残念ながら、パラノイアな人間も一定数存在しているのである。

そういう偏狂な人間とは一線を画すのが正しい接し方で、世間話以上の会話をしないに限る。君子危うきには近づかず、である。

ただ、相手がどうしようもない偏狂的な人間であっても、まあできる限り許してやろうと、慈悲の心を持つと、不思議と余裕が湧いてくる。

人間関係など、できる限り笑い飛ばすに越したことがないのである。


そんなことを後輩にも言ったつもりだが、果たして響いたのであろうか。



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