「ぽこにゃん」から「ポコニャン」へ/ちょっぴりマイナーな幼児向けF作品⑤
「ちょっぴりマイナーな幼児向けF作品」と題して、「ドラえもん」と並行して描かれていた幼年向け作品を紹介していくシリーズの第五弾。今回は、マイナーと言ってしまうには少々気が引ける知名度を誇る「ポコニャン」を取り上げる。
作品概要
「ポコニャン」は90年代にアニメ化もされ、NHKと教育テレビで3年間、全170話が放送された(93・94・95年度)。各話10分の放送枠である。タイトルは「ポコニャン!」であった。
天下のNHKで3年間も放送されていたので、当然知る人は知るタイトルなのだが、連載時に読んでいたという人は大変稀だ。
原作は、潮出版社が発行する「きぼうのとも ようじえほん」にて、1970年7月号から1974年1月号にて連載された。全42話。この時のタイトルは平仮名表記で「ぽこにゃん」だった。
各話4色1ページの絵本のような作品で、「たこ揚げ」「プール」「スキー」「こいのぼり」といった季節ネタが多い。
続けて、1975年4月号から1978年5月号までの約三年間、同じく潮出版社発行の「希望の友」で連載された。全38話。こちらのタイトルがカタカナ表記で「ポコニャン」となる。
4P、8P、12Pの3パターンがあって、特に連載二年目からは8P以上のある程度のボリュームのある作品が描かれている。
掲載誌の「希望の友」は、創価学会系列の出版社から出ていた月刊少年マンガ誌で、手塚治虫の「ブッダ」が連載されていたことでも有名。小中学生向けという幅広いターゲット設定のせいか、ラインナップが割となんでもありに見える。
やがて「希望の友」は、「少年ワールド」、「コミックトム」と雑誌がリニューアルされていくが、藤子作品で言えば、「T・Pぼん」連載された雑誌として知られている。
登場人物たち
本作の最大の特徴は、ポコニャンが何者なのか最後まではっきりと明かされなかったことだ。ポコニャンはポコ=タヌキとニャン=ネコが組み合わさったような外見の生物で、その実態は謎に包まれている。
ポコニャンは後述するが、「ドラえもん」と瓜二つの構成を持つ漫画で、のび太やしずちゃんなどに対応するキャラクターが描かれる。例えば、のび太の役どころにあたるのが太郎である。同様に
しずちゃん→みきちゃん
スネ夫→ラッキョ
ジャイアン→ヒヒ山
という名前が振られている。
ポコニャンは、「ぽこにゃん」の第一話と第二話では、普通に人間の言葉をしゃべっている。ところが、それ以降は原則「ポコニャン」としか喋らなくなる。オバQのO次郎における「バケラッタ」みたいなものだ。
ポコニャンは、不思議な超能力が使えるが、同時にどこからか不思議な道具を持ってくることもある。科法とマール星の道具を使いこなす「チンプイ」とよく似たキャラクターと考えて良いかも知れない。
なお、人間の言葉は喋らないが、日本語ばっちりの置き手紙(しかもかなりの長文)を書いている。字は書けるようである。
ドラえもんとの類似と違い
「ポコニャン」は、「ドラえもん」や「キレテツ大百科」と並行して描かれていたが、この3作品は非常にアイディアが似通ったタイトルである。展開としては、何か不思議な道具を起点に物語が動いていくのがパターンである。
特に「ポコニャン」は「ドラえもん」と似通った話が多く、大山のぶ代版のTVアニメ「ドラえもん」において、「ポコニャン」のエピソードを原作にしたお話がいくつも作られたりしている。
確認できているものだけで18作存在している。当時は藤子先生の監修も入っていたはずなので、藤子先生公認のもと、「ポコニャン」のエピソードをアニメの「ドラえもん」原作に採用したようだ。
藤子先生としても、「ドラえもん」と「ポコニャン」は根本的なアイディア部分が同じであると認識していたに違いない。
この二作の違いについては、「藤子・F・不二雄大全集」の巻末で藤子先生を担当されていた潮出版社の浮田信行氏が語っている部分が参考になる。
まず共通点については
「こうなったらいいな」というシンプルな子供の夢がストレートに描かれている。
とした上で、両者の違いについては、
「ドラえもん」はのび太を成長させるために来ましたからいくらか教示的な部分もある。「ポコニャン」はひたすら癒し系ですね
と語っていて、僕としては全面的に首肯できる。
ポコニャンにはドラえもんのような「使命」がないので、ひたすら太郎の友だちであり続けるのである。
ポコニャンは何者なのか?
ポコニャンが何者かは最後までわからなが、唯一手がかりとなりそうなエピソードがある。それが『魔の手がせまる!』というお話だ。
内容の詳細はまた別の記事でしっかりと紹介するが、太郎一家で5年前に山にハイキングに行った時に、まだ赤ちゃんのポコニャンを見つけたのが最初の出会いである。そして家に連れて帰るとすぐに超能力を発揮したという。
このお話の中で、太郎がポコニャンに、どこで生まれたのか質問しているのだが、ポコニャンは何も覚えていないという。太郎はこの時、
「ひょっとして遠い星から来たのかもしれないね」
と感想を述べている。
藤子作品においてこの手の仮説が出てくる時は、およそ隠れ設定だと考えていい。ポコニャンはモンガーのような宇宙生物だったのではないだろうか。
ポコニャンの能力・所持品一覧
ポコニャンは、特殊な能力や道具を持っている。ユニークなものばかりなので、こちらじっくりと紹介していきたいのだが、本日全く時間が足りず、別の記事に続くことにいたします。
乞うご期待?!
