追悼:大崎善生さん
本日またまたショックな訃報を聞くことになった。
作家の大崎善生さんが、今月3日にお亡くなりになった。
享年66。まだお若い。本当に若い。
心よりご冥福をお祈り申し上げたいと思います。
大崎善生さんは、「将棋世界」の敏腕編集長で名を馳せ、その後「聖の青春」で作家デビューを果たす。
「聖の青春」は、羽生世代の「関西代表」として頭角を現した故村山聖の短くも太い将棋人生をまとめたノンフィクションで、とてつもなく感動的な本である。
初めて読んだときには、死ぬほど号泣したことを覚えているし、その後何度か読み直したりしている。
淡々とした語り口。しかしその筆致は、縦横無尽に村山の普通ではない人生を存分に語りつくす。一人の天才の物語であり、一人の青年の青春劇であった。
大崎さんは、続けてプロ棋士一歩手前の天才集団である奨励会員たちにスポットを当てた「将棋の子」を発表。これも二度と手放せない、青春のバイブルとなっている。
その後大崎さんは、一般小説にも挑戦を始めるのだが、初のフィクションとなる「パイロットフィッシュ」と、続けて発表された「アジアンタムブルー」は、これまたとんでもない傑作小説である。
将棋を語る文才だけでなく、物語を構築し、それを美しい文章で表現できる力を秘めていらっしゃっていたのだ。
「聖の青春」は、小説が刊行されてからかなりの月日が経ってから、待望の映画化がされた。わが自己ベスト的な小説の映画化と聞いて、居ても立っても居られなくなり、なんと生まれて初めてエキストラに参加するということもした。
撮影は松山ケンイチ演じる村山の昇段パーティーのシーンで、撮影現場に行くと、見知っている棋士の方などもいらっしゃっていた。(田村昇さんや中村真梨花さんだった)
そこで僕は考える。エキストラに参加している棋士たちがいるのならば、彼らを絶対に映すだろうと。ならば、彼らの近くに陣取っておけば、自分も映りこむのではないかと。
引っ込み思案の自分としては信じられないが、僕はエキストラの集まりの中で、プロ棋士に近づいていって、ファンですなどと声を掛けた。そしてその流れで彼らの近くに居座り、そのまま撮影シーンへと流れていく。
まんまとプロ棋士を捉えたカメラに、自分も映ることに成功したのであった。
・・・少々話が脱線したが、その後も大崎さんの記事や小説は読み続けた。是非とも藤井聡太さんのノンフィクションを描いて欲しかった。そして映画化も・・。
66歳は若すぎる。本当に残念です。
