アルバイトとは青春の一コマだった。
今日、田舎の(と言ってもそれなりに賑わいのある)繁華街に繰り出して、地元民いきつけの居酒屋で一杯引っかけてきた。
するといかにも地元の高校生といった風情の男女がフロアの仕事をしていた。おそらく夏休みを利用したアルバイトであろう。
彼らの姿をみて、何だか懐かしい気持ちになった。
自分も高校生の時から、色々なアルバイトを経験してきたが、今思うと、稼いだ喜びよりも仲間と働いたこと自体が良き思い出として心に残っている。
若い頃のアルバイト経験とは、すなわち何事にも代えがたい青春の一コマであったのだ。
僕が初めてアルバイトしたのは高校1年生の冬休み。年賀状の配達だった。自転車で地元の町(村?)を配達して回るわけだけど、初日から雪が降って、かなり苦労をしたのを覚えている。
ただ、それなりにやりがいもあったので、郵便配達は翌年もやることになる。
高校2年の夏休みには、家の近くのハイキング場で働いた。レストランやコテージなども併設している施設で、色々な仕事を経験した。
皿洗いや給仕、掃除など。地元の友だち数人と20日くらい働いただろうか。
仕事の内容はうろ覚えだけど、時給が500円だったことは強く印象に残っている。今考えるとかなりお安い時給だが、8時間くらい働いたので日給で4000円。当時の自分としてはかなり稼いだ気がしたものである。
大学生になってからは、逆に時給の高い仕事をしようと考えて、時給2000円の塾講師の口を見つけた。
1日3時間、週2回程度という仕事量なので、そこそこの稼ぎ止まりではある。
ただ夏期講習など、まとまった時間となると高単価の時給が生きてくる。学生にとって長期休みは、まとまった勉強時間を確保できる貴重な時期だが、塾講師にとっても、まとまった稼ぎを得ることのできる貴重な季節なのであった。
塾講師は、2年目になると教える内容が頭に入っているので、より効果的に授業をすることができるようになる。まあまあの人気講師となって、結局4年間続けることになる。
定期的なバイトは塾講師だけだったけれど、時々高い報酬狙いで、深夜の荷分け作業なんかも経験した。お歳暮やお中元シーズンとなると、宅配業の臨時募集が出てくるのである。
一週間くらいまとまって仕事をするのだけど、ずっと仲の良い友人と一緒だったので楽しかったことを覚えている。けれど、狭い部屋の中で大勢で仮眠するのはキツかったなあ・・。
あと1番の変わり種は、簡単な人体実験のアルバイト。その内容は、2週間毎日卵を4個ずつ食べ続けて、血液の成分がどのように変化するのかチェックするというもの。
いくら貰ったか覚えてないのだが、そこそこの金額だったようには思う。そして気になる血液の数値だが、期待したような(?)ことにはならず、ほとんど変化がなかったと記憶している。
そして人生の今の所の最後のアルバイトは、就職の希望職種であったエンタメ系の会社でのデスク業務である。
新卒募集では希望職種に入れなかったので、次善の手段として、何とかアルバイトの口を見つけて潜り込んだのである。
エンタメ業界には、兎にも角にもその世界に潜り込むことが重要だと考えた結果だったのだが、この作戦は大当たり。
すったもんだがあったが、数年後には社員登用してもらうことができた。アルバイトの延長上に、今の自分があるのは間違いない。
アルバイトの目的はお金を稼ぐことなのだが、今振り返れば、アルバイト自体に意味があったように思う。
友人たちとの会話、お客さんとのやりとり、少しづつ成長していく実感。それら全ては、若き日の青春そのものだったように思うのである。
