万博の話
灼熱の中。
屋根もない長蛇の列。
私は両親とともに万博に参加してきた。
我が家は抽選にことごとくはずれた。
「まあ、しんどくなっても予約なかったら後腐れなくすぐ帰れるからいいんじゃない?」と前向きな母の発言の元、先着入場のパビリオンに行くようにしようと作戦会議。
保冷剤やらハンディファン、日傘に日焼け止め。
その他諸々を準備して、いざ夢洲へ。
電車に揺られながら。
「万博が終わったらこんな僻地誰が行くねん、カジノがあってもここには来んやろ」とぶつくさ言いながら。
東ゲートからの入場予約だった。
待機列にはレンタル日傘が置いてあったが、結構フリフリの、一昔前のレディースがおしゃれに使うようなものが多かった印象。
父はそれを見て自分のを持ってきててよかったとこぼしていた。
かれこれ1時間以上は並んだ。
11時入場で、10時40分くらいに着いたが、手荷物検査の段取りが悪いのか、自分の列がびっくりするほど進まない。
せめて屋根かパラソルあればなぁと三人で文句をこぼす。
「夏もやるってわかってるんやから、屋根くらいつけようって話にならんのか」これは父。
母は「もう維新には投票入れんとこ…」と言っていた。
我が家にもともとあまりなかった吉村知事の株がさらに急落した。
(屋根の設置の決定権が吉村さんにあるのかは知らんが。)
せめて手荷物検査の待機列にも屋根をくれ。
ディズニーシーのマジックランプシアターですらパラソル置いててくれるんやぞ。
隣の列でおばちゃんが熱中症になったようでふらついていた。
周囲の人々が塩飴だったり冷却グッズだったりを手渡して世話を焼く。
丁度スタッフがあまりいない列の真ん中だったので、気が付いた前の方のおじさんがスタッフを呼びに行く。
警備員みたいな人が2人来て、手荷物検査の屋根があるところまでおばちゃんと連れのおじちゃんを案内していた。
あまりにも過酷だ。
自分たちの手荷物検査が回ってきたとき、おばちゃんは地べたに座り、設置されていた扇風機に当たっていた。
いや、救護班とか救護室とかないんすかね?
暑さ対策スタッフみたいな人は見かけたけれど、待機列は一般客でごった返して、スタッフが見回りにこれるような列じゃなかった。
せめて椅子ないんですか?
パビリオンの待機列でも足をつったおばちゃんを見かけた。
その場で地べたに座り、警備員っぽい人が足の指を引っ張って伸ばしてあげてた。
灼熱の万博は人間には試練なのかもしれない。
実際万博のパビリオンはいくつか回れたが、15時こえたあたりからはもう並ぶ気力もなく、あれだけ調べた各国のスイーツやらドリンクやら、もうどうでもよくなっていた。
ちゃんと見たのはイタリアパビリオンだったか…?
ひたすら暑い。
バカでかいリングにも上がってはみたが、「すごいすごい」と言っていたのはほんとに最初の頃だけだった。
日を遮るものが何もない。
日傘をさすも、風が強くて持っていると危ない。
噴水側なんて暫く歩かないと地上に降りるためのエスカレーターがない。
ここで倒れたら終わりやな…と父は言った。
並ぶ元気を失った我々は、結局並ばずに写真が撮れるポケモンのオブジェをコンプリートするだけして、夕方には東ゲートから帰路についた。
御三家は比較的日影になるところだったが、カビゴンが暑そうだった。
父はスターウォーズが好きなので砂漠があるヨルダンに行きたがっていたが、180分待ちと言われるとさすがにもういいデスとなったらしい。
本当はスイスも行きたかったし、ドイツもベルギーも行きたかった。
事前に調べたところで目当てのデザートを食べられたのは、韓国のタピオカミルクティーくらいだ。
たぶんこの万博って、1日で見たいところ全部まわってやろう!というより、通期パスか何かで数日かけていくのが正解なように思う。
やはり手荷物検査の列はどうにか整備した方が良い。
万博内はベンチが思っていたよりも多く、座りたいと思った時に座れたのは良かった。
帰宅し、買ってきたスシローがめちゃくちゃ美味しく感じた。
