夏野菜は、切るより手でちぎった方が美味しいこともある
料理をするとき、野菜は包丁できれいに切るもの。
そう思われがちですが、料理によっては手でちぎった方が美味しくなることがあります。
例えば、きゅうり。
包丁で輪切りにすると、形も厚さも揃ってきれいです。けれど、叩いてから手で割ると、断面が不規則になります。
この凸凹した部分に、たれがよく絡む。
醤油、ごま油、酢、にんにくを合わせただけの簡単なたれでも、短い時間で味が入りやすくなります。
なすも同じです。
蒸したり焼いたりして柔らかくしたなすは、包丁で切るより、手で裂いた方が味を含みやすい。生姜醤油や出汁につけると、裂いた断面から調味料がしっかり染み込みます。
レタスや大葉も、料理によっては手でちぎる方が向いています。
レタスは包丁を使わず、大きめにちぎれば食感が残る。大葉も細く切るだけではなく、手でちぎって和え物に加えると、香りを強く感じられることがあります。
もちろん、すべての野菜を手でちぎればいいわけではありません。
見た目を整えたい料理や、均一に火を通したい料理では、包丁で切った方がいい。
大事なのは、きれいに切ることではなく、その料理を「どう食べたいか」です。
味を染み込ませたいなら、あえて断面を不規則にする。食感を残したいなら、大きめにちぎる。香りを楽しみたいなら、食べる直前に手で裂く。
家庭料理では、形が揃っていなくても問題ありません。むしろ、その不揃いさが美味しさにつながることもあります。
包丁を使わないので、洗い物も少し減ります。
きゅうりを叩く。なすを裂く。レタスをちぎる。
料理が少し楽になって、そのうえ味もよくなる。
夏野菜は、きれいに切ることだけが正解ではありません。
手でちぎるという方法も、立派な料理の技術です。
