あと17時間! 清水亮のAIゲームセンター構想クラウドファンディング・ラストスパート!
さあ二ヶ月強にわたって続けてまいりました「清水亮のAIゲームセンター構想」も、ついにあと24時間を切りました。
今回、初めてクラファンをやってみて、意外な人が応援してくれたり、色々な人との出会いがあったり、それだけでもやってみてよかったなと思っているのですが、クラファンの期限が近づくにつれてジワジワと支援金額が集まってくるのが面白いなと思いました。ある時期はピタッと止まるんだけど、期限が近づくとまたジワジワと上がっていく。不思議ですね。
今回、「モノ」でも「コト」でもなく「魂」を主なリターンとして設定させていただいたこともかなりトリッキーなクラファンのですが、僕のやりたいことをとりあえずなんでもいいから応援してくださる方がこれだけたくさんいるということに感動しています。
これでクラファンが終了すると、これまでブログで報告してきたAIゲームセンターがらみの内容は、クラファン支援者様限定に切り替わります。
週次報告会と月次報告会が順次開催され、僕個人としては10年ぶりくらいに一つのプロジェクトを長期間、少なくとも六ヶ月に渡って行うことになります。
ネクストゴールの設定をするとき、Kibidangoの青井さんに「ネクストゴールは200万であるべきか、500万であるべきか悩んでいる」という話をしたら、
「そうやって刻むと、だんだん清水さんがしんどくなるから、一気に10倍にしたほうがいいですよ」
というアドバイスをいただいてその通り、1000万円にしたのですが、確かにそれくらいが気楽でよかったなと青井さんの豊富なご経験からの真摯なアドバイスに感謝しています。
そういう意味では、ある意味で「心のネクストゴール」500万円も達成してしまったわけで、「できること」の枠が広がっているのは事実です。
これがあったからこそ、子供の頃からの夢だった「3Dロボットバトルゲーム筐体」を作ろうという発想に至れたわけで、なんか数合わせ的に「ただの体感ゲーム」を作るよりはよほど面白いことになったなと思っています。
また、AIゲームセンター構想に連動してProjectDENTという新しい取り組みも始まり、なんだか社長をやっていた頃よりも日々が充実している気がします。
AIの進歩によって、「およそ想像可能なものならなんでも作れる」という時代に突入しているので、これまでの自分では想像もしなかったようなことも想像できるようになってきています。まさに自分の想像力がAIとクラファンの二つの力によって拡張されているわけで、自分はまさしくこういうことがしたくてAIゲームセンターをやりたいと思ったのだなと改めて感じました。
例えば、すごくテクニカルな話で言うと、これまで3Dのゲームには色々な制約がありました。まずは空間把握の問題。遮蔽物がないところで敵が四方八方から現れるとたいていの人はパニックになってしまいます。そこで完全な3Dではなく、ゲーム場面そのものは平面に固定して、あっても高低差だけ。つまり、FortniteやMinecraftのように、「空間は再現されているが、あくまでも現実世界の人間と同じような動きだけ」を再現することで、そもそも平面を歩くことしかできない人間の脳に負担をかけない形でゲームデザインをする必要がありました。
しかし僕らはガンダム世代なので、宇宙空間のように遮蔽物がないところでロボットなり飛行機なりが入り乱れて戦うという場面を子供の頃から繰り返し何度も見てきました。僕の原体験であるスターウォーズ・エピソード4がまさにそうですが、何も遮蔽物がない宇宙空間で壮絶な空中戦を繰り広げるというシーンの興奮は忘れられません。
あの場面を再現したくて3Dプログラマーになったといっても過言ではないほど子供の頃の僕には衝撃的な体験でした。
ガンダムやマクロス、もちろんスターウォーズも、全て絵空事です。実際に現実世界の宇宙空間で戦闘になったとしても、それに参加したいとは思いませんし、生き残れるとは思えません。
でも、子供の頃頭の中にあった「空間を上下左右、自由自在に移動しながらたくさんの敵を撃破する」という、一見すると荒唐無稽な世界に対する憧れの気持ちがあることは決して否定できません。
ゲームを成立させるイディオムの一つに破壊があります。射的のような原始的なゲームから、クレー射撃のようなもの、Minecraftなんかは破壊が基本システムになっています。
試作を繰り返す中で、空間を自在に動く、ただそれだけでも楽しくなるような操作性を持ったゲームを作れるのではないかという自信が生まれてきました。面白いことに、この操作系は、そのままドローンの操作系に転用できます。たぶん実際の宇宙船にも適用できるでしょう。
AIを使うことで開発のスピードが単純に10倍速以上になっています。ただし、医療や金融などのミッションクリティカルな分野ではそのまま使うことは難しいですし、PS5やSwitch2のようなコンシューマ向けの高単価なゲーム開発にもまだ向いてません。
その意味で、いま実は一番バイブコーディングを活かせるのはアーケードゲームではないかと思います。なぜなら、アーケードゲームは、バグに対する許容度が高く、ミッションクリティカルでなく、単価が安く、体験時間が全体的に短いからです。これが長時間長期間遊ぶ高価格帯のゲームだと炎上祭りになりますが、アーケードゲームは所詮数百円で数分遊ぶ世界です。そのぶん、体験の密度を上げることにコストを割けます。
僕一人でやると、発想が固くなってしまい、袋小路に入ってしまうおそれがあるので、ProjectDENTを通じて色々な仲間のアイデアや発想を貰うことで、AI時代にしか実現できないゲームの新しい形に辿り着けるのではないか。そんな大それたことさえ考えています。
実を言うと、僕はゲームがそれほど好きなわけではありませんでした。
ただ、3Dプログラミングをして、それを他の人に理解してもらうためにはゲームという体裁が必要だったのです。若い頃、本当は人工知能の研究者になりたかったのですが、僕が大学生の時代はまさに人工知能冬の時代と呼ばれていて、僕の好きなニューラルネットを研究できる研究室は国内に数えるほどしかありませんでした。それもあって僕は「おもしろければなんでもアリ」のゲーム業界に身を投じることにしました。趣味で人工知能を作りながら、今思えばラッキーなことに、OSとプログラミング言語開発が当時世界でいちばん得意だった会社の仕事をもらってレドモンドに行き、ゲーム機に本格的なOSが搭載される初めての場面に立ち会う幸運に恵まれました。そのとき、人工知能、ゲーム、OS、プログラミング言語と、奇しくも今の自分を形成している要素が21歳の時に全て揃っていたんです。
ソーシャルゲームブームのときに、「ああ、自分はゲームをもともと好きだとは思っていなかったけど、これほどまでに理解できないゲームは僕にはもう作れない」とゲームを作ることから身を引いていたのですが、結局、「何をしてもいい」という最大限自由な状態になったとき、自分が選択するのが、まさかの「ゲーム作り」だったとは我ながら驚きです。
実際問題、「ゲーム開発」は僕の人生の根底にあったのだと思います。プログラミング教育も言わばゲームの応用、教材で作るのは主にゲームでした。ゲームを作るためのツールとしての
enchant.js、その延長上にあったenchantMOONは、もともとゲーム開発をしていた頃の自分が満足できる書き心地の(特に数式が書ける)タブレットが存在していなかったことから作ることにしたという経緯があります。今はiPadで十分数式も書けますが、当時は壊滅的だったんです。
そして改めて思うのは、僕はゲームの国で生まれ育った人間だということです。僕がかつて作って、その分野ではヒットを飛ばしたゲームは、もう遊ぶことができません。それは携帯電話の黎明期にあった一筋のきらめきのようなものだったからです。ある意味で、大人になった自分が振り返ると、その頃も自分の作るゲームが「それほど面白いとは」思っていませんでした。「面白いゲーム」と「売れるゲーム」は全然違うのです。でも「面白いゲーム」を作ろうとするとどんどんマニアックになっていってしまいます。これは料理に似ていて「美味しい料理」は決して「儲かる料理」ではないというのと同じです。
今回のAIゲームセンターは、携帯電話の頃の以上に体験することができる人が限られるはずです。なぜならハードウェアは数台しか作る予定がないからです。これを遊べる状態にするのも、数日から数週間になるはずです。体験可能な人数は、今の体制だと200人くらいが限界でしょう。
だからこそ、このプロジェクトを通じて得られた知見を「魂」という形でソースコード、設計図込みで支援者の方にシェアしたい。もし誰か、「このゲーム」を遊んでみたいと思う人がいたら、再現できるようにです。
「仕事」として考えると、500万円の仕事というのは請け負ったことがありません。会社としてやるんだったら、500万円ではこんなことは到底できません。だからクラファンという形に意味はあったなと改めて思います。クラファンでなければ、こんなに頑張れないなと。
クラファンを初めてから、いきつけの飲み屋に行くと、色々な人が、それこそ顔馴染みの常連から、バーテン、スナックのママまで「クラファン応援したよ」「楽しみにしてるよ」「私の払ったお金で、清水さんはどんな楽しいことをしてくれるの?」と聞かれます。なぜだかみんなが背中を押してくれているのです。
そういうわけで、このプロジェクトは、明日からが本番です。
最後のラストスパートということで書いてみました。
よろしくお願いします
