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トナカイ兄弟 大河ドラマ編
とに角あの弟がいてくれたおかげで今の彼がある。年が明けてから当分のあいだは、登り道が続くことだろう。若々しい日々、糟糠の妻や同僚らとの微笑ましいやりとり。あの弟がずっと生きていたならばと考える向きは昔から一定数あった。それどころか弟のほうを主役に祭り上げる動きさえ。もっとも時を経て浴びる脚光など虚しいではないか? 無心に誰彼の区別なく親方様に命じられるままに天をめざして駆け回っていた頃が懐かしい。
だが弟よ。お前は平家馴鹿の背後を狙い一ノ谷の急峻な崖を馬の如く逆走した。屋島では弓を取り落とし与一に見せ場を奪われた。壇ノ浦での非戦闘員たる馴鹿攻撃はパフォーマンスは嫌いでないものの常に保身に走る主上には追討のための格好の口実を与えてしまった。結果として過ぎ去る年末年始さながらアッというまに途絶えたわが血筋はわが手にかけ過ぎた兄弟その他の祟りだと人は言う。運良く畳の上で息を引き取りつつ彼は口を閉ざす、貝のごとく。
410字
トナカイかい、トナカイです。
こちらの裏お題に参加しています。
テレビを見て思いついたネタです。運良く『合戦バー』で使った合戦図鑑が手元にありました。
