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郷に入ったおしゃれ ②

 まっすぐ裁ってまっすぐ縫うだけ? 簡単さと結果の良さは双曲線を描くのだろうか。曲線からなる人体をまっすぐで構成できるのか。そもそも直線に切ったりミシンがけするのさえ困難なのに。
 遺影の祖母がこちらをにらんでいる。この人の生き写しと言われるのは少し苦手だ。「しっかりしなさい。あたしの時代は自分を綺麗に見せたいなんて言おうものならぶっとばされたものよ」ではいまは違うのだろうか? ふと小学校の同級生の翔の顔が浮かんだ。
 お洒落している余裕さえあったら。ウエストゴムのキュロットをそそくさと仕上げれば家庭科の課題は終わりだ。あとは量産店のお手頃価格のスエット上下で家の手伝いと受験勉強、それがあたしの夏のワードローブ。
 外は暗くなり夕暮れのサイレンが鳴っている。硝子が室内の麻衣子を映し出していた。あれ、あたしこんな格好してた? 着物をリフォームしたパンツ。裾が詰まっているからこれなら外出先で和式トイレに出くわしても安心だ。おしりの線も見せていないしベルトを締めればくびれた胴をアピールできそうだし裾から引き締まった足首をのぞかせることも可能だ。だけど着こなしはイマイチだな、ダサいというか。
硝子戸の向こう側の少女が叫んだ。

「何をぼんやりしてるの。早く壕に入って!」

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 麻衣子と翔はこれからどうなるのか。このテーマで字数増やす予定です。


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