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ラブカ奇譚 ②

「さすがに疲れた。メシにしよう。おお、看板があるぞ」二人は長旅の足を止めた。
「こちらは洋食屋のようだが、席はあるかね?」年嵩のほうが従業員らしき男にたずねた。
「ウチはいわゆるイタ飯屋だよ。La buca とあるだろう。穴という意味だが、隠れ家であり穴場でもあるのさ」どうやら彼はシェフで裏口で一服やっていたようだ。あまり感心しなかったが、他に目ぼしい食事処も見当たらない。仕方なく二人は表玄関にまわった。
「ここは前庭のようです。グランドカバーのように草が生い茂っていますね」植え込みは揃えてるのか自然に任せてるのかU字を描いてギザギザの葉の低木が左右対称に並んでいる。
「何かに似ておるな。そうだ蒲公英?」
「でも緑でなく白でございますよ」
「手入れが大変そうじゃ」

 そんな心配をしている場合ではなかった。大納言様に命じられて、あるかどうかもわからぬ『ラブカの歯のアカスリ』を持ち帰るのだ。姫へのプロポーズに必要なのだそうな。


410字


ラブカの歯は遠目には柔らかそうに見えてしまいます。



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