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つくし上位互換 ②
私はこれでも過去にはどんな人とも話を合わせることができました。敵の立場や言い分を正確に理解しただけでなく知的水準を素早く察知しそれに合わせた言葉を選んで同じ立ち位置を演じることもできたのです。そりゃすごい。もしかして、犬とでもですか。ははは、まさかそんなことは無理です。そうでしょうな、とうなずいているあなた、自分が犬だったことを思い出したようですね。
土手を歩いていると早春のスギナの胞子茎が生えていました。要はつくしんぼですよね。そいつが気取った態度で「拙者は筆頭菜と申す」と名乗ってきたのです。頭が筆の形をした野菜だからでしょうね。でも本人は意気揚々トップバッターのつもりでした。試しに顔を近づけて心を読んでみると、何と独逸語のシュプレヒコールが聞こえるではありませんか。「ではごきげようヒットーさん」苦笑してとっとと立ち去りましたよ、どうせ胞子を飛ばし尽くしたらあとは枯れるだけなのですから。
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「上位互換」という語を調べて真っ先に頭に浮かんだのは、不毛地帯、沈まぬ太陽、二つの祖国(いずれも山崎豊子)の登場人物のモデルと言われる瀬島龍三氏でした。壮絶な経歴ですが昭和史サバイバル手腕の内訳に上位互換才能を挙げている伝記を見たことがあります。この物語とは無関係ですが。個人の能力を全てサバイバルのみに投入せざるを得ない環境にあって、それぞれにお国のためとか誰かのためとか自分のためとか戦い抜いた先人の過去を振り返るとき現代は何かの上位なのだろうかと思わずにいられません。
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