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毎週ショートショートnote 応募作 万里✖️万里@万里

 真夜中に目が覚めてしまった。スマホの着信音が響く。
『あたしマリです』
背筋が凍る。

 マリ・ナガシロと記された名刺をツアーガイドに渡されたのは数日前だった。どこの国の人だろう。少なくとも日本語を話している。顔つきもアングロサクソンとは思えない。振る舞いが日本人離れしていても海外生活が長ければやむを得ないだろう。ひと言でまとめると「変」だった。手配された旅の内容が自分の期待とかけ離れていたことと無関係ではない。
「眼下に見えますのがグレートウォールでゴザイマス」機内ではCAの指示を振り切ってバスガイドのごとくマイクを握っている。自分以外にもツアーの参加者がいて日本語とカタカナ語話者なのに違いない。背後の気配にギョっとした。
オーマイガッ! 
妻の万里が見知らぬ男と並んで親しげにしていた。あとのことは記憶にない。隣国の有名観光地の城壁から妻を山側に突き落として懇意になったAIロボガイドを妻になりすまさせて帰国したことも。

410字


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