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おとぎ話診療所✖️噂話製粉所 ②

 診察室に現れたのは何の変哲もない平凡そのものの男だ。
「どうしましたか」ぽつりぽつりと悩みを語り始める。年収と身長は平均クラスで偏差値50の出身校と顔立ちで性格もありがちだという。「自己評価が低いのです。自分に自信が持てなくて異性にも縁がないのです」
医師は製粉所から取り寄せた自信のつく粉を処方し、さらにとっておきの施術をした。男は中くらいの自信を得て帰っていった。
「次の方どうぞ」
不妊治療を受けていた高齢女性だ。
「おかげさまでわが子を授かりました。でも身長も体重も平均よりかなり小さめで」
医師はさっきの道具を取り出そうとした。
「あれっ、アレはどこへやった?」
看護師にたずねると、
「アレならさっきの患者さんがお持ちになりましたよ。製粉所の車のキーがさしたまんまだったみたいで」

 院内カフェテラスでも騒動が発生していた。治療の結果に不満なさっきの高齢女性が食べ終えたランチセットの味噌汁のお椀と箸を持ち帰ってしまったのだ。


410字


諸々の根源は診療所だと人々は噂した。



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