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hiroshi_yoshida_
ラブカ奇譚 ②
「三島まで新幹線、東海道線に乗り換えると君は言うけど、三島で下車して日本文学資料館を見て伊豆長岡温泉で一泊しない? 武者小路実篤ゆかりの宿から沼津方面のバス停は近い。御用邸の先で降りてしばらく歩くと芹沢光治良記念館がある。見終わったら同じバス路線で沼津駅もいいけど徒歩で千本松原まで足を伸ばせば若山牧水記念館もあるよ。魚市場で海産物を食べよう」
文芸サークルで出会った彼女と沼津に行くことにした。コンパニオンさん風のヒラヒラしたドレス姿の彼女と温泉に浸かり金目鯛の煮付けに舌鼓を打った。翌朝芹沢記念館を見学してから魚市場に向かって歩くと河口に出た。狩野川だ。最寄りの港大橋まで歩くしかない。
「もしや向こう岸に行きたいのですか?」
運良く我入道の渡しの船頭さんが声をかけてくれた。航路の途中で気づいた。この時期舟はやっていたっけ? ラブカの姿に戻った彼女が、浦島太郎のカメよろしく僕を背負って泳いでいる。フリルを翻しながら。
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「顔見知りがどんなところに収容されていたのか一目見たかったの。でもやっぱ海底を這って歩くのが性に合ってるわ」(ドボン)
沼津の深海魚水族館にラブカが展示されていたことがあり、羅鱶はわきにヒラヒラがありフリルシャークとも呼ばれるそうです。
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