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火星馬券 ①

 怪しげなメールを開いてしまった。
件名は『アースに向かって駆けろ!』 
「こんにちは極楽通信です。日頃ギャンブルなんて無縁と空ばかり眺めているアナタ、たまにはどの馬が速いか賭けて遊んでみませんか。あそこの赤い馬とこっちの青い馬に注目してください。ホラ、赤い馬が先行していますよね。でもすぐに青い馬に抜かれてしまいます。なぜか? アナタにだけその理由をコッソリ教えてあげましょう。実はそう見えるだけなのです。青い馬のトラックは内側なのです。そもそも走行距離が違うのですよ。狭い校庭でのリレーと同じです。キミも思い切って青に全財産を賭けてみませんか」

 嘘くさい話だ。だいたい赤い馬が走っているのはたまに見かけるけど、青い馬なんてどこにもいないじゃないか? 

 そう思ったからこの話には手を出さなかった、その時は。今になってここから見ると全体の動きがよくわかる。だから僕は大気圏外から詐欺と見せかけたお役立ちメールを発信し続ける。

410字


 この話を思いついた経緯を語らせてくれ。初恋相手の父親が僕を見るなり「どこの馬の星」と言ったんだ。


こちらの裏お題に参加しています。

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