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半導体大仏 ②

 レトロな駅舎が瀟洒なビルに変わっていたので何度も駅名を確かめた。幼馴染が額のホクロに面影を残しているように駅前広場から続く並木道には見覚えがあった。懐かしい。タクシーを呼ぼうとして段差につまづいた私を
「おっと」
と誰かが支えてくれた。
「ありがとう」
「どういたしまして」
相手はそのまま立ち去った。体格のいい青年だった。この町の人は昔から親切だ。
実家も以前と違う。母は老け込んでいた。どちらさまと問われたらどうしよう? 私の部屋はリフォームされ甥っ子の子供部屋だ。窓から市内を見てようやく違和感の正体がわかった。町のシンボル大仏さまがない。
どうして?
「何のことだえ」
もはや母がとぼけているのか本当にボケているのかさえわからない。

「金属泥棒に台座がやられた。それで町長たちもわかったんだ」と甥っ子。
「まさか売り払ったの?」
「シリコン製だったらしい」
ふとさっき駅前で助けてくれた男のことが心に浮かんだ。パンチパーマだったことも。


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