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kanatane
和歌ゲーム ①
「ねえ母ちゃん、クラスでゲーム機持ってないのオレだけなんだよ」
一人でつぶやいてみる。
「馬鹿だねお前は。あんな戯れに時間と電力を使ってどうするつもりだい?」
そんなふうに答えるだろうな、もし母が生きていたなら。
「ねえタクちゃん、ゲーム機だったらうちに2台あるからひとつ貸してあげるよ」
いつも親切な友だちが声をかけてくれた。とりわけサトシは親身になってくれる。ありがとう、でもぼくが本当に欲しいのはゲームじゃないんだ、愚痴とかワガママに耳を傾けてくれて、弁当や夕飯に好きなものを作ってくれて、馬鹿だねお前はと叱ってくれる相手なんだ。あっ、もちろんそういうゲームでもないからね。急いで追加したけれどもう間に合わなかった。「ほらよ、礼は要らないぜ」
どこからか調達してきた『箱入り母さん』のソフトをポンと手渡された。
だから、差し込む機械がまず無いんだってば!
『レジまでお持ち下さい』と書かれた空箱のあまりの軽さに思わず泣いていた。
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