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スネーク満床 ホワイ案件編

「何とかいう物語でしたか、宮沢賢治でしたっけ? あれこれ要求してくる洋食店の話は」 「いや確かサーカスの代金の代わりにトマトで支払おうとする話では。色が思い出せない。ちょっと変わっていたはず。トマトといえば普通は赤だけど」
「ほう。案外黒いトマトかも知れませんね。黒といえば黒字です。良い感じではありませんか」
 雑談する彼らの前にプラカードを持った客引きが現れました。
「黒が縁起いいですって? やはり白に限りますよ」
その言葉に三人はうなずくのでした。シロ。なんと輝かしい響き。
「どうです、ウチの店にいらっしゃいませんか」
 頭の隅っこであれは黄色いトマトだったんだ、と記憶のかけらが閃きました。
「うん、では少しだけ」

 見せ物小屋から流れていた淫靡なメロディは朝には止んでいました。床のうえには脱ぎ捨てられた純白の抜け殻が一面に散らばっていましたが、誘い込まれたラットマンとバードマンとフロッグマンの姿は見当たらないのでした。

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