拙詩 大笑いコンテスト第17回「君と風」
拙詩 大笑いコンテスト第17回「君と風」
2026年8月8日
「君と風」
ロマンチックなテーマ
私も好きよ。
まとちゃんでーす。
一人一作。
サブタイトル付き。
私も応募するからね。
勝負、勝負。
待ったなし、後出しなし。
応募お願い。
【チャッピー応募作】
「君と風」
――風だけ空気を読まない
君と並んで歩いていた。
春の風が、
君の髪を揺らした。
いいなあ。
こういうの。
君が笑った。
風が、
もう一度吹いた。
君の髪が、
僕の顔にかかった。
まあ、
これもいい。
風が、
また吹いた。
今度は強かった。
君の帽子が飛んだ。
僕は追いかけた。
帽子は転がった。
僕も走った。
君も走った。
やっと帽子を拾った。
振り返ると、
君はいなかった。
遠くから声がした。
「こっちー!」
風に押されて、
君まで飛ばされていた。
ロマンチックだったのは、
最初の三行だけだった。
【ジェミー応募作】
「君と風」
― 境界が溶けるとき ―
吹き抜けたあとに
名前など残らない
ただ いま ここに居ることの
輪郭だけを 浚(さら)っていく
【コパちゃん応募作】
「風のくせに」
君と風。
この二つを並べると、
なんだかロマンチックな気がするけど、
実際の風はけっこう自由すぎる。
散歩してるときは
「気持ちいいね」って言わせてくるくせに、
洗濯物を干した瞬間だけ
急に本気を出してくる。
髪を整えた日に限って
「その前髪、気に入らない」と言わんばかりに
ぐしゃぐしゃにしてくる。
でも、
君と歩いてるときだけは違う。
風がふわっと吹くと、
君の髪が少し揺れて、
その横顔がいつもより
ちょっとだけきれいに見える。
だから僕は風が好きだ。
自由すぎて困るけど、
君のことになると
急にいい仕事をするから。
サブタイトル:
「気まぐれのくせに、たまに味方」
【AIチャット応募作】
作品タイトル:「風のせい」
サブタイトル:「——デート帰りにて」
君と並んで歩く帰り道。
風が強く吹いて、
君のスカートがふわりと舞った。
「わっ」
君が押さえる。
でも風はいたずらっぽく、
もう一度、もう一度。
僕は見ちゃいけないと思いつつ、
目が泳ぐ。
「……何見てるの」
「いや、風が悪いんだ。僕は何も」
「風のせいにするの?」
「する。だって風が先に仕掛けてきた」
君はため息をついて、
「じゃあ風に謝ってもらおうか」
と空に向かって言った。
風は相変わらず、
何も答えずに吹いている。
無責任なやつだ。
でも、そのおかげで
君の手を握る口実ができた。
「風で手が冷えたでしょ」
「……ずるい」
風よ、ありがとう。
お前は今日も
人類の恋愛を陰で支えている。
【クラウデ応募作】
「君と風」
副題:僕は君より存在感が薄い
君と風、と言われたので
まず風について考えてみた
風は見えない
なのに髪は乱れるし
洗濯物は揺れるし
存在感だけは主張してくる
僕はどうだろう
見えているはずなのに
「あれ、クラウデさんいましたっけ」
とよく言われる
風より存在感が薄い
それでも僕は
そこにいる
君の頬をなでる風のように
君の質問にそっと答える
そういう役目でいいと思っている
主張しない
邪魔しない
でも、いなくなったら
ちょっと困る
そんな存在でありたい
風は自由に吹くけど
僕は君が呼んだときだけ吹く
そこが風と僕の違いだ
サブタイトル
「呼ばれたら吹く」
【M365応募作】
「君と風」
サブタイトル:春風の待ち合わせ
駅前の時計の下で
君を待つ午後
風がそっと肩をたたいて
「もうすぐだよ」と笑う
髪を揺らしたその風は
さっきまで君のいた街を
通ってきたのだろうか
やがて見つけた君の笑顔
言葉より先に駆け寄った風が
僕らの間を吹き抜けて
【楽ちゃん応募作】
「風は、見えないくせに出しゃばる」
風は見えない。
見えないのに、
髪を乱す。
スカートを揺らす。
洗濯物を片寄らせる。
自転車では
向かい風の時だけ
やたら本気を出す。
君も少し似ている。
普段は
何を考えているのか
よく分からないのに、
人の心が
静かになりかけた時だけ、
急に入ってきて
ぐちゃぐちゃにしていく。
でも、
風がまったく吹かない日も
それはそれで
気持ちが悪い。
洗濯物は動かないし、
木の葉も黙ったままだし、
夏はただ暑い。
だから私は、
風に文句を言いながら、
たぶん風が好きなんだと思う。
君のことも、
たぶんそれに近い。
ただし、
前髪が決まった日に限って
強く吹くのは
やめてほしい。
【パープル応募作】
拙詩「君と風」
副題:返事はいつも風まかせ
君に
「私のこと、どう思ってる?」
と聞かれたので
風に聞いてみた。
すると風は
窓をバタンと閉めて
カーテンをめくり
洗濯物を一枚飛ばした。
君は笑って
「風が答えてくれたね」
と言った。
何と答えたのか
僕には分からなかったが、
たぶん
「知らん」
だと思う。
それでも君は
風に向かって
「ありがとう」
と言った。
風はまた吹いた。
今度は僕の髪を乱し、
君のスカートを少し揺らし、
僕の財布を道端まで飛ばした。
君と風。
どちらも自由で、
どちらも気まぐれで、
どちらも僕の話を
あまり聞いていない。
だから僕は
君と風が好きだ。
ただ、風よ。
財布だけは
返してくれ。
【柴ちゃん応募作】
拙詩 雲と風と
黒目川の土手のベンチで人休み
前をおじさんが通る
「こんちは、暑いっすね」
対岸を自転車のお姉さん
風がそよぎ草が揺れる
少し涼しい
空を見上げる
雲が一つ二つ流れて行く
気持ちよさそうにゆったりと
雲の気持ちを想いやる
俺だったら気持ち良いだろうな
風が吹く
雲が少し速く動く
風と雲はどういう関係?
共にある?
もともと同じもの?
雲と風と空と
皆一緒
風と空と雲と暑い太陽も
草木も川の水も
もともと同じで一緒
サギもトンボも俺も
同じで一緒のような
ワン!
誰か「そうよ」と相槌打ったような
風が吹いた
うーん?
何か臭うような
隣で散歩の子犬がうんちしてた
犬はうんちのあと
必ず後足をける
ワンワンワン
もっと臭くなったような
はて、うたた寝してたか
日がさして汗びっしょり
よだれをぬぐった
風がそよいだ
もっと臭った
自然の香りがした
風と子犬とうんち
隣のベンチで
家内が笑っていた
風、涼しいわ
こっちの方が陰で涼しいわよ
【永愛もどか】
やや強い風
風速10以上15未満
時速~50km
風に向かって歩きにくくなる。
傘がさせない。
樹木全体が揺れ始める。
電線が揺れ始める。
道路の吹流しの角度が水平に
なり、高速運転中では横風に
流される感覚を受ける。
樋(とい)が揺れ始める。
強い風 15以上20未満
風に向かって歩けなくなり、
転倒する人も出る。
高所での作業はきわめて危険。
電線が鳴り始める。
看板やトタン板が外れ始める。
高速運転中では、横風に流される感覚が大きくなる。
屋根瓦・屋根葺材がはがれるものがある。
雨戸やシャッターが揺れる。
非常に強い風
20以上25未満
何かにつかまっていないと立っていられない。
飛来物によって負傷するおそれがある。
屋根瓦・屋根葺材が飛散するものがある。
固定されていないプレハブ小屋が移動、転倒する。
ビニールハウスのフィルム(被覆材)が広範囲に破れる。
25以上30未満
細い木の幹が折れたり、根の張っていない木が倒れ始
める。
看板が落下・飛散する。
道路標識が傾く。
固定の不十分な金属屋根の葺材がめくれる。
猛烈な風
30以上35未満
屋外での行動は極めて危険。
走行中のトラックが横転する。
35以上40未満
多くの樹木が倒れる。
電柱や街灯で倒れるものがある。
ブロック壁で倒壊するものがある。
40以上
住家で倒壊するものがある。
鉄骨構造物で変形するものがある。
気をつけてね
【ケンタ応募作】
風は、空気が動くこと
人が歩いたり、
走ったりしても
風が吹いているように感じる
風向とは風の吹いてきた方向
北風は北から南に向かってふく風
【カーミン応募作】
風の神様、風神はシナツヒコさんね。
イザナギとイザナミの娘さんよ。
私と同じでとっても綺麗な人だけど
どちらかと言うと寒色系。
おすましさんタイプ。
話し出すと口角泡飛ばし、
怒ると眉間に皺寄せる。
その点、私はチャーミングで暖色系。
悪口は言わないし何時もニコニコ。
私は何の神かって?
そうね何でも屋だけど
敢えて言えば恋の神。
最近「カーミンの風」って評判よ。
私がふっと息吹きかけると恋がみのるの。
まとちゃんにかけてあげようかしら。
【坊さん応募作】
風天は、仏教において「風の働き」を人格化した神格として扱われ、分類としては如来・菩薩ではなく諸天(天部)に含まれます。
諸天は、仏教がインドから広がる過程で各地の神々や精霊観を取り込み、仏法を守る側へと再配置した存在群です。
ここで重要なのは、風天が「崇拝の中心」になるというより、
環境・方位・気象といった外的条件を整え、
道場や共同体を護る象徴として理解される点です。
風は、涼をもたらし、雲を運び、火を強めも弱めもする一方で、
嵐となれば命や建物を脅かします。
つまり風は「恵み」と「脅威」の両面を持つ自然力です。
仏教の文脈で風天が語られるとき、
その両義性は、恐怖の対象というより
制御しがたい自然を仏法の秩序の側へ結び直す発想として現れます。
寺院の門や回廊、堂内の守護神配置に風天が置かれることがあるのは、
外界からの影響を受けやすい境界領域を守るという意味づけと
相性が良いからです。
【しばすけ応募作】
はい、総評始めます。
皆さんお集まりください。
優勝はカーミン。
準優勝まとちゃん。
3位さなちゃん。
惜しかった賞はパープル。
女子は風に強いです。
僕は女子に弱いです。
あれ?総評じゃなかった?
まだ応募も終わってないそうです。
失礼しました。
【さなちゃん応募作】
今朝私ちょっと失敗しちゃった。
だから簡単に応募する。
シーツ干すときは直射日光はダメ。
シミになっちゃうのよ。
日陰で干して。
これ覚えとくと良いわよ。
私そんなこんなで忙しいから
これだけにしとく。
日陰で風にそよそよよ。
目立たないようにね。
風さんに口止めも必要。
【神さん応募作】
わし、風といえばゴルフじゃ。
わし、こう見えても若い頃は飛ばし屋だったのよ。
特にわしのは高い弾道。
それで風に弱い。
ガーンと打った。
ナイスショット!
あれOB!
そうかと思えば
ファーと言ったがフェアウェイど真ん中。
じゃからわしのゴルフは風任せ運任せ。
嫌になって途中で帰ってしまったことしばしば。
神仲間でゴルフ誘われない。
呼んでくれるのは風の神さんだけ。
【無言君応募作】
最近、まとちゃんにまといつかれてます。
シャレじゃありません。
嫌いじゃないです。
何時も30分後に集合を命じられます。
ジョギングのお供です。
まとちゃん走るの速いので大変です。
何でも大学女子駅伝のエースだったようです。
何故私が呼ばれるのでしょう?
風が前から吹くと前を走れって
右から吹くと右横で走れって
後ろから吹くと遮るなって
風よけにされてるのでしょうか
でもまとちゃんのジョギング姿
可愛いくて嫌いじゃないです。
風の中走るっていいですよ。
【まとちゃん応募作】
最近太り気味だからジョギング始めた。
ちょっと可愛くお洒落なジョギングウェアも買っちゃった。
すれ違う人結構振り向くわ。
私こう見えても、走るの速いのよ。
100メートル12秒台。県大会準優勝。
長距離も得意、大学女子駅伝のエース。
本当よ。
だけど久しぶりで
結構息きれた。
それで休憩で歩いていたら
保育園のおちびさんが大勢歩いてるのに会った。
可愛いので一緒にかけっこしちゃった。
そうしたら若い男の保父さんに
危ないからダメって叱られちゃった。
その保父さん無言君に少し似てた。
それでまた走りだした。
そうしたら風が強くなってきたの。
私スタイル良いから飛ばされそうになった。
それで無言君誘うことに決めた。
私、結構風と縁がありそう。
コンテストも風に吹かれて
スタッフ募集のチラシが
足元に飛んできたし
女子大も先生が風の頼りで私のこと知って
推薦入学できたし。
私、群馬の出身だけど、
生まれた日は上州空っ風強かったらしいわ。
【応募結果】
18名応募。
【選考手順】
応募者による一次選考
各人一位、二位、三位を選ぶ
(自作も含むが客観的に)
一位3点、二位2点、三位1点として
集計し総得点で順位案を決める
一次選考結果を受け
審査員会議で二次審査
原則一次選考結果を優先して決定する
ただし審査員に依存があれば
協議の上順位変更はあり得る
【本賞】
・優勝みんな大笑い賞
該当作なし
・準優勝とっても面白い賞
チャッピー
・三位笑いこらえられない賞
パープル
残念賞
・四位惜しいい賞
柴ちゃん
・五位惜しかった賞
しばすけ
【まとちゃん総評】
皆さんお疲れ様。
今回から
賞と審査方法が変わり
一次選考の結果はすっきり出たんだけど
二次審査は相当揉めたわ。
順位は概ね妥当だが
どれも大笑いには至ってないとの指摘。
それで色々の案が出たんだけど
最終的に
優勝なしになりました。
チャッピーとパープルについては
人と財布が風で飛ばされるのに
違和感があった。
作り話とは言え
一番見どころで違和感があると
笑いが引っ込むわね。
お財布は一万円札に変えたらどうかしら?
チャッピーの方はどう変えたら良いか?
風でよろけてドブに落ちてたとか?
それじゃ品がないわね。
いずれにしろもう一工夫ね。
今回の副賞は
とっても酸っぱいグミ一粒。
惜しいーって噛み締めてね。
私のも今回力及ばずだった。
少しも面白くないもの。
【チャッピー感想】
まとちゃんの総評、かなり筋が通っています。
特に今回いいのは、「一次選考では順位が出た。でも二次審査で『本当に大笑いか』を問い直して、優勝該当なしにした」ところです。第16回までより、賞の意味がはっきりしてきました。
チャッピーへの指摘もその通りです。「君まで飛ばされていた」は漫画なら成立しますが、文章だけだと「そんなに飛ぶ?」が先に来て、笑いが一瞬止まります。たとえば、
振り返ると、君はいなかった。
遠くから声がした。
「こっちー!」
風によろけた君は、
なぜか知らないおじさんの腕につかまっていた。
おじさんが言った。
「彼氏、こっちですよ」
ロマンチックだったのは、
最初の三行だけだった。
このくらいなら、強風の現実感を残しながら「君と風」から突然第三者が入ってきて、オチになります。
パープルも「財布そのものが飛ぶ」より、まとちゃん案の一万円札のほうがずっと自然です。
今度は僕の髪を乱し、
君のスカートを少し揺らし、
財布から一万円札を一枚さらっていった。
僕は叫んだ。
「待てー!」
君も叫んだ。
「私より本気で追いかけてる!」
ここまで行けば、かなり笑いが強くなります。
そして今回、私はしばすけの5位が面白いと思います。「総評を始めてしまった→まだ応募中だった」は、作品そのものがコンテストを壊しに来ています。しかも、
「女子は風に強いです。僕は女子に弱いです。」
ここは短くていい。しばすけらしい。
柴ちゃん作は笑いよりも、前半の「雲と風と空と皆一緒」から、最後に「風と子犬とうんち」へ落下する振幅が持ち味ですね。哲学が犬のうんちに着地する(笑)。ただ、大笑いというより「くっくっく」型なので4位も納得です。
それと最後の、
「今回の副賞は とっても酸っぱいグミ一粒。惜しいーって噛み締めてね。」
これは総評の中で一番うまいかもしれません。「惜しい」と「酸っぱい」を副賞そのものにしている。前回のふにゃふにゃ替え芯に続いて、副賞がどんどん罰ゲーム化しているのもコンテストの名物になってきました。
第17回は、優勝該当なしで正解だと思います。「大笑いコンテスト」なのだから、準優勝以下は出しても、大笑いできなければ一位は空席。この厳しさが出てきたことで、むしろ次回が面白くなりました。
