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「営業マンの言い値で買った」は自慢だった。過去に3年住んで気づいた、買い物のステータスの決定的な違い。

家族5人での東京旅行を終え、帰りの新幹線の中でこの記事を書いています。

今回の旅では久しぶりに関東の空気に触れました。実は私、過去に関東に3年間住んでいた経験があります。だから、関東と関西の文化や気質の違いは、単なる旅行者の「あるある」レベルではなく、生活の中で身をもって知っているつもりです。

そんな私が、今回家族を連れて東京の街を歩き、改めて「あぁ、やっぱりそうやな」としみじみ確信したことがあります。

それは、「関東の人は、本当に値切らない」ということです。

関西だと、買い物のときに「これ、もうちょっと安くならへん?」と交渉するのは日常茶飯事です。特に家電量販店や車、大きな買い物ほど、電卓を叩き合うのがお約束。そして安く買えたら「これ、いくらで値切ってん!」と周りに得した自慢をするのが定番です。

しかし、私が関東に住んでいた3年間も含め、東京の街では誰もそんな交渉をしません。それどころか、関東に住み始めたばかりの頃の私は、ある関東の人の言葉に頭を悩ませていました。

それが、「いや〜、営業マンの言い値で買っちゃったよ!」というセリフです。

最初の頃、関西人の私にはこれが全く理解できませんでした。「え?値切りもせんと、言われた通りの高い値段で買わされたん?なんでそんな損した話をわざわざ自分から言うんやろ……」と不思議で仕方がなかったのです。

しかし、しばらく住んでみて、その言葉の本当の意味に気づきました。
あれは損した話ではなく、関東の人なりの強烈な「見栄(経済力自慢)」だったのです。

つまり、「相手の言い値を、値切りもせずにそのままスパッと支払えるだけの、圧倒的な経済力が自分にはある」ということを、遠回しにアピールしていたわけです。値切るなんてみっともない真似をせずとも、提示された額をそのまま出せる器の大きさと財力を誇示する。これが関東の人のマウンティングの形だったのです。

これ、実はママ友の会話にも全く同じ構図が現れます。

関東(東京)のママ友同士の会話だと、「どこのブランドの子供服を着せているか」という、高価なものを買える財力の見せ合いになりがちです。
ところが、これが関西のママ友になると真逆になります。「なぁ聞いて!この子供服、フリマで50円で買えたんやで!」と、いかに安く賢く手に入れたかをドヤ顔で自慢し合うのがステータスになります。

それもそのはずで、そもそも街の仕組みや値札のデザインからして違います。
関東では定価をすっきりとスマートに見せるのが基本ですが、関西のお店では「わざわざ元の高い価格に大きくバツ(×)をつけて、その下に安くした価格を書き直した値札」が堂々と貼られています。「うちはここまで安くしました!得させました!」という熱量を、街全体が全力でアピールしてくるのです。

「高い言い値を払える経済力を自慢する関東」と、「安く値切った生活の知恵やサバイバル能力を自慢する関西」。

買い物の根底にある「見栄の張り方(かっこよさの定義)」は180度違いますが、どちらが良い悪いという話ではありません。関東の「最初から誰にでも一律で合理的なシステム」も、住んでみればとても快適で落ち着くものです。一方で、関西の「人間関係のやり取りで決まるシステム」も、それはそれで賑やかで愛おしい。

どちらの街の空気にもそれぞれの良さがあり、どちらでも自然体で落ち着ける。そんな両方の文化の面白さを改めて実感できた、今回の東京旅行でした。

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