いまいちルールが分からないあのパーティーゲームが題材の良作コメディパニックホラー「人狼ゲーム 夜になったら、最後」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(641日目)
「人狼ゲーム 夜になったら、最後」(2021)
ジョシュ•ルーベン監督
◆あらすじ
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雪に覆われた田舎町ビーバーフィールドに赴任した森林警備員フィンは、町に1軒だけの小さなホテルに滞在し、郵便配達員セシリーの案内で変わり者ぞろいの住人たちに挨拶して回る。翌朝、農場を営むトリッシュが、何者かに殺された愛犬を抱えてホテルに駆け込んでくる。他の住人たちも様子をうかがいにホテルに集まってくる中、今度はホテルオーナーであるジャニーンの夫が死体となって発見される。その死体には喰いちぎられた跡と、人間のものではない毛が付着していた。警察に通報しようとするフィンだったが、猛吹雪により道路は封鎖、しかも町の発電機はすべて破壊されていた。
(映画.comより引用)
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『田舎町で発生した殺人事件。吹雪により道路は封鎖、発電機も電話線も破壊され、助けを呼ぶことも出来ない。住人たちの中に殺人鬼がいる状況下で、彼らは互いに疑心暗鬼になっていく』
というミステリー要素強めのサスペンスに、“人狼”というクリーチャーを上手いこと絡め、全体的にコメディタッチの作風に仕上がっており面白かったです。
全米で大ヒットを記録した「Werewolves Within」というTVゲームを実写化した作品になります。味方になりすました“人狼”を会話の中であぶり出して見つけるという推理ゲームで、日本では「人狼ゲーム」や「人狼」という名前のパーティーゲームとして広く知られています。


日本では人狼ゲーム専用のスマホアプリがあったり、テレビ番組やYouTube等で芸能人の方々がやっていたり、それを題材にした映画があったりと、パーティーゲームとしてはかなり上位に位置している印象です。
私は舞台役者をやっていた時代(20代後半からの10年弱)にこの人狼ゲームをする機会が度々ありました。というのも、いわゆる小劇場の舞台は本番までにだいたい1~2ヶ月の稽古期間がありまして、本番直前になると昼から夜までみっちり稽古をするわけなんですけども、顔合わせをした直後の稽古などは比較的時間にも余裕があり、また脚本が出来上がっていないことも多く、稽古時間の大半をシアターゲームで消化することが多かったです。
シアターゲームとは、反射神経、集中力、空間把握能力等を養うことができるエクササイズのことで、アップゲーム等とも呼んでいました。ジップザップゲームとかピンポンパンとか呼び方やルールは多少違えど、どこの劇団でも多かれ少なかれ行っていると思います。
脚本家や演出家は“みんながどういう人なのか”や“どういう立ち振る舞いをするのか”を見てから脚本を書きたい等ともっともらしいことを言っておりましたが、それならエチュード(即興芝居)や雑談でも良いような気がします。だらだらと笑い合いながら行うシアターゲームにあまり意味があるようには思えず、これは何の時間なんだ?と思うことも多々ありました。
今思うとですが、演劇人は私含め学生時代にイケてなかった人が多く、小劇団というのはそういう皆でワイワイ遊ぶ機会が無いまま大人になってしまった人達の集まりなので、単純に遅れて来た青春を謳歌しているだけだったのではと邪推してしまいます。あとシンプルに脚本が書けなかっただけだと思います。
ちなみにですが、このシアターゲームをガチでやっているストイックな劇団もたくさんあり、そういう劇団は作品の質も相当高かったです。なもんであくまでも私が関わったいくつかの団体が緩かったというお話です。
すいません。話が脱線しました。
そんなシアターゲームの一環として人狼ゲームをやっていたわけなんですけども、我々は村人や狩人、占い師、人狼、狂人など役職を与えられて、『話し合いで人狼をあぶり出して全員排除したら村人たちの勝ち』や『人狼の人数が村人たちと同数か上回ったら人狼の勝ち』という基本ルールのもと、制限時間いっぱい話し合って、誰が人狼だとか、俺は村人だ等と言って、心理戦を繰り広げるわけなんです。
正直なところ、未だに私はルールを分かっていません。なんとなくでやってました。
なもんで、排除されないように「俺は占い師だ」と人狼が嘘をついたり、狩人は人狼から占い師を守った方が良いとか、マジでよく分かりません。
ゲーム終了後に、「あの時の〇〇の発言に矛盾があったわけだから、あのターンで渋谷も〇〇を指しとけば追放できて勝てたんだよ」などと先輩役者に言われて、私も「あー!そっかー!そうですよね!やっちゃったなー」と分かった感じでリアクションしてましたが1ミリも理解してません。
よくわかんないし、面白いと思ったこともありませんし、ムキになってマジで怒り出す人とかもいてすごい嫌でした。何が楽しいのか分かりません。

しかし!
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そんなわけであまり良い思い出のない人狼ゲームを題材にした今作なんですけども、先述した通り普通に面白かったです。
◇降雪地域の田舎町•ビーバーフィールドに森林警備員として赴任してきたフィンは郵便配達員のセシリー案内のもと、一癖も二癖ある村人たちを紹介されていく。あくる日、農場を経営しているピートの妻•トリッシュの愛犬チャチが無惨な姿で発見される。その後フィンが町中を捜索していると、大きな爪で全ての発電機が破壊されており、さらには宿屋のジャニーンの夫デイヴがバラバラの状態で見つかる。猛吹雪で通行止め、さらには電話線も切られて、助けを呼べない状況下で、村人たちは疑心暗鬼になっていく。
という流れになっています。
『村人が疑心暗鬼になって殺し合いに発展する』という内容自体は中々にエグいんですけども、全体的に程良いコメディテイストでテンポ良く展開していき、グロ描写も生々し過ぎず、登場人物も個性的なので見ていて楽しいです。

誰にでも優しくて誠実な青年です。
(映画.comより引用)

村人の中ではかなりまともなほうです。(映画.comより引用)

ヒステリックでなんの躊躇もなく殺人に手を染めます。
(映画.comより引用)

他にも、何かとサンドイッチを作ろうとする宿屋の女主人のジャニーン、いつも狼の毛皮を被っているコワモテ猟師のフリント、ヤク中カップルのグウェンとマーカス、狼など獣に対する知識も豊富なエリス博士等などクセスゴな村人たちがおります。
『人狼は誰なのか』が今作の見所ではあるんですけども、どちらかというと『おバカな登場人物たちが些細なことでお互いを疑り、口論から殺し合いに発展する』というところのほうか見所に見えてしまいました。
もちろんその諍いの発端や疑いあう要因を作ったのは人狼で、今作における人狼は文字通り凶暴な狼人間です。普段は人間のフリをして村人に紛れて、襲う際などは凶暴な獣人姿となります。最終的にこれが誰だったのかはネタバレになってしまうので明言は避けますが、獣人姿になるのがクライマックスのワンシーンのみで、戦うシーンも短かったのでモンスター映画としてみるとやや物足りなかったです。
また、なぜ普通に人間を襲うのではなく、村人同士が殺し合いに発展する状況を作りたかったのかがいまいち分かりませんでした。ミスリードとしては機能していたんですけども、人狼の犯行理由みたいなものが薄過ぎて『人狼が誰なのか』という本来であれば一番の見所であろう部分が霞んでいたように思います。

全編通して重苦しい雰囲気がなく、集中して見ていなくても理解できるライトな内容でポンポンとストーリーが展開していく心地よさもあってすごく良かったです。傑作!とまではいかないかもですが、個人的には結構楽しめました。ちょっと1〜2時間暇つぶししたいなというときに持って来いの作品だと思います。
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