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【ハーブ天然ものがたり】ミモザ/アカシア |虚空(アカーシャ)を宿す「契約の箱」は女神の胎内 |黄金の花と道化師の記憶


梅や桜の開花のころは、日本の心、日本の文化を支えてきた植物たちとの邂逅に、さんぽ時間がより一層楽しくなります。

とはいえヨーロッパやアジア大陸、アフリカやオーストラリア原産種も、帰化したものや栽培種などが広がって、国境を越えて鑑賞できるのもまたうれしいことです。



「ミモザ」アカシアとオジギソウの奇妙な関係


日本を席巻する黄色い花と
もうひとつの内気な「ミモザ」のものがたり

春に咲く「ミモザ」と呼ばれる香りよい花。

ミモザはアカシア属の花の総称ですが
ほんらいは学名でミモザと命名されている植物が別にあります。

さらにアカシアという呼称に
日本ではハリエンジュとの混同があって
複数のキャラクターが同居している正体不明感が
「ミモザ」の響きに潜んでいます。

アカシアの木は明治のころ日本に入ってきました。
先に導入されアカシアと命名されたのが、
現在ではニセアカシアと呼ばれるハリエンジュです。

ニセアカシア(学名: Robinia pseudoacacia)
北米原産のマメ科ハリエンジュ属の落葉高木である。
植物学上の標準和名はハリエンジュ(針槐)。
日本には1873年に渡来した。
蜜源植物として重要で、街路樹、公園樹、
砂防・土止め用の植栽、材は器具用等に用いられる。

ややこしいことに北海道ではこの木をアカシアと呼ぶ人が多く、
道産子の私もずっとハリエンジュをアカシアと思っていました。

じっさいハリエンジュは香りよい蜜源植物で、
アカシアはちみつとして市販されているものは
ハリエンジュの花蜜から生産されています。

アカシア属がのちに輸入されるようになると、
先にアカシアと呼称されていたハリエンジュを
ニセアカシアと呼ぶようになりました。

しかしてさらにややこしいことに、
アカシアの切り花が「ミモザ」の別名で流通し、
本家の学名ミモザの名をもつお辞儀草じぎそう
混同されるようになりました。


オジギソウ(お辞儀草、含羞草、学名:Mimosa pudica)は、
マメ科ネムノキ亜科(オジギソウ属)の植物の一種。
別名はネムリグサ(眠り草)、ミモザ。

ミモザは本来オジギソウの学名に由来する植物名、
日本語ではほぼアカシア類の花を呼ぶ名としてのみ使われており、
本来は誤用である。
種小名のpudicaは、ラテン語で「内気な」を意味する。

南アメリカ原産で、世界中に帰化している。
日本では沖縄で帰化植物として野外で繁殖しており、
江戸時代後期にオランダ船によって日本へ持ち込まれたといわれている。

ウィキペディア-オジギソウ


ゴンドワナ大陸の記憶「黄金のワトル」と

アカシアの樹に棲むエジプトの母神ネイト


学名に Mimosaみもざ の名をもつお辞儀草は、
人真似・身振り劇(パントマイムの源泉)という意味のギリシア語、
mimosミモスをおもじりして名づけられたそうです。

内気なパントマイマー、繊細に感応する「道化師」のようなお辞儀草、
Mimosaミモザ pudicaプーディカ に変わって、
二つ名ミモザを譲り受けたアカシア属は、
華やかな色香で人類を魅了しつつ、
ミモザという名で春のお花関連市場を席巻しています。

そんなアカシア属は、
世界中で1000種以上が確認されている植物界の巨大クラスターです。

2億年前に存在していたと考えられる
超大陸ゴンドワナに起源をもち
大陸が分岐したのちは各地の環境に適応して
先住民によって伝統的に親しまれてきました。

オーストラリアでは一般的にワトルと呼ばれ
先住民は根元からたんぱく源となる芋虫を採取し
樹液を薬として活用したり
枝幹からブーメランや盾などを作っていました。

古代エジプト時代には薬用植物として活用され
若葉や若枝、種子は食用になり
根に切り込みを入れて水を確保していました。

アカシアの枝を捧げられた女神ネイトは、
アカシアの樹に棲む、天地創世の大いなる母神として、
イシス神やハトホル神と同一視されています。

ウィキペディア-ネイト(エジプト神話)
下エジプトの王冠であるデシュレトを被ったネイト像。
デシュレトにはウアジェトのコブラ(蛇形記章)が付いている。

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