ライラック杯 勝手に紫円賞 短歌部門
お立ち寄り頂きありがとうございます。
ライラック杯の勝手に賞、短歌部門に参加させて頂きます。勝手に紫円賞の発表です。
念のため繰り返しになりますが、私はまだまだ始めたばかりの初心者で、難しいことは解りません。なので選考の基準はとても「好き!」だと惹かれたもので、その一点だけです。解釈に作者様の意図と離れたものが含まれることをお許しください。あと、表記は一覧に沿って二行にさせて頂いています。
作者様の伏せられている一覧を拝見し、「好き!」の赴くままに七首を選ばせて頂きました。掲載順は私が読んだ順番で、順位はありません。
それでは短歌部門、参ります。
🌸鮎太様
農家も限界近しと思ひつつ
土にたつぷり光まぜゆく
いきなり私事で恐縮なのですが、私の父も畑をしていました(農家、という大規模なものではありませんでしたが)。農作業は本当に大変で、土を作り、種をまき、日々たくましい雑草を取り、水やりに施肥、ものによっては支柱を立てたり誘引したり、休む間がありません。収穫後も色々と作業がありますね。私の周囲の(本業の)農家さんもご高齢になり、辞め時を探っている様子も見られます。そんな実感がしみじみと感じられ少し切なくて、でも土にたっぷりと光をまぜてゆく様子は、未来の実りを予感させて、そこには確かな喜びがあります。その希望が、春に合っていてとても素敵だと思いました。
🌸Momoco様
降り落ちる春の夜雨に花びらは
ちいさき虫の傘となりぬる
はっとしました。雨で散っていく花びらには、まだ役割が残っていたのですね。小さな虫が、まだ冷たい春の夜の雨に濡れないように、そっと寄り添ってくれる傘になる……優しい物語が感じられました。
花散らしの雨、という言葉があったりして、人間にとっては「もう散ってしまうのか」と残念に思う一面があっても、その花びらはそっと、ちいさな虫を守る傘になる。そう思うと、ほっこりと優しくて暖かい気持ちになりました。
🌸秋月 めぐみ様
薄桃の色の広がる夕暮れは
春の花たち引き立てて暮れる
薄桃の色の夕暮れを、この春私も見ました。地上のお花の色でもあり、そして空も薄桃に染まっていました。その様子を鮮明に思い出せて、好きだと思いました。
夕暮れの頃、暗くなる直前に、色々なものが何かほんのりと浮かび上がるような明るさを感じることがあって、それを繊細に詠み込まれていると感じました。丁寧に詠むとこんな素敵な短歌にできるのだなぁ、と尊敬しました。
🌸さち様
野の花のひそやかなりて可憐なる
きみのおもざし似て露ひとしずく
花壇に植えてあるような有名なお花ももちろん綺麗なのですが、野の花の控えめな可憐さもまた美しいです。ここから完全に妄想ですみません、「露ひとしずく」は、私は涙だと受け取りました。だとすると、野の花のように控えめで可憐な「きみ」とはもう会えないのかもしれません。物理的に遠く離れてしまったのか心理的に離れてしまったのか、もしかすると、もしかするともうこの世にはいらっしゃらないのか……綺麗で、でもどこか胸に迫るものを想像して、この御歌がとても好きだと思いました。
🌸べじさん様
花踊るすずめ可愛く憎らしく
ちぎっては投げちぎっては投げ
私、この光景をいつか実際に見てみたいのです。以前テレビで見ました。メジロのように蜜を上手に吸えないスズメは、花ごとちぎって蜜を飲んで、食い散らかすのですよね。その様子が本当に愛らしくて、でも花を楽しみたい人間としては、そんな悪さをされては……と、一緒に番組を見ていた野鳥好きの父と盛り上がりました。この御歌から、スズメの仕草と、そのときの楽しかった記憶が鮮やかに蘇ってとても幸せな気持ちになったので選ばせて頂きました。
🌸すうぷ様
リラの香にふはり誘はれ春の庭
百花光りて蝶のゆきかふ
ライラックの香りを、私はまだ知りません。けれどこの御歌を通して、とても良い香りなのだろうな、と感じました。その香りに誘われるままに庭に出てみると、そこには沢山のお花が咲いていて、そのお花に誘われてやって来た蝶たちも、ひらひらと飛び交っていて……春の柔らかくて暖かい陽射しを感じました。そしてとても素敵なお庭ですねぇ……。とにかく優しくて柔らかい光を感じられるのが好きでした。旧仮名遣いの雰囲気も、より世界が引き立って素敵に感じました。
🌸りんごねぇさん様
若草をふみしめ歩く一歩ずつ
あなたの速度で明日を旅して
また個人的なことになりますが、とても励まされたというか、寄り添って頂けたように感じました。私は他のひとよりゆっくりと歩んでいるので、焦ってしまうことも多々あります。けれど、この御歌で改めて、焦る必要なんてなくて、私は私のペースで今日を、そして明日を一歩ずつ歩いていけばいいのだな、と、ほっとしました。勇気を与えてくれる御歌でした。若草をふみしめて歩く様子は、希望を感じさせてくれます。好きの他に感謝も込めて、選ばせて頂きました。
以上の七名様に、勝手に紫円賞を贈らせてくださいませ。
おめでとうございます、そして、素敵な作品に触れさせて頂いてありがとうございます。
今回何となく七首に絞りましたが、本当に、皆様の作品がどれも素敵で、本心では「選べない!」でした。ライラック杯に感謝です。
ささやかですが賞状のような何かをご用意しましたので、もしよろしければお持ち帰りください。……やっぱりサイズが大きく感じるので、適当にリサイズして頂いて大丈夫です(あと、「おめでとう」の文言などは翻訳機能に頼りましたが、間違っているかもしれないのですみません)。

沢山の「好き」に出会えたことに感謝しつつ、短歌部門の勝手に紫円賞を終わります。
最後にもう一度、どうもありがとうございました!
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