「タト・テツチをしんじるかい」 から広がった空想 〜 「出アフリカ」と人類の旅
「タト・テツチをしんじるかい」
を知ってるかい?
「タト・テツチをしんじるかい」はEテレの
こども向け番組「おかあさんといっしょ」
の2025年11月の月のうたでした。
番組ではだいだい1ヶ月間ずっと放送する
新しい歌があり、
それを月のうたと称しているんですね。
私が最初に「タト・テツチをしんじるかい」
を聞いた時は正直??でした。
だいたいにして 歌詞も意味不明ですしね。
アフリカに住む少年、タト・テツチが
海に行き、海の水を持って帰ろうとしますが、
海はこぼれてしまい
その海の土だけが手に残りました。
タト・テツチはそれをうちに持って帰ります。
そして彼の言葉
「アフリカは海をもっている。
海もアフリカを持っているように」
を信じるかい?と語りかけます。
タト・テツチの名前からわかるように
た行の破裂音、破擦音が
心地よいリズムを作り、
とくにゆういちろうおにいさんの歌う
「タトテツチが言うのには
海はみなこぼれ〜♫」
の部分は聴いていてとても気持ちいいです。
そんな「タト・テツチをしんじるかい」の
パワープレイも終わりということで、
この歌を聞いて感じたことを
書いてみたいと思います。
この不思議な歌詞を聴いて
最初に感じたことは、
ホモ・サピエンスの
「出アフリカ」Out of Africa
がモチーフなのかなってことでした。
タトテツチは海を知り、
海を仲間に伝えた少年という解釈です。
人類は500〜600万年ぐらい前に
アフリカで誕生し、現生人類の誕生以前にも
何度かアフリカを脱出していますが、
アフリカ以外の地で定着することは
なかなか難しく最終的にはみな絶滅しました。
本格的に拡散できたのは
5万年から8万年前の間にアフリカを脱出した
わずか1000人から2500人くらいの集団で、
彼らがアフリカ以外に住む
すべての人類の共通の祖先
であるという風に考えられています。
どこからアフリカを出たかというと、
普通はスエズ地峡を通りエジプトから
パレスチナの方に抜けたのかと思いきや、
エジプトの砂漠を抜けるのが
困難だったことと、そちらはすでに
ネアンデルタール人の勢力圏になっていた
ためにできず、当時氷河期で海退し
陸続きになっていた紅海の南端、
現在のバブ・エル・マンデブ海峡付近を
渡ったのではないかと考えられています。
そこから現生人類はネアンデルタール人
の勢力圏だったヨーロッパ方面を避け、
東のほうに先に展開し、
日本にも4万年前ぐらいには
到達したのではないかと思われています。
いわゆる縄文人と呼ばれる人たちですね。
かつては陸を渡ってきたと
思われていましたが、
最近では海を越えてやってきたのではないか
という説が有力になっています。
今でも沖縄の人の9割近くは
このときのDNAを引き継いでいるのではないか
と言われています。
その後稲作を伝えた弥生系の人達、
さらには馬に乗る文化を持っていた
渡来系の人たちがやってきて
(これは最近の説で、おそらく皇室の
ご先祖たちが含まれています)
彼らが混血していったのが
現在の日本人ということになりそうです。
それにしても「タト・テツチをしんじて」
海を越えたたった1000人から2500人が
世界中に広がったっていうのは結構驚きです。
しかもまだそれから2500〜4000世代ぐらいしか経ってないんですよ。
東へは、ベーリング地峡(現海峡)を越え、
北アメリカにあったという
巨大氷床を乗り越え、
その後パナマ地峡を越え、
南米大陸の南の果てまで到達しました。
西ではネアンデルタール人をうち滅ぼし、
あるいは混ざり合い吸収して、
ヨーロッパを自分たちのものとしました。
島々を伝い、ニューギニアから
オーストラリア、13世紀くらいには
ニュージーランドまで渡りました。
人口80億にも達しました。
これは偉大な奇跡と捉えることもできますし、
単なる偶然の結果と捉えることも
できるのですが、
こうして今生きていることの不思議さ
を思わざるを得ないのです。
ちょっとしたこども向けのうたから、
こんなイメージが広がってしまったので
それをまとめたのでした。
先週の土曜日に書いたんですが、
忙しくて推敲する 間がなく、
今日ようやく仕上がりました。
皆さんの心の中の
「タト・テツチをしんじるかい」
が消えてしまう前に
読んでいただけたら幸いです。
