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感情を言葉にする力(言語化とは聞く力)

「言語化がうまくなりたい」
そんな声を、ビジネスを学んでいる場、
コーチングやカウンセリングの場で、よく聞きます。

「自分の気持ちを言葉にできないんです」
「思っていることはあるのに、口に出すと違うものになるんです」
「ノートに向かっても、途中で手が止まってしまうんです」

言語化、という言葉から多くの人が思い浮かべるのは、
「話す力」
「書く力」
「伝える力」だと思うんです。
私自身も、長いあいだそう思っていました。

でも、いま私は違う結論を持っています。

言語化とは、聞く力です。

出す力ではなく、入れる力。
話す力でも書く力でもなく、聞く力。
もっと言うなら、質問力。
それが、言語化の正体だと考えています。

自分で、自分の話を聞く

聞く力、と言われても、ぴんと来ないかもしれないですね。

言い換えると、こういうことなんです。

言語化とは、自分で自分の話を聞くこと。
自分で自分に、インタビューをすること。

もう一人の自分がいて、その自分がこちらに問いかけてくる。

「いま、どう感じていますか?」
「なぜ、そう思ったんですか?」

そんな内側の会話を、自分の中で起こしていく。
これがそのまま、言語化の実体になります。

スポーツの試合が終わったあと、
アナウンサーが選手にインタビューをする場面がありますよね。
「あの瞬間、どんなお気持ちでしたか?」
「その時、何を考えていたんですか?」

出来事と気持ちを、丁寧に一つずつ聞き出していく。
あの構造を、自分の内側に持ち込むイメージなんです。

出来事に、意味付けを問う

もう少し具体的に書いていきます。

私たちは毎日、たくさんの出来事に触れています。
今日は雨だ。同僚に声をかけられた。
コーヒーの香りがした。
誰かの一言に胸がざわついた。

これは全部、五感から入ってくる情報です。
見た、聞いた、触れた、食べた、匂った。

これが、出来事。

そして私たちは、その一つひとつに、
無意識に意味付けをしています。
「面倒だな」「嬉しいな」「嫌だな」「懐かしいな」
この意味付けが、感情の正体です。

言語化とは、この意味付けを自分に問うことなんです。

「その出来事に対して、私はどう感じたんだろう」
「私はそこに、どんな意味を置いたんだろう」

出来事と、気持ち。
この二つを、丁寧に自分に聞いていく。
それだけで、言葉は少しずつ出てくるようになるんです。

「なぜ」で、小さく深掘る

自分に問うとき、いちばん頼りになる言葉があります。

「なぜ」です。

たとえば、「今日は疲れた」という一言があったとします。
この一言のまま置いておくと、
それ以上、言葉は広がらないんです。

でも、そこに「なぜ」を差し込むと、どうなるでしょう。

「なぜ、疲れたと感じているんだろう」
「なぜ、あの会議のあとから、気持ちが重たいんだろう」
「なぜ、あの人の一言が、こんなに残っているんだろう」

問いを、小さく、小さく重ねていく。
すると、「疲れた」の中に隠れていた具体が、少しずつ姿を現してきます。
「あの人の言葉が、自分の努力を否定されたように感じた」
ここまで来ると、
モヤモヤは「感情」から「言葉」に変わっているんです。

これが、言語化です。

朝ごはんを選ぶ、自分に問う

私は、この練習をずっと日常の中でやっています。

朝、コンビニに寄って、朝ごはんを選ぶ。
ピザパンを手に取ってレジに向かう。
この一連の動作は、たぶん一分もかかっていません。
ほとんど無意識です。

でも、そこで一度立ち止まって、自分に問うんです。

「なぜ、今日はこのピザパンを選んだのか?」

すると、いろいろな声が返ってきます。
「新発売のシールが目に留まったから」
「昨日の夜がご飯物だったから、パンが食べたかった」
「他に食べたいものがなかったから、消去法で選んだ」

無意識の選択には、必ず理由があります。
その理由を、自分にインタビューして拾っていく。
この繰り返しが、そのまま言語化の練習になっているんです。

大きな出来事じゃなくていいんです。
朝ごはん、
通勤路、
目に入った看板、
本屋で足が止まった一冊。

一日の中に、聞ける材料はいくらでもあります。

出す前に、聞く

言語化がうまくなりたいと思ったとき、
私も以前は「うまく話す方法」
「うまく書く方法」を探しに行っていました。

でも、出す力の前に、聞く力があるんです。

自分の中で何が起きているのかを、自分で聞いていない。
そのままで「うまく話そう」としても、
当然、言葉は詰まります。

何もない場所からは、
何も出てこないからです。

だから、まずは聞くこと。
自分で、自分に問うこと。
その問いに、小さく答えていくこと。

言語化とは、聞く力です。
そして、聞く力を育てるいちばん近い場所は、
いま、あなたの内側にあるんです。


このnoteでは、心が疲れたとき、迷ったとき、
そっと開けるような言葉を、書き留めています。

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<おまけ>|【エッセイ】より。
よければ、聞いてみてください✨
【第四弾:歌ってみた】
恋に落ちて-Fall in love- 小林明子

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