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「疲れてないけど…お疲れさま?」日本の職場挨拶に戸惑った話

日本の職場でよく耳にする「お疲れさまです」という挨拶。最初にこの言葉を耳にしたとき、正直、少し戸惑った。「疲れてるって言われたけど、別にそんなに疲れてないんだけどな…」と感じたり、疲労を表す言葉がなぜ挨拶に使われるのかが不思議だったからです。

たとえば、日本に来て間もない頃、会社の先輩とお手洗いでばったり出くわしたことがありました。香港では、特に決まった挨拶はなく、すれ違う際に軽く会話を交わすくらいです。しかし、先輩とはまだ知り合って1週間ほどで、何を話せばいいのか内心あわあわしていたところ、「お疲れさま」と声をかけられました。そのとき、何を返すべきか一瞬迷ったものの、結局声が出せず、頷いてやり過ごしたのを覚えています。日本では、この挨拶が当たり前のように日常の一部になっているのだ、と知った瞬間でした

また、数分前まで隣の席で無言で仕事をしていた同僚と、廊下ですれ違ったときも「お疲れさまです」と声を掛け合う場面がありました。「え?さっきまで一緒にいたのに、また改まって挨拶するの?」と戸惑いましたが、次第にこれは相手に疲れをねぎらうだけではなく、相手との距離感を適切に保つための一種の「礼儀」だということがわかってきました(調べました)。

たとえ短時間ですれ違っただけでも、お互いを認識したうえ挨拶を交わすことで「気遣っていますよ」「仲間として認識していますよ」というメッセージを示しているようです。これは、日本の職場文化に根付いた、互いに配慮し合う習慣を表しているのかもしれませんね。

要するに、「お疲れさまです」は単なる挨拶にとどまらず、相手との関係性を保つための重要なツールでもある、ということです。それでも、「隣り合っているときはどうすればいいの?」「毎秒挨拶するの?」「席の周りではしなくて、席から離れたところならするの?」など、まだまだ疑問は残ります。

さらに、外部向けのセミナーが社内で定期的に開催され、社外の方が出入りするような職場では、誰かとすれ違いざま「お疲れさまです」と挨拶するべきか、社外の方には「こんにちは」が適切なのか、いつも迷ってしまいます。社内の人には使えるけれど、社外の人にはどうなのか。

互いに気を遣ったり、仲間意識を示す言葉なら、社内の人にだけ使うのが適切なのかもしれません。いや、でもそれ以前に、すれ違った相手が社内の人なのか社外の人なのかも、私にはなかなか区別がつかず、その曖昧な境界線を手探りしながら、毎日挨拶を間違えないようにと、必要以上に気を張ってしまうこともよくありました

しかし、最初は戸惑った「お疲れさまです」という言葉が、今では接点の少ない同僚に声をかけるきっかけにしたり、大変なプロジェクトを進めている他部署の方へのエールに使ったりと、私にとって欠かせないコミュニケーションツールになっています。この挨拶には、単なるねぎらいの意味だけでなく、相手への思いやりや配慮が含まれていることを、今ならしっかりと理解しています。

もしかしたら、「お疲れさまです」を使いこなせてこそ、日本の職場文化に本当に馴染んだ証なのかもしれませんね。


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