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座って本を読んでいただけなのに、首を寝違えた人の話|ある日のCiTTa

こんにちは、しほです。

鍼灸師でメガネ屋さん。
イノチグラス目育士。

東京・自由が丘の「はりきゆうCiTTa」を拠点に、
鍼灸と視覚の両面から、目・脳・身体を調えるご提案をしています。

首・肩、腰、食いしばりも観察するメガネ屋です

メガネを作りに来たのに、
首や肩、腰、食いしばりまで診るんですか?
そんなふうに驚かれることがあります。

私たちは、全身で、視ている。

全身で、感じている。

そう考えているからです。

首。
肩。
食いしばり。
重心。
歩き方。

そして、その人がどんな毎日を送っているのか。

鍼灸院が作るメガネ屋さんだからこそ、
生きることと、視ることを、一緒に考えたいのです。

今日は、
そんなイノチグラスづくりの中で出会った、
あるご家族のお話です。

家族のために、まず自分がイノチグラスを。

イノチグラスに興味を持ったきっかけは、
うつ病と診断されたご家族でした。

CiTTaのホームページにある、
「みるーがんばり=心地良い毎日」
という言葉に惹かれたそうです。

ご家族にも勧めたい。

でもその前に、まずは自分で試してみたい。

眼精疲労も年々つらくなってきたし。

人生で、はじめてメガネ。

ご家族への想いが伝わってきました。

左側がずっと緊張している

目は、とても素直でした。

年齢相応の頑張りはあるものの、
眼の動きも、
両眼視も、
とてもきれい。

でも、身体は少し違う。

左側の首から胸元につながる細い筋肉
張りつめたように緊張していました。

その影響が、肩や背中へ。

読書が大好きな女性。

本を読む姿勢が原因?
それだけとは思えませんでした。
もっと他にも負担があるはず。

起きてるのに「寝違え」になることってある?

「首が痛くなることはありませんか?」

そうお尋ねすると、
少し驚いたような顔をされました。

「あります。」
「読書をしている最中に、急にビキッとなることがあるんです。」
「寝てないのに、寝違え?みたいな感じ」
「そうなると、二、三日は痛くて。」

毎日ではない。

でも、
忘れた頃にやってくるそうです。

「背中の力がスーッと抜けた」

視機能チェックから、続いて、カラーバランステストです。

色は、光です。

光を受け取る視細胞には個性があります。

情報処理が得意な光と、苦手な光。

それは人によって違う。
それこそ、右目、左目で違う。

イノチグラスのカラーバランステストでは
得意な光、苦手な光を探して、
光を最適化するご提案をしています。

この方にとって、得意な光はピンク。

早速、薄いピンクのカラーレンズをお試しいただきました。

すると、何度も確認するように
レンズを付けたり、外したり。

「えっ?」

「世の中って、こんなに眩しかったの?」

本人も気づかないまま、
ずっと眩しさを我慢していたようでした。

そのまましばらく、
窓の外を眺めたり。
本を読んでみたり。
普段と同じように過ごしていただきます。

そして、

ぽつりと。

「あぁ……」

「わたし、

ずっと緊張してたんだ。」

文字通り、
肩の荷が下りるように、
背中がスーッとラクになったそうです。

光を最適化するだけで、
こんなにも身体は変わるんだ。

「これなら家族にも勧めたい。」
「今度、一緒に連れてきます。」

そう笑ってくださいました。

守りたい想いが左にあった

ひとつだけ、気になることがありました。

読書をするとき、
どこで読んでいますか?

お気に入りのソファ。

文庫本のときは、肘掛けに肘を置いて読む。

ハードカバーは、ダイニングテーブル。

でも、首が痛くなるのは、
どちらの場所でも起こるそうです。

本の重さだけではない、理由がありそう。

「左側、もしくは左後ろには、何がありますか?」

すると、少し考えてから、

「あっ。」

「そっか。」

と教えてくれました。

そこは、
うつ病で休職し、
復職したばかりのご家族が過ごす部屋でした。

まだ、ゆり戻しもあり、体調は安定していませんでした。

「私ね。」

「たぶん、ずっと気配を窺ってるんだと思う。」

「聞こえてくる音や声に、過敏に反応しちゃうことがある。」

「ホッとしたり。心配したり。」

かつて、診断は受けていなかったけれど、
彼女自身も、頑張りすぎてしまった時期があったそうです。

心が苦しくなると、身体も苦しくなる。

その経験があるからこそ、
「頑張りすぎなくていいよ。」
そう伝えたい。

家族が何か困ったときは、
すぐに手を差し伸べられるように。

だから身体は、
本を読んでいても、
家族の気配を感じ続けていたのかもしれません。

安心の種

それから三か月後。

ご家族と一緒に、
イノチグラスを作りに来てくださいました。

帰り際、こんなお話をしてくださいました。

「彼女の話を聞いて、
全身使ってサポートしてくれたんだなって、
感謝しかありません。」

それから、家族との会話が変わったそうです。

お互いの身体の感覚。
お互いの感じ方。

何に安心して、
何に緊張するのか。

そんな話をする時間が増えました。

一緒に家事をしたり。

調子の良い日は、
スーパーへ買い物に出掛けたり。

少しずつ。
少しずつ。

新しい日常が戻ってきました。

そして、
最後に、
こう話してくださいました。

「イノチグラスを作る前から、
安心の種が芽生えてたんじゃないかな。」

「うん、そうだね」
「その後、首もまったく痛くならないの。」

安心すると、身体は教えてくれる

安心は、
ある日突然やってくるものではないのかもしれません。

身体で起きていることを知ること。

自分でも気づかなかった頑張りに気づくこと。

誰かと身体の感覚について話せること。

「ずっと守っていたんだね。」

そんな、相互理解が生まれること。

小さな安心が、少しずつ身体をゆるめていく。

首は、本を読んで痛くなったわけではありませんでした。

あのとき身体は、
今日も大切な人を守ろうとしていたのかもしれません。


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