見出し画像

私の見やすいは、みんなの見づらい。|視ること、身体のこと

こんにちは、しほです。

鍼灸師でメガネ屋さん。
イノチグラス目育士。
東京・自由が丘の「はりきゆうCiTTa」を拠点に、
鍼灸と視覚の両面から、目・脳・身体を調えるご提案をしています。

今日は、
あるご家族との出来事をご紹介します。

目育、目を育てるワークショップ

きっかけは、
お母さんが参加してくださった
「目育ワークショップ」でした。

お母さんは助産師さん。
そして、
発達支援に携わるお仕事もされています。

とある、療育スタジオが主催くださり
目と体、発達の観点から
遊んで学ぶスタイルのワークショップでした。

光の感度には個性があること
視力だけでなく、視線にも個性があること(視機能)
「視る」が変わると、身体にも変化が起こること

を、実際に体感していただきました。

このワークショップが面白いところは
はじめまして同士の距離が一気に縮まるところ。
体験すると
「違い」を共有したくなって止まらなくなるんです、皆さん。

ゲームのたびに起こる、小さな論争。

ワークショップが終わったあと、
話しかけてきてくれた女性。

ワークショップの感想からはじまり
ご家族のとある風景について
共有してくれました。

お父さん、お母さん、中2のおねえちゃん、小4のおにいちゃん。
4人家族です。

毎週ではないけれど、
週末にゲーム大会が恒例になっているそう。

モニターにゲームの画面を出すと
毎回必ず小さい争いが起こる。

「明るすぎる。」
「暗い。」
「この色は見づらい。」
「コントラストがおかしい。」

今までは、
ただ好みが違うだけ。
そう思っていた。

でも、
ワークショップで
見えている世界は、人それぞれ違う
ことを知って、体感した。

そこて、お母さんの中で、
一つの考えが浮かびました。

「もしかしたら、
家族みんな
見えている世界
そのものが違うのかもしれない。」

お母さん目育探偵、登場

それから、
お母さんは
家族が見ているものについて
観察してみることにしました。

帰宅したその日。
中学生のお姉ちゃんが
ダイニングテーブルで
iPadを使って宿題をしていました。

お姉ちゃんの学校は
授業のテキストや宿題も
iPadを介して提供されるそうです。

画面をのぞくと、
白い背景に、
水色の文字。

えっ!とびっくり。
大抵、白い背景に黒い文字よね?

「これ先生が作った資料?」
お姉ちゃんに尋ねました。

すると、
「違うよ!
先生から元ファイルもらって
自分で見やすいように変えてるの」

後日お姉ちゃんに見せてもらったiPad画面を再現しました!

ものすごいびっくりしたそうです。
こんなに見え方って違うのね!、と。

そして、お父さんも。

ワークショップの話と
お姉ちゃんのiPadの話を
ご主人にすると、

「実は俺も。」

仕事用のメガネに
薄いブルーのカラーレンズを使っていると。

メガネ屋さんで
ブルーライトカットレンズを勧められたとき
なんだかしっくりこなくて
他のカラーレンズを試してみた中で
青が一番楽だったそう。

「でも、
どうして楽なのかは、
考えたことなかったなぁ。」

それなら一度、
ちゃんと調べてみよう。

そんな流れで、
ご家族みなさんが
CiTTaへ来てくださいました。

同じ家族でもみんな違う

イノチグラスでは
カラーレンズをご提案しています。
なんでかというと。

なぜなら。

私たちの目は
光を視ています。

そして、
光は色です。

光の感じ方は、
身体の反応ともつながっています。

色を通して見え方が変わると、
姿勢、呼吸、思考。
無意識のうちに起こっている生理的な反応が、
静かに変わっていきます。

ご主人。
お姉ちゃん。
それぞれに、
体幹バランスがしっかり安定する
光(カラー)が見つかりました。

そして、小学4年生のお兄ちゃん。

ワークショップの話には
あまり興味を示さなかったそうです。

でも、実際に測定すると、
誰よりも大はしゃぎ!

選ばれた色は、イエロー。

「めっちゃ楽!!!!!」

楽なんて、どうしてわかるんだ?
どう楽なんだ?
と、お父さんが尋ねると

「だって白い紙って、眩しいじゃん。
俺は勉強嫌いなんじゃない
眩しいのがイヤだったんだ」

教科書も。
プリントも。
白い紙は眩しいもの。

みんなも自分と同じで我慢してるんだと思ってたそう。
だから自分も我慢しなきゃ、と。

お母さんは、ピンク。
お父さんは、グリーン。
お姉ちゃんは、ブルー。
お兄ちゃんは、イエロー。

家族でもこんなに違うんだもん。
みんな違って当たり前なんだね、と
イノチグラスが完成しました。

私の普通は、みんなの普通じゃない

このご家族から、
私たちも改めて教えていただきました。

伝えたいのは、
「みんな違います。」
ということではありません。

自分の普通は、
相手の普通じゃない。

「普通」
つい使ってしまう言葉ですね。

「普通さ、○○○だよね?」とか。
つい出ちゃう、気持ち。

今回は、
視覚、視機能の話ですが、
自分と違う選択や判断に出会ったとき
そこには今回のように
身体の仕組みが背景にあるかもしれません。

あれから

あれから半年ごとに、
ご家族みなさんで
調整に来てくださいます。

お兄ちゃんは、
会うたびに
背がぐんと伸びています。

お姉ちゃんは、
文字色を調整する手間が減って、
「タイパが上がった!」
と笑っていました。

お父さんは、
最近ゲームで
子どもたちに勝てないそうです。

相変わらず、仲良しなご家族です。

「見える」は、視力だけじゃない

見え方が変わると、
視生活が変わる。

視生活が変わると、
暮らしが変わる。

暮らしが変わると、
人生が変わる。

「見える」は、
視力だけの話ではありません。

この記事を読んでくださった方も、
家族や身近な人を思い浮かべながら、

「この人には、
どんなふうに見えているんだろう。」

そんなことを、
少しだけ考えるきっかけになったら嬉しいです。


いいなと思ったら応援しよう!