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ブレーキがかかったような重心の話|ある日のCiTTa

こんにちは、しほです。

鍼灸師でメガネ屋さん。
イノチグラス目育士。

東京・自由が丘の「はりきゆうCiTTa」を拠点に、
鍼灸と視覚の両面から、目・脳・身体を調えるご提案をしています。

不調がなくても鍼灸に通う人

ケンジくんが、10年近く担当している患者様がいます。
(ケンジくんはCiTTaのもう一人の主宰人。
ファンをたくさん抱える、CiTTa自慢の鍼灸師です。)

会社を経営しながら、
ご自身もプレイヤーとして現場に立つ方。

とにかく、判断が早い。

好奇心旺盛で、
面白そうと思ったら、まずやってみる。

身体を動かすことも大好きです。

フットサルのサークルを運営していて、
ゴルフ。
たまに、登山。
毎日のランニング。

鍼灸院に通う人というと、
どこか具合が悪い人。
そんなイメージを持つ方も多いかもしれません。

でも、CiTTaには、
元気に仕事も遊びも続けたい。
しんどくなる前に、調整しておきたい。

そんな理由で、定期的に通ってくださる方もいます。
彼もそのひとりです。

膝になんか違和感がある

この日も、
大きな不調があったわけではありません。

その中で、ひとこと。
「膝がちょっと変かも」
「一応、整形外科行ったけどなんともなかったんだ」

痛いわけではない。

でも、
なんとなく気になる。

そんな違和感だったそうです。

腰やハムストリングの張りは少し強め。

もう少し細かく、
全身の状態を確認してみました。

重心は、かなり後ろにあった

CiTTaではインソール制作もしています。

身体のバランスは全身で支えて、調整している。
そして、その重さは足の裏へ繋がっていく。

CiTTaでは足裏のどこに重心が乗っているか、
可視化するシステムを導入しています。

ケンジくんが気づいたのが、
「重心が、めっちゃ後ろになってる」
「足指がうまく使えていない」
ということ。

以前のデータと比べても、
明らかに後ろへ移動していました。

膝の違和感は、
この重心の変化と関係がありそうです。

変わっていたのは、膝だけじゃなかった

重心の結果をシェアしながら、
ケンジくんがもうひとつ発見したことがありました。

重心の画像をタブレットで見ていただいている時。

腕を伸ばして、
タブレットを遠ざけている。
身体を少し後ろへ逃がしている。
視る距離も、以前とは違う。

長く診ているからこそ気づく、
小さな変化でした。

「もしかして」

近い距離を見る視力をチェックしてみると
近くを見る力が落ちていました。

いわゆる老眼です。

視えないわけじゃない。
なんとかなる。
探せば、ほど良い距離があるから、
なんとかなる。

老眼という、
近くが見えづらくなる変化は、
気持ち的に
なかなか受け入れにくいことが多い。

なんとかなるだろう、と過ごしているうちに、
身体の方が先に、
別の方法で調整していたのかもしれません。

「なんとかなる」の代償

近くが視えづらくなると、
本やスマホを少し遠ざける。
タブレットとの距離を取る。
腕を伸ばす。
身体を少し後ろへ引く。

そんな姿勢へ変化します。

本人にとっては、
ほとんど無意識です。

でも、
近くを視るために、
身体全体で距離を取っている。

そう考えると、
後ろ重心になっていたことも
膝の違和感も
ある意味、
今の生活を送るために
身体が最適化した結果。

ただ、残念なのは、
その最適化は
身体にとって楽な方法ではありませんでした。

「なんとかなる」はダメだね

患者様のご希望で、
足裏はインソールの再調整。
視る環境にはイノチグラス。

身体にかかっていた負担を、
それぞれの入口から調整していきました。

すると、彼は笑いながら、
「間違いなく、こっちの方が楽だ」
「なんとかなる、はダメだねー!」
「負担かけてたわー!」
と話してくれました。

さらに後日、
「あきらかに疲れが減ってきたよ」
「無理してたんだね、自覚なかったよ」
とも。

今まで通り走れている。
仕事もできている。
動けている。

なんとかなるから、大丈夫。
そう思っていても、
身体は先に気づいていることがあります。

身体は、先にブレーキをかけていた

ブレーキがかかる、というのは、
前に進む力がなくなることではありません。

むしろ、
前に進もうとする力はある。

気持ちもある。

思考も前向き。

でも、
身体はどこかで、
「ちょっと待って」
と留まろうとしている。

今回それが現れていたのが、
後ろへ下がった重心でした。

膝の違和感も。
近くを見るときの姿勢も。
後ろへ移動していた重心も。

全身からの小さなメッセージだったのかもしれません。

重心は、よく語る

重心には、
その人の身体の使い方や、
無意識の工夫が表れます。

だからCiTTaでは、
重心をよく観察します。

前へ進む力がなくなったわけじゃない。

むしろ、
前へ進みたい気持ちは十分にあった。

だからこそ、
身体が先に気づいていたのかもしれません。

身体はときどき、
本人より少し早く、
変化に気づいていることがある。

ブレーキがかかったような重心は、
止まれ、ではなく、
少し身体を見てほしい、
というサインだったのかもしれません。


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