深夜2:50。「死にたくなったら、俺を見ろ!」だから今日も、生き延びる
別に。
死にたくなんかない。
でも。
いっそいなくなりたい。
ちょっと人生、休憩したい。
そんな気持ちになることは、きっと一度や二度じゃなかった。
それは、誰しもが同じじゃないだろうか。
これまで生きてみて、生きづらい環境に出会うことがあった。
気難しい人間に対峙することもあった。
「なんで私ばっかり」とその人生を悲観する日々があった。
それでも人は生きねばならないのだ。
と、誰に言われるでもなく、きっとすべての人は多かれ少なかれ、思っている。
でも。
「いつかこの人生は終わるのだ」と知った、そのときから。
──終わらせてみようか。自分で。
そう思うことが、あなたは、なかったろうか。
幸いなことに。
私は、臆病者だった。
だから、その選択肢はとらなかった。とれなかった。思うことさえできなかった。
「このままいなくなるのは絶対に無理、悔しい」とさえ思った。
図太く、生き延びてきた。
でもきっと。
ある種、「勇気ある者たち」にとっては。
きっとその選択肢が、わりと身近な存在として、いつでもその手に握られていることも。
知っている。
日曜日深夜2:50の、叫び。
日曜日深夜2:50。
この時間帯はなにかというと。
そんな「勇気ある者たち」が。
人生最大にして、最後の勇気を振り絞ってしまう……
「終わらせる勇気」をその手で導き出してしまう……
その数が、一週間の中でも最も増加する時間帯だ。
YouTubeの視聴者数を考えれば、最もハズレな時間帯。
そんな時間にあえてその人は、画面の奥で叫びだす。
「死にたくなったら、俺を見ろ!笑え!!!」
そう言って。
あるときは、身体を張って打ち上げ花火をぶっぱなし。
またあるときは、マックの人気商品を「犬の餌」と表現して話題になったり。(マックはおいしいです)
あるときは、とんでもない赤字をたたき出しつつも、ただひとつ、「あたおか」のために。
エガフェスを立ち上げて思い切った夏を過ごしたり。
そしてあるときは、大事なところにアツアツなクスリを塗って大悶絶したうえ、Youtubeの審査に落ちて収益を得ることができなくなっていたりする。
「大の大人が。なにをやってんだ」
「それは言っちゃいけないやつ」
「下ネタじゃねえか!」
そう言って、私たちは笑う。
いったい、何を見せられているのかと。
そして、ああくだらないくだらないと言いながら
「ああ。面白かった」
笑ってでてきた涙をぬぐって。
ああ、これを観たら明日も、笑えるかもしれない。
そんな気になってくるのだ。
「抱かれたくない男No.1」
かつて。自分が小学生ほどの頃からも。
彼のことは毎週のように観ていた。
でもその時の感情は、こんなものではなかったよなと思う。
当時、クラスの多くの人間が観ていたであろう『めちゃ×2イケてる!』で。アイドルが出てきて当時の人気企画に参加したり、ドッキリにしかけられたり。そうしてキャッキャウフフしていると、決まって最後に現れるのが、江頭2:50その人だ。
「キョエエエーーーーーー!!!!」
発狂しながら、当時の人気者たちをなぎ倒していくサマは、小学生の私にとって面白さよりも怖さが勝った。
「いじめないで!」
当時、大好きだったモー娘。のメンバーに絡んでいく彼を見て、私は心の中で叫んでいた。最終的にはレギュラーメンバーやゲストに彼がなぎ倒されて終了……という流れがわかっているにしても、だ。暴力的なものを見るのは好きではなかったし、それは今もそう。
「抱かれたくない男No.1」
結果、いつしか彼の代名詞となったその言葉。
それはいつまでも彼につきまとっていくものだと、きっと当時の誰もが信じて疑わなかっただろう。
「江頭2:50」から、「エガちゃん」そして、「あたおか」へ……
そんな「江頭2:50」その人を、私はいつしか
「エガちゃん」として意識するようになった。
それは2011年3月。
東日本大震災でのニュースを目にしたときからだ。
彼が単身、地震の混乱真っただ中の福島に物資を届けにいったという話は、きっと多くの人が知っているのではないだろうか。
その当時の裏話を動画では語っている。
震災発生後に自宅で見ていたNHKのニュースで、トラックが津波の影響により先に進めず、物資を届けることができないと聞いたエガちゃん。
「俺が行くしか、ねえだろ!!!!」
そう思い立ったエガちゃんは知り合いのツテをたどり、2トントラックを自ら借りて、現地に飛び出していったこと。
物資の調達のためコストコに連絡し、そこの偉い人に交渉の末、お金はかかるけれど、全部持って行ってください。と、物資を準備してもらえたこと。
震災からわずか10日ほどの、日本中が大混乱の最中で、一人で行動を起こしたこと。
「エガちゃん……?」
そして当時、被災していた人にバレて声をかけられると。
「アコムで、お金かりてきたんだよ! もう、営業妨害だよ!」
そう言って、笑って去っていったという。
彼のこの男気溢れるエピソード。
「エガちゃん」
その人に惹かれるのに、それ以上の理由は必要ないだろう。
そしてさらっと。
今も福島にやってきては、買い物をして地域発展に貢献する。
「エガちゃん!あのときはありがとう!」
お店の人やすれ違う人。
福島のみんなが口をそろえて言う中で。彼は
「なんにもしてないよ」
と返す。
余計なことは言わない男。
かっこいいんだよなあ。
───たびたび、大事なところは、出しちゃってるけど。
エガちゃん×子ども=涙
あ。でも、エガちゃんの名誉のために(?)補足しておきたい。
エガちゃんねるは、子どもといっしょに観ていても楽しめる動画もたくさんある。
エガちゃんは本当に子どもが好きだ。
地元の子どもたちと楽しそうに交流している姿もたびたび動画では観ることができる。中でもとくにオススメなのは、ブリーフ団D(藤野ディレクター)の息子「ふじまる君」と関わっている動画だ。
自分の子どもでもない、友人の子どもと関わるおじさんの動画。
それだけのはずなのに。涙が出てくるほど尊いのだから、不思議だ。
動画のラスト。
エガサンタさんからもらった凧をあげる、エガちゃんとふじまる君。
何度も何度も、凧をかかげて走るふたり。
「ふじまる~~~~!!!走れ~~~~!!!!」
息も絶え絶えに、青空の下を駆け出すおじさんと男の子。
「わあ、すごい……すごい……!」
撮影している父、藤野Dが泣きながらカメラを構えているのが、伝わってくる。
どうしてこんなにも尊いのだろう。わからない。
きっとそれは。画面からあふれ出してくる、そのやさしさの連鎖が。
観ている自分の元にも届いてくるからなのだろう。
さらに、デンジャーな彼の挑戦を目に焼き付けたい人には、彼の「挑戦シリーズ」(勝手に命名)をオススメしたい。
うちの子どもたちはエガちゃんのチャレンジを何度も何度も観て、結果も知っているのにいつも全力で応援している。
辛いのも大食いも苦手な「少女の胃袋」を持つエガちゃんが、完食者0の「無限」に挑戦するサマは、こっちまで喉がカラカラになっちゃうくらい、アツい戦いだ。
最近は、この「江頭VS人食いサメ」の動画を観て
「うわ。うわわ。……わ、うわわわわあアアアア~~~~~~!!!!!」
と、2歳になった三男も巻き込んでの大騒ぎ。
すっかり、我が家全員「あたおか」なのである。
Youtubeのリモコン争いに関しては、我が家はそれはもう戦争だ。
最近はしっかりそこに三男も加わり、誰がなにを観るかで大揉め。
しかし。
「エガちゃんなら、いいよ!!!」
と、子どもたちから謎の許しを得ることもしばしば。
ということで、エガちゃんねるは、しいも一家の安寧もすでに担ってくれているのである。
ありがとう……エガちゃん……(佐賀、そして中野のあたりはこの辺かなあ、と適当な空を見つめながら)
※ただし、Youtubeの審査に落ちるレベルの動画に関しては、夜中にひっそりと大人だけで楽しんでください。(笑)
「エガちゃんねる」の声は、あなたにも届く
やりたいことをやる。
自分自身が楽しむ。
欲望に忠実で、でも本当はとっても真面目で。
そんな彼の姿を見て、人は笑うことができる。
でも彼のその真髄には、この「深夜2:50」という時間がやはり、重要なものとして位置づけられている。
彼の動画が公開される真夜中。
その時間まで眠れぬ夜を過ごしている人の中に、
明日も生きる意味を見出せない人が、きっといるだろう。
それをきっと、彼は知っている。
「この動画観ているやつ。昔の俺みたいなのばっかなんだよ」
彼は言う。
だからこそ、彼はこのYoutubeの仕掛け人である藤野D(通称ブリーフ団D)とYoutubeの方向性を話し合った際。
「日曜深夜2:50。この時間帯の公開は外せない」
そう宣言するに至ったのだと思う。
「死にたくなったら、俺を見ろ!笑え!死ぬのがバカバカしくなるから!」
エガちゃんはそう言って「あたおか」を励ます。
「あたまのおかしいやつら」なんて、愛のこもったとんでもないニックネームを仲間につけてくれる。
これを見ているあなたは「あたおか」じゃないかもしれない。
でも、彼のこのメッセージが胸に響いていたとしたら。
きっとすでに、あなたも立派な「あたおか」なのだと思う。
大人のお店が大好きで
ときに下ネタがすぎて動画が炎上し
若い子に本気で恋をしてはフラれて爆破される。
こんなおじさんの言葉が響くだなんて。
あなたも私も、本当にどうかしている。
だから、今日も明日も生きられるのかもしれない。
そういうことにしておこうじゃないか。
きっと我々は、あたまがおかしいのだ。
だから生きていけるのだ。
この記事をエガちゃんへ。
ならびに、ブリーフ団、藤野D。
そして、親愛なる「あたおか」たちに、捧げます。
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