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帰り道に残った、カフェーの時間

ページを閉じたあと、
読み終わったばかりの本が
まだ手の中で、ぬくもりを残しているようでした。

「カフェーの帰り道」。
大正時代のカフェーの様子や街、家の様子、
そこで働くさまざまな女給たち、
そこで出会うさまざまな人たちや、その家族。
文字を追うたびに、
知らないはずの時代に、
そっと連れて行かれるような感覚がありました。

文章中の描写が、
想像の余白を残してくれて、
気づけば私は、
物語を“読んでいる”というより、
そこに“居る”ような心地でいました。

静かに時間が流れていく。
その中に身を置けたこと自体が、
とても贅沢だったように思います。

読み終えた今、
胸の奥に残っているのは、
はっきりした感想というより、
言葉になる前の、やわらかな余韻です。
「ああ、いい時間だったな」
そんなつぶやきに近いもの。

今回は、友人と一緒に同じ本を読もう、と始めた読書でした。
同じ本を、同じ時間に読む。
それだけで、
本との距離や、味わい方が
こんなにも変わるのだと思いました。

ひとりで読む読書も好きだけれど、
どこかで誰かも同じページをめくっている、
そんな気配があることで、
物語の世界が、
現実とゆるやかにつながっていた気がします。

この読後感を、
また味わいたい。
きっと何度も、
帰ってくることになる一冊。
そんな本に出会えたことが、
静かに、うれしい日曜日です。

もしよかったら。
あなたが最近、
「物語の中に居た」と感じた時間は、
どんな読書だったでしょうか。

読み終えたあとに残る余韻を、
すぐに言葉にしないまま、
胸に置いておくとしたら。
どんな感覚が、そこにありますか。

今日は、答えを探さずに。
そのまま、
カフェーの帰り道を歩くような気持ちで。

※イラストは、大正時代の雰囲気を想像しながら作成しました。

#読書 ×問い



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