この瞬間を残したくて
春の空。
時間によっても、日によっても異なり
いろいろな表情がみえる。
その景色にふと目がとまって、
気がつくと、iPhoneのカメラを向けていた。
この空を、おさめておきたい。
この光のやわらかさを、忘れたくない。
そう思うと同時に、少しだけ立ち止まる。
どこを切り取ろうか。
どの角度なら、この静けさが残るだろう。
少しだけ体を傾けたり、しゃがんでみたり、空の余白を広くとってみたり。
ただ「撮る」だけじゃなくて、
「どう見るか」を探している時間が、思っていた以上に楽しい。
ページをめくるように景色を眺める感覚に、どこか似ているなと思った。
本の中で、気になる一文にそっと指を置くみたいに、
目の前の景色の中から、自分の心が触れたところを選んでいく。
きっと、同じ空を見ていても、同じ花を見ていても、
選ぶ場所は、そのときの自分で少しずつ違う。
だからこそ、残したくなるのかもしれない。
あとから見返したとき、
そこに写っているのは、景色だけじゃなくて、
そのときの自分のまなざしや、呼吸のリズムのようなもの。
うまく撮れたかどうかよりも、
「ここに心が動いた」という痕跡が、そこにある。
そんなふうに思うと、
シャッターを押す前の、ほんの数秒が、少し愛おしくなる。
もしよかったら、
いま、あなたが残したくなる景色は、どんなものだろう。
その中で、どこに心が触れているのだろう。
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