手書きの時間が、もう一度わたしの中で動き出した
静かな机に向かって、
ペン先を紙に置く。
その瞬間の、
ほんのわずかな緊張と、
少しだけ整う呼吸。
私は昔から、
「書く」という時間が好きでした。
小学生のころから高校生まで、
週末になると書道教室へ通っていました。
毛筆も、硬筆も。
どちらもずっと続けていました。
先生が書いた見本を見て、
その形を真似して書く。
同じように書いているつもりでも、
どこか少し違う。
もう一枚。
もう一枚。
納得いくまで書いてから帰る。
その繰り返しが、
なぜかとても好きでした。
書くことそのものも好きでしたが、
教室へ向かう時間もまた、
楽しみのひとつでした。
週末のバス。
窓の外をぼんやり眺めながら、
今日はどんな字を書くんだろうと考える。
あの時間も、
私にとっては
静かな準備の時間だったのかもしれません。
大人になるにつれて、
文字を書く機会は少しずつ減っていきました。
仕事でも日常でも、
パソコンやスマートフォンを使うことが増えて、
「手で書く」という時間は
気づかないうちに遠くなっていました。
そんな中で出会ったのが、
グラフィックレコーディングでした。
話を聞きながら、
言葉を拾い、
文字やイラストにして、
形にしていく。
その面白さに触れたとき、
ふと、昔の感覚が戻ってきたような気がしました。
ああ、
私はやっぱり
「書くこと」が好きなんだ。
今は、
紙と筆ではなく、
iPadとApple Pencil。
ブラシの種類を変えたり、
色を変えたり、
太さを変えたり。
一本のペンで、
いろいろな表現ができる。
昔とは道具が変わったけれど、
文字を書くときの
あの小さなワクワクは
どこか同じままです。
むしろ、
勉強すればするほど
「もっと知りたい」が増えていく。
文字の形。
線の流れ。
余白の取り方。
そして何より、
その文字で
「何を伝えたいのか」。
書くことと、
描くこと。
その両方を、
これからも楽しみながら、
少しずつ深めていけたらと思っています。
もしよかったら、
少しだけ立ち止まってみてください。
あなたにとって、
昔好きだったことは
何でしょう。
そして今、
もう一度触れてみたいものは
ありますか。
もしかしたら、
その中に
今の自分につながる
小さなワクワクが
眠っているのかもしれません。
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