なぜメールのマークは「ダイヤ貼り」なのか?
封筒には(ざっくり言って)2種類ある
封筒には、カマス貼りとダイヤ貼りの2種類があります。

カマス貼り

二つ折りにした紙の両側を糊(のり)で貼り合わたのが、カマス貼り。カマスは、「叺(かます)」が由来。これは昔の土のうで、このようなものです。

なるほどそっくりです。英語では何というのかと言うとSquare flapです。糊付けする場所が封筒のはじっこになるため、あとから印刷することが少し容易になります。平らな場所が多いからです。紙の取り合わせも経済的。ではなぜ、メールのマークは、このカマス貼りじゃないのでしょうか?
ダイヤ貼り

こちらがダイヤ貼り。なぜダイヤ貼りというのかというか、展開するとダイヤモンドの形になるからです。

貼り合わせする場所がこのように封筒を斜めに横切っているので、既製品には印刷がしづらいです。そしてちょっと作るのが大変。そして紙の取り合わせが悪い。つまり「手間と金がかかる」。これがダイヤ貼り。メールのマークになっているのは、こちらのタイプの封筒です。そしてこのダイヤ貼りのほうが、フォーマルな封筒です。銀行や冠婚葬祭の案内や挨拶、そして請求書にはこちらを使うことが推奨されます。ちなみにこちらは英語でもDiamond flapと言います。そのほかにBaronial(男爵の)とも呼ばれます。
なぜダイヤ貼りがフォーマルなのか?
これは「手紙」の起源にさかのぼります。昔は既成の封筒などなく、手紙そのものを織り込んだり、大きな紙に包んで四辺の頂点を蝋封(ろうふう)していました。蝋封とは、このようなもの。

これが割れていないことが、手紙が開封されていないことの証となりました。ということで、手紙はもともとこのような形態だったため、メールのマークは、ダイヤ貼りの封筒になっています。それとカマス貼りだとマークにしてもメールのマークだとわかりにくい長方形2つにしか見えないからかもしれません。

「丁寧」のニュアンスを伝えるのは、手間暇とお金の気配
オーセンティックで「高級」なレストランに行くとメニューに筆記体が使われていることがあります。とても読みにくい(笑)。これ何故かというと筆記体って印刷にお金がかかるんです。銅版印刷という(昔の)普通の活版印刷に比べて技術と手間と金がかかる印刷方法が必要になってくるんです。
がゆえに、「うちは高級です!」というニュアンスを筆記体の印刷で伝えられるんです。現代でもレストランのロゴにCopper Plate Gothicという書体がかなり頻繁に使われています。

この書体もカッパープレート、つまり銅版印刷由来の書体です。銅版で印刷しているんですよー、だから高級なほうですよーというニュアンスがこの書体にはちょっとあります。それを知ってか知らずか、現代の、それも日本のレストランのサインに良く使われています。
またボンド紙という紙があります。透かし(ウォーターマーク)が入っていたり、簾の目(すのめ)がはいっていたりします。この透かしは、オリジナルで入れようとすると400万円くらいかかります。とても金がかかる!

こういった紙は昔証券に使われていましたし、現在でもフォーマルな挨拶状や手紙に使われています。このように、丁寧とかフォーマルとかそういうニュアンスを物で伝えようとするときには、背後に「上質であること」というニュアンスがあります。そして「上質である」ということは、つまるところ「手間とお金がかかっている」ということを意味しています。こういう流れが、フォーマルな封筒は、経済的カマス貼りではなく、ダイヤ貼りである理由にも含まれていると、私は考えています。
まとめ
丁寧って、お金がかかっているぞ!ってことでそれを伝えるところがあるのかも?というはなしを封筒の形態からしてみました。
Youtubeでもデザインの解説をしています
Youtubeでデザインの解説をしています。
参照
https://baddeleybrothers.com/19-types-envelope-million-different-messages/
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